焼岳 秋の北アルプス散歩 2006.10.01
焼岳から見る穂高連峰
<メンバー>
サークル
<山域>
<コース>
中の湯~焼岳~上高地
10月に入り秋の気配が濃厚になってきた。下界ではまだまだだが、高地では紅葉の便りがチラホラ聞こえてくる。今回はサークルの仲間とアルプス初体験の妻と一緒に、北アルプス入門編である焼岳へ出かけてきた。
深夜発で来る仲間達より一足早く、平湯キャンプ場で一泊の後、日曜日の深夜平湯温泉に集合。そこから安房峠を越えて、登山口である中の湯10号カーブに向かう。降水確率は70%・・。早立ち、早着きで雨が降る前に下りてこようという算段。
登山口では既に数台の車が停まっており、バスもいた。バスからは数十人のハイカーが降りてきている。これから出発するらしい。
まだ、夜が明けていないので、朝食を取り少しだけ時間をつぶす。ようやく辺りが白み始めたころ、ヘッドランプをつけ出発する。
真っ暗の中、出発
歩き始めはぶなや唐松の樹林の中の急登。寝不足気味なので体が重たい。そのうち白々と夜が明けてきた。雨が降るとは思えない美しい朝焼け。(朝焼けの時は天気が悪いそうです)
樹林の中を歩く
1時間ほど、樹林の中を歩く。視界が悪く歩くのに退屈しだす頃、展望が広がり焼岳がバーンと姿を現した。みんなの顔が急に明るくなり、写真撮影タイム。既に上部は森林限界を超えており、荒々しい岩肌が見えている。アルプスらしい景色に妻も息を呑む。ナナカマドも赤く色づいる、アルプスはすっかり秋なんだなー。
焼岳が姿を現す
紅葉もチラホラ
下堀出会いからはカール状の谷の横を登って行く。既に背を越える樹は無く展望が広がる。前にはせりあがるような斜面の上に噴煙を上げる焼岳北峰が立ちはだかり、後ろには乗鞍岳、御岳山が霞の様な雲海の中に浮かんでいる。まるで水墨画のような幽玄な世界。
カール状の谷を登って行く
だいぶ見晴らしがよくなってきた
噴煙が見える
振り返ると墨絵のような世界
気分がよくなったところでグングン高度を上げると、遠くに見えていた噴煙口が段々大きくなってくる。風向きによっては硫黄の匂いが立ちこめ、温泉にいるようだ。稜線に乗るすぐ手前で噴煙口の横を通り抜けると、荒々しい噴火口と火口湖のある山頂にでた。
迫力の噴煙
火口湖
頂上では登山口で見かけた数十人の大パーティーが先に着いていた。賑やかな頂で記念撮影をしたり展望を楽しむ。目の前には西穂から奥穂がその美しい姿でどっしりと構えている。同じ高さに西穂山荘の屋根も見える。来年は北アルプスの超メジャーコースにも挑戦したいなー。足下には上高地から流れる梓川、そして大正池も見える。
眼下には上高地
頂上の岩場で記念撮影
この頂上で時間はまだ8時半。早起きは三文の徳とはよく言ったものだ。雨が降れば中の湯まで戻る予定だったが上高地まで降りることに。中尾峠までの急降下はガレガレの岩場で、思わず腰が引けてしまった。
急降下
穂高をバックに
焼岳をバックに
途中、ハシゴ場が2~3あったくらいで、あとは単調な下り。傾斜がゆるくなってくると辺りはトチの巨木の森となる。雰囲気の良い道だが、上高地までもう少しと思っていただけに結構長く感じる。
梯子
田代橋に着くとそこは観光客でごった返していた。山歩き姿の我々は少数派。天気が良いとすばらしい景勝地なのだが、曇っていてはなんだかさえない。そして、やっぱり山頂から見た景色の方が素晴らしかった。
上高地は雨だった
河童橋のターミナルからタクシーに分乗して中の湯まで戻る。途中、釜トンネルがきれいになっていたのに驚く。中の湯では温泉に入り疲れた体を癒す。露天風呂に入っていると雨が本格的に降ってきた。湯につかり、ガスに煙る霞沢岳を眺めながら、いい山行だったなーとしみじみ思った。