上水晶谷 静寂の神河内 (鈴鹿の上高地) 2006.10.15
上水晶谷出合
<メンバー>
サークル
<山域>
<コース>
絶好の秋晴れもあって、朝明Pは結構な車の数。愛知山岳連の救助訓練も行われている。われわれも伊勢谷を目指し歩き出す。今日はショートコースの予定なのでゆっくりゆっくり。空は青く風は澄み切って気持ちよい。やっぱり秋はいいな~。1時間ほどで根の平峠に到着。愛知川の向こうにある銚子ヶ口がよく見える。
根の平から銚子ヶ口岳
根の平峠は800mを少し越える峠で、千種街道の伊勢側の峠になる。この付近には「根の代」という集落があり、宿屋もあったらしい。峠を旅する人たちが行き来した峠に立つと、なんだか昔を想像してしまう。近江側に下ると平坦地が現れ一面のススキの原になっている。
峠付近にススキの原が
愛知川方面へ下る道は割り堀が水路状になってわかりにくい。うっかり杉峠方面の道に行きそう人なるが、ここなまっすぐ愛知川本流に向かう。30分も歩くとタケ谷出合に到着。
愛知川もこの辺りに来ると流れは穏やかで川面に木の葉が映っている。紅葉の頃に来るととても美しいのだが、今日はまだ早いようだ。見頃はあと、1~2週間後とみた。足もとにダイモンジソウが咲いている。ここでココアを入れていっぷく。
タケ谷出合 紅葉にはちと早い
少しだけ色づいている
ダイモンジソウ
ここから対岸へ渡る。渡渉では飛び石におっかなびっくりのOさん、Kちゃんは靴を脱いでじゃぶじゃぶ、これが確実やね。
渡渉① おっとっと
渡渉② これが確実やね
渡渉② これが確実やね
紅葉には少し早いが、木の上の方は少し色着いている。暖かい日の光が葉の隙間からこぼれ、足元では落ち葉がサクサクとなる。いい雰囲気。
2次林の平坦地 いい雰囲気
炭焼き窯の跡
足元には栗のイガがたくさん落ちている。この前の強風で落ちてしまったのか?しかしイガの中に栗の実が入っていることはまれであり、猿などの動物達が食べてしまったようだ。
ふと気がつくと、近くに猿の群れがいる。闖入者である我々を監視しているようだ。鹿の鳴き声も聞こえる。
栗の実は入っているかな?
しばらく歩くと沢音が聞こえ始める。上水晶谷の出合だ。この付近を鈴鹿愛好家達は「鈴鹿の上高地」と呼ぶらしい。上高地の元の意味は「神河内=神のおわす河の内」だそうだ。本家の上高地と似ているところは見当たらないが、静寂に包まれた清流と2次林の林はなんだか特別な場所のように思え、まさに神河内にふさわしいような気がする。谷の上を木漏れ日が差し込み、トンネルのように見える。岩陰にはダイモンジソウが群落を作っている。
上水晶谷 木漏れ日のトンネル
コバルトブルーの水面
山栗
ここにもダイモンジソウが
この辺の河原で昼食。ここまで他のパーティーには出会わず、本当に静かな山行だ。のんびりのんびり。ゆっくり食事を取り、景色を眺め、胸いっぱいに空気を吸い込む。(体の中が少しはキレイになったかな)
食事の後は、再び根の平峠を目指す。平坦地に立つ東芝山岳会の道標が上水晶から上がって来る道と、杉峠(コクイ谷出合)からの合流地点であることを教えてくれる。
しばらく歩くと幹周りが数メートルもある「神杉」だ。根の平集落の御神木になっていたという話。
しばらく歩くと幹周りが数メートルもある「神杉」だ。根の平集落の御神木になっていたという話。
根の平の神杉
根の平峠を越えて、あとは朝明に下るだけと、いうところでぶな清水に寄り道することにした。踏み跡ははっきりしており、もうだれでもいけるだろう。標高は若干上がったが、それでもまだ紅葉には早いようだ。
ぶな清水付近 紅葉はまだ
ぶな清水で水を汲み、妻へのお土産とした。あとは朝明まで下るだけ。なんだかんだで6時間ほどの行程。
いつも一人だとセカセカ歩いてしまうが、こういうのも非常にいい。秋の澄んだ空とせせらぎ、陽光に輝く木の葉に包まれた場所、まさに「神のおわす河の内」で心の洗濯が出来たような、そんな一日であった。
ご一緒した皆さん、ありがとうございました。
今回の地図 青:往路 赤:復路
※今回のコースは紅葉に時期に是非、お奨めです。見頃は10月第4週から11月の第1週あたりでしょうか