入道ヶ岳~宮指路岳 苦難の尾根歩き 2006.07.08
入道ヶ岳山頂部の草原
<メンバー>
単独
<山域>
<コース>
小岐須~池ヶ谷~入道山頂部~イワクラ尾根~県境縦走路~宮指路岳~ヤケギ谷~小岐須
あいかわらず天気の悪い週末が続く。今週も降水確率は50%。しかしこのところ満足に歩いておらず体力の低下が気になる。コンディションが悪いのを覚悟で出かけることにした。
とにかく長い時間歩きたい。しかし、天気が悪いので途中でコース変更が容易な事を考え、小岐須を起点に入道ヶ岳→宮指路岳と周り、時間があれば仙ヶ岳まで足を延ばそう。天気が崩れれば最寄の峠から小岐須に降りれば良い。
小岐須渓谷へ入ったのは9時前だった。しかし、登山者と見られる人はほとんどいない。そういえば、入道ヶ岳の周囲は鈴鹿有数のヤマビル多発地帯だった。この時期、この天気に山に入るのは余程の物好きしかいないだろう。
ヤマビル対策の為、靴下に虫除けスプレーを塗布、更に登山靴にも塗布、そしてズボンの裾にも塗布、スパッツをつけてその上にも塗布。そして、虫除けスプレーを直ぐに取り出せるよう、ポケットに入れて出発。池ヶ谷は前日の雨もあって暗く湿った谷歩きとなる。
薄暗い谷中を進む
しばらく歩くと地面がなんだか騒がしくなってきた。直径1mmほど、長さ数センチの小枝状のものが地面のうえでウニョウニョとゆれている。ヤマビルだ。熱なのか二酸化炭素なのか、とにかくこっちが近づいていくのを事前にしっているように待ち構えている。
防虫スプレーをふっているにも関わらず、果敢に靴の上を登ってくる。中に入られると血を吸われる。一つの所にじっとしているとヒルが寄ってくるので、立ち止まることも出来ない。さらに、ヒルが靴やズボンについていないかを5分ごとにチェックする。
何かに追われているようで、精神的に追い詰められる・・・。
何かに追われているようで、精神的に追い詰められる・・・。
やがて、傾斜がゆるくなってくるとヒルの来襲も少なくなってきた。しかし、何気なく時計を見ると腕についていたり、ザックについていたり、もういやー!。
気がつくと、コースタイムを上回る速さで歩いていた。ばてた・・。
気がつくと、コースタイムを上回る速さで歩いていた。ばてた・・。
傾斜はゆるくなってきた
前半の飛ばしすぎでバテバテの状態で山頂部につく。なだらかな草原は緑一色になっている。当然、この天気では誰もいない。無人の草原に蜻蛉が無数に飛んでいる。ガスがかかってきた。
山頂部の草原、ガスがかかってきた
入道ヶ岳の麓にある「椿大神社」は猿田彦命を奉る由緒正しき神社。その背後の入道ヶ岳は天孫降臨の伝説もある神話の舞台でもある。山頂にある椿大神社奥の宮からイワクラ(神様の鎮座する場所)のあるイワクラ尾根へ進んで行く。
椿大神社 奥の宮
イワクラ(重ね石)
イワクラ尾根はアップダウンのきつい尾根だ。地図上の距離以上にきつい。今日は気温が30度近く、湿度は100%に近く、おまけに無風。展望もなく、虫が飛びまわる尾根歩きは苦痛以外の何者でも無い。
何度、下ってしまおうかと思ったが、なんだか負けるようでいやなので宮指路岳まで歩くことにする。
滋賀県側の展望、どんより
はるか後ろの入道ヶ岳
湿度が高いので汗をかいても蒸発しないのか、暑さのせいで頭がくらくらしてくる。休憩するとブヨが集まってくるのでじっくり休憩もしていられない。もはや「修行」だ。汗で全身びしょぬれになりながら、ようやく宮指路岳に到着。宮指路(くしろ=946m)岳山頂部では花崗岩の奇石が数多く見られる。
馬乗り岩
山頂付近の奇石群
三体仏岩
仙ヶ岳のツインピークスは目の前だが、とてもあそこまで行く元気は無い。今日はここで終わり。ケヤギ谷を下ることにする。途中の東海展望でボーッと15分くらい佇んでしまう。
ガスの中のツインピーク(仙ヶ岳)
ケヤギ谷は不思議なことにヒルがいない。土質の関係なのか?なにはともあれ、しんどかった。思ったより距離を稼げなかったが、このこのまま歩いていると熱中症になるところだ。途中の滝で顔を洗ってさっぱりして車に戻る。
車に戻ったところでヒルチェック。知らない間にやられていないか確認と、衣類やザックについていないか最後のチェック。
恐る恐るスパッツを外すと・・・やられた。ズボンが血で真っ赤に染まっている。スパッツの裏から満腹になって丸々と太ったのが一匹、現在吸血中が脛に張り付いている。
スプレーで退治したが、気持ちのいいものではない。痛くないようにヒル自身が麻酔を出しているので、これだけ流血しても気付かないことが多い。
ヒルの被害(傷口はとても見せられません)
このほかにもブヨにも2箇所、高い入山料を払った割には苦しいだけの山行だった。
しかし、まあ、いいトレーニングになったか。精神的にも・・。
今回のコース、(カシミール3D使用)
ヤマビルについてはこちら ⇒ ヤマビル研究会