佐目峠 古の街道を歩いてテント泊 2006.10.07-08
昔から街道を見守るオオシデ
<メンバー>
サークル
<山域>
<コース>
1日目:甲津畑~フジキリ谷(千草街道)~杉峠~佐目峠(樹林の中で泊)
2日目:佐目峠~杉峠~フジキリ谷(千草街道)~甲津畑
2日目:佐目峠~杉峠~フジキリ谷(千草街道)~甲津畑
土曜日の朝、名古屋方面はきれいな青空。少し風が強いのが気になるが、澄んだ空に浮かび上がる満月を思い浮かべながら車を西に走らせる。
鈴鹿スカイラインを越えようと思ったが、国道23号もいつに無く混雑、東名阪も桑名~四日市間で渋滞・・。おかしいなと思ったら、今日は鈴鹿サーキットでF1が開催される日だ。ルートをイシグレ峠越えに切り替えて、ようやく集合場所に到着。
この時点での空模様は曇り、それも鈴鹿山脈の西側のみ厚い雲に覆われている。台風の影響か?
甲津畑の林道からフジキリ谷にはいると、静かな渓流に丸木橋がかかる風情のある景色。ここは近江ー伊勢を結ぶ古くからの街道、「千種街道」の一部なので古い道型がけっこう残っている。
フジキリ谷の丸木橋
しばらく歩いても道はなだらかで数人横に並んでも歩けるだけの幅を保っている。蓮如上人の碑を過ぎると幹周り数メートルはありそうな「オオシデ」が現れる。昔から街道を守る並木として残されてきたらしいが、これほどまでに大きさには驚嘆してしまう。おそらく鈴鹿一の巨木だろう。
千種街道のオオシデ
渓谷沿いの小道を歩いて行く。流れをわたるところには丸木橋がかかり、小滝の上には落ち葉が舞い落ちる。アルプスのような壮大な景色もいいが、こういう2次林に囲まれた山歩きもいいもんだなとしみじみ思う。道沿いにはかつての鉱山の遺構であろうと思われる石組みも見える。
美しい渓谷
鉱山施設の跡と思われる石組
道の傾斜は緩やかで足取りは軽い。相変わらず雲は厚く太陽は見えない。時折、雲が切れて日差しが差し込むと、木々の緑が映えてすばらしい景色に変わる。標高900mを越えるとこれまた巨大なミズナラが現れる。あたりの木の葉はいくぶん色づいているようだ。
千草街道のミズナラ(一反ボウソウ)
僅かに色づいている
杉峠から名古屋を望む(正面にツインタワー)
ここから、稜線沿いに佐目峠を目指す。本来ならば開けた峠でテントを張り、月を眺める予定だったが、風が強く、雨も降るかもしれないので樹林帯の中でテントを張る。(まるで去年の七人山のテント泊のようだ。)
樹林の中でテント設営
テントを張り終え、食事の準備にとりかかる。今夜の献立は「ちゃんこ鍋」。風でバーナーの火が消えないように覆いで囲いながら鍋を囲む。寒いが美味い。ちょっとだけ、お酒も飲み、栗をむいたり、お菓子を食べたり、楽しい時間が過ぎて行く。
時々空を見上げるが、雲は晴れない。樹林の向こうに町の灯りがチラチラと見える。やっぱり下界は晴れている。みんな我々がお月見をしていると思っているんだろうな~。
お腹が一杯になったところでテントに潜り込む。シュラフの暖かさがありがたい。テントの外ではものすごい風が吹いているようだ。樹林の中なので風の直撃は無いが、風が木々を揺らす音がものすごい。山の下の方から風が吹き上がってくるのがわかる。
ちなみにこの時の天気図がこれ・・台風並みの低気圧が東北沖にいる。この低気圧がアルプスに雪を降らせたようだ・・・
10月7日21時の天気図
風の音で寝たのか寝ていないのかよくわからないが、それでも充分明るくなるまでテントでウトウトしていた。今日の天気はどうかな、と思い、テントを抜け出してみると山はまだ厚い雲に覆われたまま。御在所方面も真っ黒な雲に覆われている。今日はまっすぐ下ろう。
朝、まだ雲は厚い
佐目峠
ゆっくり朝食を済ませ、テントを撤収し佐目峠を後にする。天気が良ければイブネ、クラシに行くはずだったが今日も展望は望めないだろう。まっすぐに杉峠を目指す。
あっちは晴れているのにな~
杉峠で記念撮影をした後は、再び千種街道を下る。一気に冷え込んだせいか、葉の色も昨日より黄色くなっているような気がする。街道の主のようなミズナラに見送られて甲津畑を目指す。
杉峠近辺の黄葉状況
ミズナラが帰りも見守ってくれる
登山口には昼過ぎに到着。時間があるので、近江温泉で汗を流し、食事をする。天気は悪く、お月見どころかゆっくり寝ることも出来ない山行だったが、仲間はまたやろうといってくれた。ありがたい。今度は天気の良いときにリベンジすることを誓って解散。
再び、峠を越え、自宅に帰り着くとキレイな月がでていた。こんな月を見ているはずだったのにナーと、ため息をついてしまった。
こんな月を見ていた はずだった
終わり