晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

GW 白峰三山縦走 ④ 2017.05.03

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富士山を眺めながら


<メンバー>

<山域、形態>
南アルプス ハイキング

<コース>
農鳥小屋(4:30)~西農鳥岳(6:20)農鳥岳(7:05)~大門沢下降点(8:05)~大門沢小屋(11:3012:10)~奈良田ゲート(15:40)
 
<天気>
晴れ

 昨日は半日で行動を終えたので今日は早出。休息をとったおかげでみんなの体調はいいようだ。目の前に見えているあの頂を越えれば無事帰れる、そんな気持ちで気合を入れる。歩き始めてすぐに日の出、雪に映る影が何だかかっこいいねと話すと緊張もほぐれてくる。 

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雪に埋もれた農鳥小屋

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富士山をバックに出発

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あれを越えれば帰れる

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朝日

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影がかっこいい

 夏道の痕跡と雪の状況を見ながら高度を上げていく。近づいてみると下から見上げるよりも傾斜は緩い。息が弾むのは朝一からなのか緊張のせいなのか。トラバース道を示すペンキマークまでは特に危険な箇所は無く順調に来る事が出来た。

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下からみるより傾斜はきつくない

 さあ、ここからが本番。岩を少し攀じ登り、ハイマツを掴んで雪の上に這い上がる。あとはピッケルとアイゼンを効かせて確実に雪の上を登って行く。両側は切れ落ちているので落ちたらサヨウナラだ。緊張するが雪は締まっていて不安は無い。

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まずはここを登って Tよっさん提供

 徐々に傾斜が緩んでくるとピークに到着。ヤッター!喉がカラカラになってしまった。後続にOKの合図を送るとふみふみさん、つよっさん、もっちゃん、やっさんの順に登ってくる。全員揃ったところでやっとほっとする。

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上から見た所

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難所を越えて

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あれが西農鳥岳

 ここから先は難所も無く、西農鳥岳農鳥岳と経由して大門沢下降点まで本当の稜線漫歩。西農鳥では単独の方に追いつかれたので写真を撮ってもらう。この方、我々よりも1日遅く出発し、1日目は池山尾根の森林限界下、2日目は農鳥小屋(テント)で泊まられてそうだ。足の速さもすごいけど何より装備の少なさに驚いた。60リットルくらいのザックで外付け装備はスコップくらい。何だか達人の雰囲気が漂っている。

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3月に行った塩見岳とその向こうの荒川三山

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西農鳥で5人そろって

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今日は富士山が青い

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 農鳥岳からの下りでも更なる達人に遭遇。なんでも静岡駅から出発し今日で8日目。甲斐駒から鳳凰三山を目指しているそうだが、これまたシンプルな装備。熟練者程装備が少ないと聞いた事があるがまさにそんな感じ。達人の集うGW南アルプス。自分達もその中に少し足を踏み入れたかと思うと同時にまだまだだなあと思った。

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ここより少し下で達人に遭遇

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大門沢下降点(昨日の予定泊池)

 大門沢の下降は思ったよりも難しかった。上部はのっぺりとした雪の斜面。既に雪も緩んでいるのでスリップしたら一気に行ってしまいそう。もうすっかり慣れてしまった反転してのクライムダウンで慎重に降りる。

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大門沢への下り

 夏道の痕跡は全くないので樹林帯に入ってからは谷筋を降りる。時々見るデブリは余り気持ちのいい物ではない。

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デブリの跡

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沢を渡って

 大門沢小屋でやっと昼食休憩。ここから先は雪も無く、春の山道をテクテクと下って行く。とは言っても4日間の疲労は大きく特にYっさんは足の裏の皮がめくれて歩き辛いらしい。それでも何とか頑張って明るい内に奈良田のゲートに到着。
 
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大門沢小屋

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橋が多い

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取水施設の橋

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ゴール、一皮むけたかな?

 残雪期の南アルプス34日の縦走は自分達の実力のほぼ100%に近い(余裕の無い)山行だった。天候判断、雪の登下降、装備選定、いろいろな意味でいい勉強になった。これを糧にもっと安全に楽しく山行出来るようにレベルアップしていきたい。
 
 参加の皆さんありがとうございました。