晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

御在所 久々のラッセルに参った~ 2006.12.30

雪の御在所

銀の鎧を纏った御在所

 

<メンバー>
単独

 

<山域>

 

<コース>
湯ノ山温泉~中道~御在所(ピストン)


 2006年の登り納めはどうしようかと考えていたら、いきなり大寒波がやってきた。29日は鈴鹿の山にも一日中雪が降っていたらしい。今年は暖冬で雪が降らないなーなんていってたら、ここへ来て帳尻が合ってしまった。それならと、いそいそとアイゼン、ワカンをザックに括り付け、湯ノ山温泉に向かった。

 

 東名阪の四日市ICを降りると路面に白いものがちらほら見える。菰野町へ入る頃には田んぼには雪が積もっている。山はどうなっているのだろうか?とワクワクするが雲に覆われていて見えない。

 

 湯ノ山温泉では約20cmの積雪。昨夜まで降っていたせいか除雪は全く行われておらず、温泉街の中でスタックしそうになり(一応4WD+スタッドレス)とても一の谷茶屋の駐車地までたどり着けたものではない。蒼滝Pに車を停め、湯ノ山温泉の中を歩いて鈴鹿スカイラインまで。

 

雪の湯の山温泉

湯ノ山温泉も雪化粧

 

 温泉街の中でも「膝までラッセル」を強いられ、気が遠くなりそうになる。ようやく1時間ほどかけて鈴鹿スカイラインまで歩く。すっかり雪に埋もれており、1週間前は嘘のよう。

 

雪の鈴鹿スカイライン

雪に埋もれた鈴鹿スカイライン

 

 こんな日に登山者が他にもいるのか不安だったが、中道にはちゃんととレースがある(ほっ)。全部ラッセッルだと単独ではとても上までたどり着けたものでは無い。しかしトレースはあると行っても、昨夜まで降っていた雪はフカフカで足にまとわりついてくる。通常の倍ぐらいの時間をかけて、地蔵岩、キレットを通過する。

 

地蔵岩

地蔵岩も寒そう~

山頂部は雲の中

 

 キレットを通過する頃になっても、天気は一向に回復しない。風が強く粉雪が舞っている。相変わらず足元はおぼつかないがトレースのお陰で順調に高度を稼ぐ。「先頭の人、ご苦労さん」と思っていると、先行者に追いついた。ご夫婦の二人連れだ。これは先に行くしかないな・・と思い先頭を交代すると、おどろいた事にその先にもまだトレースがあった。内心、ほっとしながらカニの横ばいを通過すると上から二人の若い男性が降りてきた。コースを間違えて引き返してきたのだ。彼らが本当の先頭だった。二人でほぼ頂上下のここまでラッセルするとは、まったく頭が下がる。みるとずいぶんばてている様なので、ここで満を持して交代。目の前にはまっさらの雪が広がる。

 

ノートレース

ノートレースの登山道

 

「よっしゃ、まかせとけ」みたいな顔で先頭を引き受けたが、元来、雪には弱い。体重が重いため人より沈みやすいのだ。おまけに先頭を代わった場所は吹き溜まりのようになっており、腰から胸のラッセルとなってしまった。かけどもかけども遅々として進まず、10m程もがいたところで助け舟が出た。(情けなくてすいません)最後尾に移り、申し訳なく後に続く。

 

ラッセル

まさに道を切り開くラッセル!

 

 4時間以上かけて山上公園に到着すると、足跡の全く無い雪原が広がっていた。他の道からの登山者も未だなのだろう。雪が深くロープウェイの客もここまではこられない。樹氷が満開となっているが、青空でない為、少し淋しい。

 

静寂の山上公園

静寂の山上公園

樹氷の森(青空だったらな~)

 

 ロープウェイ駅まで行ったら、それでもロープウェイで上がってきた観光客がいた。食堂も開いていた。あたたかいウドンでも食べようかと思ったが、プライドが許さず、雪の上に座り、鍋に湯を沸かしてラーメンを作って食べる。こういう寒い日はなぜかミソラーメンの気分になる。

 

やはり無人の展望台

 

 山上公園を一回りしようかとも思ったが、風が強く相変わらずガスが濃かったので景色は期待できない。すぐに下山することにする。裏道から、と思ったが裏道から人が上がってきた気配は無く、またラッセルをしないといけないので、中道を引き返すことにする。

 

一瞬、青空が!

 

 天気予報では昼過ぎには晴間が見えるとあったが、雲は黒く厚い。それでも一瞬雲が切れると眼下に雪に覆われた伊勢平野が見える。北を見ると釈迦ヶ岳も雲に覆われている。

 

雪が積もった菰野から四日市方面

北の方も雲の中

 

 キレットまで降りてくるとロープウェイのゴンドラもほとんどなくなっている。早々に営業を終えたのだろう。水を飲もうとすると口が凍っていた。寒い。

 

 見上げると御在所が銀の鎧を纏っていた。やっぱり雪が積もると山はかっこよく見える。

 

凍った水筒

水筒の水が凍る・・

雪の御在所

銀の鎧を纏った御在所 威風堂々

 

 無雪期の倍以上の時間がかかったが、なんとか上まで行けた。2006年の最後を締めくくるにはいい山行だった、と思いながら、つりかけの足をかばいながら、今日も片岡温泉に向かった。