晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

琵琶湖 沖島のんびり漕艇記

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われは湖の子♪ さすらいの~♪ 旅にしあればしみじみと~♪



梅雨が一向に明けません。が、一日だけはれそうな土曜日、どこに出かけるか?。近場の尾根歩きはとにかく暑いのでパス。沢登が良いのだが、このところの長雨で増水が怖いのでこれもパス。

しかし、とにかく避暑に出かけたかったので、琵琶湖に出かけることにした。カヌーを浮かべてのんびりビールでも飲もう。

愛艇は10年近く前に買ったファルトボートの二人艇(ファルフォーク、キャンペットファミリー)。ファルトボートは組み立て式で、保管と持ち運びが便利なカヌーだ。もう何年も乗っていない。
物置から引っ張り出してきて、車のトランクに放り込み、車を西に走らせる。

目的地は近江八幡国民休暇村前のビーチ。目の前には琵琶湖最大の島、沖島が浮かぶ。既に夏休みに入っており、たくさんの子供達で賑わっている。カヌーを楽しむ人も何人か見える。


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               夏休み初日の近江八幡国民休暇村


まずは、カヌーの組み立て。アルミ製のフレームを組み立てて、船体布の中に押し込む。空気をいれて張力を持たせれば完成。二人乗りで重さ20kg程。強度が低いので激流は無理だが、簡単な川、湖ならちょうど良い。
記憶を頼りに、何回かやり直しながら、それでも意外と上手く組み立てることができた。(所要時間20分)

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               まずは組み立て


二人艇の船長は後部席に座ることになる。当然私が船長で、妻は船員だ。船底の補修後が若干ほころびているが気にしない。ガムテープで穴を塞ぎ、さっそく出航。

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               完成!(後部席に私が乗ります)


湖上に滑り出すと、そこは別世界。風がないので滑らかな水面を滑って行く、視界は水面上60センチ。岸辺の森では鳥が鳴いている。妻は双眼鏡を手にあたりをきょろきょろ。歓声を上げている。

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               あっ鳥だ!

少し沖へでたところで、パドルを漕ぐ手を休めて昼食。カヌーに積んだクーラーボックスから冷たいビールを取り出して二人で乾杯。うまい!格別!、この時の為に車を延々走らせてここまでやってきた。


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               とりあえず、かんぱーい

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               格別!


静水(流れの無い水域)でのカヌーは力勝負だ。流れが無いので漕いだ分しか進まない。二人艇なので、登乗人員含めて総重量は150kgを超える。これを腕の力だけで進めなくてはいけないので結構な運動量だ。
前に座っている妻にも激をいれ、湖上を進んで行く。島がだんだん大きくなってきて、家並みもはっきりわかるようになってきた。

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               しっかり漕いでね


曇りっていた空も時々晴れ間が見えてきた。対岸には比良山系の山並みが浮かぶ。

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               対岸の比良山系


ようやく島の裏側へでると、一気に視界が広がる。奥琵琶湖方面には竹部島が見えるはずだが、水面ギリギリにいるのと、少し霞んでいるので確認できない。水平線の向こうには湖北山並みが見える。

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               島の裏側へ

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               目の前に広がる水面


島の北側を進んで行くと、水面の張り出した建物が見える。水質か何かを測定する施設のようだ。面白半分に下をくぐってみる。これもカヌーの醍醐味か。

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               何か見えてきた

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               観測所?

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               下をくぐります


そろそろ出発して1時間ほど経過した。久しぶりに握るパドルがだんだん重くなってきた。気がつくとずいぶん浸水しており、水が10cmほど溜まっている。昔あいた穴から浸水してきているのだろう。
直ぐに沈む心配は無いが、喫水が深くなるので更に重くなる。ビールの空き缶で水をくみ出しながら、よろよろと戻り始める。
気分的な余裕はなくなってきたが、周りの景色は相変わらずすばらしい。

琵琶湖周航の唄が頭から離れない。

われは湖の子さすらいの/たびにしあればしみじみと/のぼる狭霧やさざなみの/志賀の都よいざさらば~♪


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               比良の山々


いつの間にかエンジン音が近づいてきた。プレジャーボートに引っ張られた水上スキーヤーだ。必要以上に我々の周りを通り過ぎて行く。見て欲しいのだろうか?
静な船旅を邪魔されて、若干気分が悪い。

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               水上スキー


GPSで方向を確認しながら、出発したビーチを目指してパドルを漕ぐ。出発後2時間を経過して肩、手、腰が重くなってきた。途中で漕ぐ手を止めては回りの景色を眺める。琵琶湖でよく見る定置網(エリ)の木の杭が水面に浮かび、なんだかとても懐かしい景色をみているような気がする。

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               なんだか懐かしい景色


やっと、ビーチに到着した時には、大抵の人々は帰り支度をしていた。できれば、ここのテントを張ってのんびりしていたいところだが、今日はそうも行かない。再び、カヌーを解体し、車に積み込む。

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               やっと到着


帰りはドライブがてら湖岸道路を走る。今日はデートみたいだったね、と妻は喜ぶ。短かかったがとても楽しい時間を持てた。またちょくちょくカヌーをしてみようと思う。


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               今日のコース(カシミール3D)
               距離、9km