中ア サギダル尾根から宝剣岳 2018.03.17
<山域、形態>
中ア、バリエーション
<コース>
晴れ
菅の台のバス亭には始発の1時間前にも関わらず登山者が並んでいたが、行列の長さを見ると何とか始発のバスに乗れそうだ。今回のサギダル尾根はRWの最終に間に合うか心配だったので早く来ておいて正解だ。
バス、RWを乗り継ぐとあっという間に標高2600mの世界。あまりにお手軽なのでこれでいいのかなと心の中で思ってしまう。駅の外に出ると白く輝く山と雲一つない青空が迎えてくれた。
今日も快晴
ガチャガチャ、アイゼンを装着し木曽駒ヶ岳神社に安全祈願。目指すサギダル尾根は神社の裏からまっすぐに伸びる尾根だ。快晴無風で気温も低くない、雪も適度に締まっており、おまけに先行パーティーは2名のみ。今日登らないで何時登るのかっていう感じ。緊張するけど勇気を奮い起して歩き始める。
安全祈願
クライミングはあの岩から
最初は余裕
八丁坂はアリの行列
登るにつれ傾斜がどんどん増してきて、アイゼンのつま先とピッケルのピックをしっかり効かせて登って行く。ロープを出した方がいいかなと思ったけどみんなしっかり登ってくるのでそのまま進む。
高度感出てきたぞ
ようやく岩稜の基部に到着。ちょうど先行Pのトップが登っている所だった。セルフを取って順番待ち。
先行Pのセカンドが登り始めたのでロープをセットしようと準備を始めたが、Nちゃんの新品50mロープが絡まりまくって、これをほぐすだけで腕がパンパンに。ようやく準備が出来るまで何分かかっただろう。反省。
リッジの両側は切れ落ちていて高度感抜群。緊張しつつもロープを伸ばしてワイヤーが巻いてある岩で一息入れる。岩の向こう側に短いナイフリッジがありその先にある木で支点を取ってまずNちゃんを引っ張り上げる。
Nちゃんはスムーズに登ってきたが、ナイフリッジ上でビレイしていたのですれ違いが出来ない。無理な体制でNちゃんを先に行かせ、次のピッチはフリーで上まで上がってもらう。この辺の状況判断はまだまだだなあ、とまた反省。
Nちゃんが引いてきたロープでMっちゃんを引き上げる。Mっちゃんの次はTよっさん、最初はペア2組で登るつもりだったが、成り行きで私が3人を引っ張り上げる事に。他にもグダグダで反省すべき点が多々あり。うーん、まだまだだなあ。
ここから登攀スタート(この後写真なし)
みんなが登ってしまった後、ビレイ点から最後に登り始めるが上では景色を眺めてのんびりしているのか、全然ロープを引き上げてくれない。弛んだまま登ろうとすると、後ろから登ってきたガイド風の男性に危ないからやめた方が良いと指摘される。うーん、この辺の連携もまだまだ。やっぱり全員がちゃんと登攀の手順を理解しないとダメだなあ。
でも稜線に上がると、そんな気分は吹き飛んでしまうような光景が飛び込んできた。
稜線に出た
雲一つない青空に真っ白の稜線、三ノ沢岳はピラミダルな姿をくっきりと浮かびあがらせ、宝剣岳は荒々しい岩場を見せている。すばらしい。風を避けられる所で手早く昼食を済ませ、宝剣に行くかどうか考える。
三ノ沢岳
宝剣岳をバックに
空木方面 いつか縦走したいね
サギダル尾根を登って行った先行Pや我々を追い越していった(実は3人に抜かれた)Pはみんな宝剣に向かっている。よく見ると鎖も埋もれていないようなので我々も宝剣を目指す事に。
宝剣に行きますか
鎖が埋まっていないので助かります
それはすぐに現れた。幅数十センチのナイフリッジ。両サイドは百メートル以上切れ落ちており、滑落すれば命は無いだろう。先行者の踏み跡辿って命がけの平均台だ。雪は締まってアイゼンはしっかり効くので自分の足をひっかけないように慎重に通過。全員無事渡りきるまで緊張が続く。
恐怖のナイフリッジ
おーこわ
ナイフリッジさえ越えれば怖い所はそれ程多くはない。鎖を有効に使い、雪や岩にしっかりとアイゼンを利かせ、岩稜のアップダウンをこなしていけば宝剣岳は目の前だ。
アップダウンを超えて
ここは鎖を使って下る
頂上は目の前
雪稜をバックに
ロープウェイ駅が見える
頂上直前で稜線がガスに覆われ出す。しかし、その方が幻想的な感じで山の美しさが一層際立つ。頂上で記念撮影をしたら慎重に下って行く。
ガスに煙る三ノ沢岳
宝剣岳頂上
下りも慎重に
浄土乗越しまで来たらもう安心地帯?八丁坂をシリセードを交えながら下って行くと千畳敷駅まで30分かからなかった。振り返るとさっき歩いたギザギザの稜線が見える。サギダルの頭から浄土乗越しまではロープは出さずに済んだ。
八丁坂を一気に下る
振り返ると
RWはすぐそこ
たくさんの人で賑わっている
サギダルの頭直下で人が動くのが見えた。何をしているのかな~と思ったらシリセードで遊んでいるみたい。うーん、時間があればやってみたい。RWは最終よりも1時間前に乗る事が出来てほっ。前半、手間取った割にはいい時間で降りて来る事が出来た。
サギダル尾根
下界に降りたらソースカツ丼の明治亭で反省会。もっと練習が必要だね、っていう結論にまとまった。
冬の初めから目標を決め、練習を重ねて挑んだ雪山バリエーション。行ってしまえばこんなものかと思ったりもしたけど、そう思えるのはやっぱりトレーニングをしてきたお陰かな。
仲間と一緒に挑戦する山は人に連れられて登った山とは一味も二味も違う事を改めて感じた今回の山行。今回同行してくれたNちゃん、Mっちゃん、Tよっさんありがとう。そしてトレーニングに付き合ってくれたメンバーのみなさん、ありがとう。本当にいい山行でした。