晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

白山 蛇谷支流 小親谷から親谷周回 沢登り① 2022.10.15~16

この滝の巻きに時間を取られました

 <メンバー>

鈴鹿ハイキング倶楽部 4名

suzuhaisecure.sakura.ne.jp

<山域・形態>

白山・沢登

 
<コース:1日目>

親谷の湯P(8:45)~小親谷(9:05)~Ca830m二俣(10:20)~Ca1240m(15:15)C1泊

 

 三度転進を強いられた秋の三連休。翌週は天気も良さそうなので懲りずに沢泊を計画します。行先はこれまで沢では行った事の無い白山北部エリア。白山北部の沢は難易度が高く、参考にする記録も少ないので躊躇していましたが、

「渓相が美しく、沢自体はあえてグレードをつけるとしたら1級上くらい。沢始め、宴会山行、そしてデートに最適な沢」

 と書かれた記録に唆され惹かれ、紅葉の時期にチャレンジしてみる事に。

 

<参考にした記録>

keisetsu.sakura.ne.jp

 

 アプローチは岐阜県側から白山ホワイトロードを経由して親谷の湯まで。ホワイトロード中宮方面が道路崩壊で通行止めの為、片道割引1700円也。

 ちょっと時間を読み違え、馬狩の料金所を通過したのが7:30ぐらい(この時期は7:00~通行可)。スタートは8:45になってしまいました。

 

 まずは階段を降りて蛇谷園地へ、そして適当な所から蛇谷に降り立ちます。

 

親谷の湯の駐車場から

川に降り立つ

 

 小親谷の出合いは小さな滝が架かっています。フリクションを確かめながら滝の左側を登って小親谷に進入。フリクションは思ったより良いみたい。

 

小親谷入り口の滝

 

 小親谷の前半はひたすらきれいなナメが現れます。これならデート沢ってのも頷けるなあ(と、この時は思ってました)

 

きれいなナメ

ヌメリはそれほどでもない

滑らないように慎重に

 

 時折り、5~6mの滝が出てきますが、雪国の沢だけあって木を手掛かりに登ることが出来ません。基本、ラバーシューズのフリクションを頼りにじわっと登って行きます。淵も水をうまく避けいといけないので、ちょっと難易度アップでしょうか。

 

左側をじわっと登る

落ちるのやだよ~

こんなに狭い所も

 

 標高830m付近の二俣は広いナメ滝がかかっています。右側の滝を少し登ってから左俣に入ります。

 

広い二又(Ca830m)

左俣に入ります

 

  やがて出て来る20m滝は左から巻き。記録ではあっさりと書いていましたが、これが中々難しい。

 まず、藪も無く岩が露出している小さな支流を登ります(水は涸れている)。ほとんど滝の高さまで上がると傾斜も緩み、灌木も出て来るので上流方向にトラバース。ただ、落ちると一気に下まで行きそうなので、念の為、先頭にロープを引いて行ってもらいます。

 落ち口近くから更にルンゼ状を登り、傾斜が緩くなったところで再度トラバース。30mロープ2本つないでの懸垂下降で谷に戻りました。この巻きで1.5時間を消費・・。

 

20m滝

草付きトラバースは怖い

懸垂下降で谷に戻る

 

 次の15mも同じく左から巻き。今回は懸垂無しで谷に戻れました。この二つの滝を巻き終わった時点で12:45。水平距離は予定の半分も進んでいません。さすがに内心焦ってきました。

 

これも左から巻き

 

 その後は難しい滝は出てきませんが、微妙なナメがいくつも現れます。滑っていない所を足裏で探りながらペタペタと登って行きます。

 

微妙なナメ

足裏感覚が頼り

 

 時間に余裕があれば楽しいゾーンですが、今日の泊予定地は尾根を乗越して隣の親谷。暗い中のヤブを漕ぎながら尾根を乗り越すのは厳しいなあ・・。

 

これはまだ登りやすい

1段上がるのにカムを使った

 

 その内、谷はどんどん狭くなってきて登るのも小難しくなってきました。乗越しへの取り付きタイムリミットは14:30と考えていましたが、時間は刻刻と過ぎて行きます。

 

谷がどんどん細くなってくる

 

 尾根への取り付きポイントの支流に着いたのは15:00を回っていました。うーん微妙な時間。最悪、水を汲んで尾根の途中でビバークも覚悟しましたが、周りをよく見ると倒木が豊富にあり、焚火は何とかできそう。更によく偵察すると左岸を10mほど登った所に4人が何とか横になれる台地を見つけました。(天は我を見放さなかった~!)

 

 邪魔な木を少し切って平坦な場所を確保。テントは張れないので、念の為に持ってきたタープを張って寝床を確保します。ふう、これで一安心。

 

 谷へ降りるためにロープを固定したら、焚火&夕食の準備。これで何とかいつもの沢泊になりそうです。

 

寝床を確保

焚火は何とかできました

ヘッデンの明かりで夕食準備

今日は石狩鍋

 

 焚火の火に当たりながら鍋を食べ、お酒が入ったらやっと落ちてきました。いつもとは勝手の違う雪国の沢の難しさと美しさ、そして「どこがデート沢やねん」と悪態をつきます。(記録を書いた人達はレベルが高いなあ~)

 

 いい時間になったので、台地まで這い上がりタープの下に潜り込みます。シュラフに包まり上からフライを被ると思いの他暖かく、テントでなくても十分眠れました。

 タイムアップした時はみんなで膝を抱えて体育座りでビバークも覚悟していただけに正に天国のよう。背中が凸凹で寝心地は悪かったのですがたっぷりと眠る事が出来ました。

 

つづく

 

<2日目の記録>

ikuyayuuki.hatenablog.com