晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

雨乞岳(予定) 幻のテント泊・・ 2006.03.04

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雨乞岳 今夜の寝床の予定だった・・

 

 3月の2週目に遠征を計画している。新調した夏靴(軽登山靴)、80リットルザックの使い心地を試す為、一人テント泊に出かける予定だった。場所は雨乞岳付近、できれば佐目峠かイブネ辺り。一人、星を眺め、ウイスキーを舐め、本を読みながら日頃の雑事を忘れる・・・。前日から食料を準備し、テントで読む本まで吟味して望んだが、結果は惨憺たるものだった・・(泣)

 

 午前7時00分頃 国道23号線を西へ走っているところで携帯電話が鳴る。会社でトラブル発生との事。事が重大な様子なのでとりあえずUターンし、会社へ出向く。トラブルの復旧は11時過ぎの予定。ここではまだあきらめていなかった。当初予定のコースは到底無理。ロープウェイで御在所まで上がり、郡境尾根経由で雨乞岳まで上がれれば、なんとかなるかも。

 

 そう考え、会社を出たのは12:00 高速道路を目いっぱい使ってロープウェイ乗り場に13:00到着。御在所山頂には13:20頃着いた。前日の雪のせいか、山上公園では期待もしていなかった樹氷が出迎えてくれた。天気は快晴。星空と朝焼けが楽しみだ。
              

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ロープウェイからの御在所①

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ロープウェイからの御在所②
なんと樹氷があるじゃないですか!

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山上公園より西を眺める
今夜のキャンプ予定地もくっきり見える

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予想もしなかった樹氷が!

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御池岳ももう一度雪化粧している

 

 目指す郡界尾根は一般道ではないものの、御在所山頂からもっとも少ない高低差で雨乞岳への登山道へ合流出来る。入り口は山上公園西にある御嶽神社の裏から。

 

 スキー場も終わり、人の少なくなった山上公園を歩いて行く。しかし、樹氷と青空はやはり良く似合う。
 

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御嶽神社

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山上公園は静かだ

 

 神社の裏からは当然トレースなど無い。コンパスで方向を定め えいやっ と踏み出す。低木の中をテント泊装備で歩くのあでちらこちらに引っかかって難儀するが、雪は堅く締まっており、とりあえず下りなので問題はない。

 

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振り返れば山上公園

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雨乞岳 いつ見てもカッコイイ

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目にしみる青

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木に引っかかりながらも

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無人の尾根①

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無人の尾根②

 

 雨乞岳への登山道はまだかなー なんて思っているとまた携帯電話が鳴る。ドキッ。やはり会社からで新たなトラブルが発生したとの事。一旦は電話を切ったが、状況が見えておらず、場合によってはのんびりテントで寝ている場合ではなくなる。
ここで完全にやる気がなくなった・・・。仕方ない、戻ろう。

 

 雨乞岳登山道へ合流後、東に向かい武平峠経由で湯の山温泉まで2時間かかった。会社の状況を再度確認すると無事復旧し、私が戻る必要はなくなったとの事。

 

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武平トンネル
(無情の風が吹き抜ける・・)

 

 山麓でテントを張り、翌朝、福寿草でも見に行くかとも思ったが、藤原付近の地図を持って来ていないので家に帰ることにした。結局、20kgちかいザックを一度も荷解きせず家に戻る。

 

 妻は私が泊まる予定だったので実家に帰っていた。家で初めて荷を解き、テントで食べる予定だった料理を作るが・・美味しくない。

 

 まあ、こんな日もあるさ と自分を慰める。徒労という言葉が最も似合う一日だった。