晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

霊仙山 春爛漫 福寿草山行 2006.03.25

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幸せを呼ぶ黄色い春の使者

 

<メンバー>
サークル

 

<山域>

 

<コース>
今畑~笹峠~近江展望~南霊山~霊仙山~お虎ヶ池~お猿岩~汗拭き峠~落合~今畑

 屋久島遠征から帰ってくると我が愛する鈴鹿山系も春爛漫となっていた。3月下旬の霊仙西南尾根は鈴鹿の山行スポットとしては外せるものではない。今年もサークルのメンバーと共に早速出かけることにした。
 
 霊仙西南尾根に関する山行記はここ10日ほどの間にweb上でもずいぶん報告されている。天気の良い今日はさぞかし多くの人で賑わっているだろう。予想通り今畑集落は既に多くの車が停まっている。もう少し遅ければ駐車地探しに苦労するところだった。

 

 今畑の集落跡から急な斜面を上がって行く。薄暗い谷にあるため少し淋しい雰囲気だが、ほんの前まではここにも人の暮らしがあったのだろう。

 足元に節分草が咲いていた。思いもよらぬ出迎えだ。この山行はきっと良いものになるだろう。

 

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今年初めてみた節分草

 

 笹峠までの道は杉の植林帯の中を歩いて行く。風も無く暖かい今日は絶好の山日和であるが、花粉症にとってはきつい。メンバーの一人はサングラスにマスクという銀行強盗のようないでたちをしている。(かくゆう私もマスク装着だが・・)

 

 やがて左手に西南尾根の大斜面が姿を現す。これを登らないと福寿草の花園にはたどり着けないのだ。

 

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西南尾根の大斜面

 

 笹峠で小休止のあと、斜面に取り付く。高度差約400mの斜面だが足は軽い。青空に包まれながら高度を上げて行く。振り向くと御池岳の巨体が寝そべっており、西には琵琶湖の向こうに白い雪山が見える。

 

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御池岳

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湖北の向こうの山

 

 急な登りに息は弾むが今日は気心の知れた仲間との山行である。展望が素晴らしく、メンバーの顔からも笑顔がこぼれている。足元にはスハマ草の可憐な姿を見ることが出来た。

 

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いつも元気なEちゃんとZ君

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スハマ草

 

 途中、小休止を挟みながら笹峠から小一時間ほどで近江展望へ到着。潅木と石灰石の岩峰の上の尾根歩きとなる。雪はこの一週間でずいぶん解けてしまったようだ。稜線上に残る雪も少なく、地面がところどころ顔を出している。

 

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霊仙山西南尾根 南霊山、最高点が見える

 

 近江展望を少し進んだところから満開となる。太陽光がさんさんと降り注いでいる。福寿草は黄色のパラボナアンテナを目いっぱい広げ、日の光を受け止めている。

 

 ハイカーの姿も多く、たくさんの人が地面に這いつくばって写真を撮っている。写真を撮らないものが見たら変な風景に見えるのあろうが、今は自分も写真を撮るので理解できる。(でもあまりかっこよくない)

 

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福寿草

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福寿草

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花園の中で一休み

 

 あまりにもたくさん咲いているので、鑑賞にも少々飽きてきた。お腹もすいてきたのでルートから西に外れた展望の良い丘の上で昼食にする。この丘にはたっぷり雪が残っており、どこの大雪渓を歩いているの?といった錯覚に陥るほどだ。
 

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あの丘の上でご飯にします

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わーい ゴハンゴハン

 

 昼食場所は琵琶湖と湖西の山並みが一望に見渡せる絶好のポイントだ。今日の昼食はラーメンとコンビにオニギリだが、景色がよいと俄然美味しく感じる。

 

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ここも福寿草の花園であった

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琵琶湖から湖西の山々を望む

 

 景色を楽しみ、小一時間ほどのんびりした。放っておくと昼寝でもしかねないくらい心地よいが先は長いので出発。

 

 通常ルートでは最高点経て、稜線上を霊仙山に向うことになるが、最高点手前の鞍部から丁度良い雪のスロープが谷に向って落ちている。もう3月だが背中には何故かヒップソリを持っている。

 

 ここはシリセードしか無いだろう。時間短縮のショートカットもかねて滑り下りる。広いなだらかな斜面はシリセードにはかっこうにゲレンデとなった。恐らく今年最後であろうシリセードを楽しむことができた。

 

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正面は最高点、左にはかっこうのゲレンデが

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お尻で、あるいは靴で滑る、気持ちいいー

 

 谷底へ下りてから、霊仙山へ雪の斜面を直接登る。この時期は泥状の登山道や岩の上よりも雪の上が最も歩きやすい。斜面の白い雪と、琵琶湖と空の青さが目に飛び込んでくる。
 

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登りは何故か下を向きますね

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琵琶湖の青

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雪の白

 

 霊仙山の山頂では雲ひとつ無い360度の大展望。琵琶湖、比良山系、伊吹山が美しい。遠く白山も見える。頂上で記念撮影の後、再びショートカットして「お虎ヶ池」まで直接下りる。お虎ヶ池は雪が積もっており、水は見えない。ここでも記念撮影をする。

 

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山頂からの眺め

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頂上での記念撮影、みんなの笑顔がよいです

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お虎ヶ池でも記念撮影

 

 後は汗拭き峠に向って下りて行くだけでだ。右手に琵琶湖を眺めながらのんびり歩く。お猿岩から先は新しい下山路が出来ており、いやらしい泥道の下りを経験せずにすんだ。でもここもたくさんの人が歩く内に割り堀状になってしまうのだろう。
 

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のんびり下り

 

 汗拭き峠付近にはミスミ草の群落があり、再び目を楽しませてくれる。ここでも地面に這いつくばりながら写真を撮るが、上手くピントのあったのは2~3枚。花の写真は難しい。

 

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ミスミ草

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写真撮影風景

 

 汗拭き峠から先は大洞谷にそって、暗い樹林帯の中を落合集落まで歩く。今年の大雪のせいか倒木が多い。地面にもまだ雪がたくさん残っている。

 

 16時前に今畑集落に到着。あれほどあった車はほとんど帰ってしまったようだ。車を多賀町までだして、そこで解散。

 

 今日は天気にも花にも仲間にも恵まれて本当に良い山行だった。毎度の事だが仲間たちには感謝だ。

 

 しかし、なんだか今年は晴れが多い。ひょっとしてついている年なのか?3月半ばにしてそう思った。