北アルプス 奥穂高南稜② 2019.05.03-05
ブログ引っ越しの際に抜けていた記録を順次アップしておこうと思います。
古い記録&季節外れになりますが、ご容赦ください。
怖いトラバース
<メンバー>
鈴鹿ハイキング倶楽部 3名
<山域・形態>
北アルプス・積雪期登山
<コース:2日目>
岳沢ヒュッテ(5:05)~トリコニー基部(10:30)~トリコニー一峰(13:15)~南稜の頭(17:25)~奥穂高岳(17:50)~穂高岳山荘(18:50)
アタック当日は早めに起きて素早くテント撤収(下山は難易度の低い涸沢方面なのでテントを担いでの登攀になる)。まだ体が起きていない中、南陵の取り付きへ向けてデブリを越えて行く。
取り付きへ向かう
デブリが
南陵への取り付きは昨日の偵察パーティーのトレースを辿り、右側の小ルンゼから。丁度先行パーティーが取り付いているところだったので見学。上部は小滝になっておりその乗越しに苦労しているようだ。
いよいよ我々の番。やはり小滝の乗越しで少し苦労したが何とか離陸出来た。気温が低く雪が締まっているのでアイゼンピッケルが良く効く反面、縦走用ピッケルで取り付いたなおちゃんは、ピッケルの刺さり具合が不安みたい。
急斜面の雪壁は常に緊張を強いられる。一つのミスで滑落に繋がる恐怖を少しでも減らす為、灌木が出ている尾根にルートを変え、ヤブ漕ぎ覚悟で登って行く。
この急斜面が結構くる
ハイマツが所どころ顔を出した雪稜を、時々ロープを出しながら登って行く。まあ、時間はかかるが安全第一。ここで、左のルンゼを勢い良く登ってきた男性3人Pに追いつかれた。力量のあるPと思ったので先を譲る事にする。
やばいところはロープを出す
あー緊張するなあ
すでにかなりの時間が経過し雪が緩んできたのでロープを出す頻度が増える。いやらしいルンゼの先にトリコニ-一峰への取り付きがあり、先ほどの3人組が休憩している。どうやら安定したテラスがあるらしい。我々もザックをおろし大休止。出発から初めて緊張を解く事が出来た。
さあ、ここからがクライミングエリア。基本、なべちゃんと私がツルベで登り、なおちゃんが中間をアッセンダーで登るというスタイル。登攀の難易度はそれほどでは無く、ロープもいるかな?って感じだったが、落ちたら怪我では済まないのでピナクルで支点を取りながらロープを伸ばす。
やっとトリコニーへ取り付く
一峰の螺旋階段を越えた所で先の3人Pに追いついた。リードがなかなか進めないようで苦労しているようだ。ここでかなりの時間順番待ち。コースが空いた後、今度はなべちゃんがリード、トラバース気味に進みトリコニ-Ⅰ峰に到着。
らせん階段の中
結構登って来たなあ
さて、ここからが大変。ロープを出すと途端に遅くなる先行Pとの間にトリコニーを巻いて来た後ろの5人パーティーが横入り。ロープを交差させながら登ってきた。こんなとんでもないマナー違反は本来怒るべきだが、先行Pも5人Pも岳沢まで戻るつもりだと聞いていたので、黙ってルートを譲る。おかげで待ち時間はさらにアップ。
交錯する先行Pと横入りしてきたP
凄いところにいるの分かる?
必死のトラバース
結局、トリコニーを通過するのに3時間近くかかってしまい、流石に焦ってくる。しかし、前を行く5人Pはどんな場所でもロープを出して登って行くので時間がかかって仕方が無い。結局、稜線に出るまでさらに4時間。こりゃ岳沢に戻るなんて完全に無理だな。
遅々として進まない先行P
順番待ちの図
待ちくたびれたよ
やっと稜線
やっとのことで奥穂高山頂に辿りついた時には日没間近。美しい夕焼けを眺めながら(内心焦りながら)穂高岳山荘に着いた時には完全に日が暮れていた。涸沢まで下るのは諦め、今日はここでテントを張る事にする。(5人Pも岳沢へ戻るのは諦め、穂高岳山荘に泊まる事にしたようだ)
奥穂山頂
槍がきれい
ジャンダルム
急いで下ろう
穂高岳山荘が見えた
太陽さん、待って~
何とか日没までには間に合った
ここから雪を整地し、テントを張って夕食を作って食べたらもう21時過ぎ・・精も根も尽き果ててしまった。
つづく