晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

御在所 春分の日、日の出を眺める 2007.03.21

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春分の日の出

 

<メンバー>
単独

 

<山域>

 

<コース>
湯ノ山温泉-(中道)-御在所(頂上部直下)-(中道)-湯ノ山温泉

 

 今日は春分の日。今日から昼の方が長くなり、本格的な春の到来だ。天気も良さそうで絶好の山行日和だが、夕方から所用がある。そこで、春分の日にちなみ、真東から登る朝日を眺めようと御在所に出かけた。

 

 日の出時刻に標準をあわす為、出発は3時。月は出ておらず登山道は真っ暗。ヘッデンで照らされる範囲を慎重に確かめ、登山道を踏みしめて行く。

 

 慎重に歩き、やがて負バレ石に到着。見晴らしが良くなり四日市方面の夜景が美しい。少し上の岩場で三脚を立て撮影。みんな寝静まっているだろう時刻にも煌々と明かりが灯り、まるで光の海だ。よく、100万ドルの夜景というが、ここは幾らぐらいだろうか。

 

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四日市、名古屋方面の夜景


 夜景撮影を適当に済ませ、更に先に進む。ヘッデンは結構明るく、何度も歩いた道なので不安なくキレットを通過。徐々に高度を上げて行く。やがて、カニの横ばいの手前の岩場に到着。時間は5時。日の出までまだ時間はあるが、山上公園には上がらず、ここで待つことにする。

 

 今日も冬型の気圧配置が続いているのか、冷たい風が吹きすさぶ。たまらず合羽を着込むが手の先、足の先が凍えてくる。テルモスの紅茶を飲み、アンパンをかじりながらじっと待つ。

 

 やがて、東のそらがだんだん明るくなってきた。

 

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白々と夜が明けていく① (夜景モード撮影)

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白々と夜が明けて行く② (夜景モード撮影)

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白々と夜が明けてくる③ (夜景モード撮影)

 

 しかし、予定の日の出の時刻になってもいっこうに太陽は昇ってこない。(後で調べると東京の日の出時刻を見ていた。三重の日のでは+約15分後)風はますます強くなり、じっとしていられなくなる。もう少し防寒対策をしっかりしておくべきだった・・。

 

 それでも頑張って耐えていると、東の空が紫色に染まり始めた。いつの間にか町の灯りも消えてゆき、遠くの山々のシルエットが紫色の霞をバックに浮かび上がる。さっきまで、半分、「夜中に山に登ってナニやってんだろう」と思っていたが、そんな気分は吹き飛ぶ。荘厳な風景に時間を忘れてしまう。

 

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夜明け前、空が紫に染まる


 東の方に見えるのは中央アルプスの山々だろう。空気が澄んでいれば富士山が見えているはずだが、今日はどうだろう。方角をしっかり抑えていなかったので何ともいえないが、ひょっとすると写っているかも?と思いシャッターを切る。結果は・・良く分りませんでした。

 

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ん、富士山?


 景色に見とれていると、何の前触れもなしに太陽が昇ってきた。最初は茜色の切れ端が雲の隙間から顔を覗かせたかと思うと、みるみる丸くなり、辺りをピンク色に染めて行く。伊勢湾から木曽三川あたりの海岸線が浮かび上がる。

 

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春分の日の日の出、今日から正真正銘の春


 太陽が充分に登りきったら下山にかかる。今から降りれば7時半には車に戻れる。昇りゆく太陽が伊勢湾に反射してキラキラ輝いている。短時間の山行だったが何だか得した気分。やっぱり早起きは三文の徳だ。

 

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伊勢湾にきらめく陽光