晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

北アルプス 金木戸川 小倉谷② 2016.08.12

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 双門の滝、この谷最大の見せ場

 

<メンバー>
サークル 3人

 

<山域、形態>

 

<コース>
Ca1450(6:00)~大ゴルジュ~スリングの6m滝(8:00)~40m滝(10:05)
~双門の滝(11:45)~奥の二俣(15:45) 泊

 

<天候>
晴れ

 

 砂地のテン場は寝心地が良く、気持ちの良い朝を迎える。今日は核心の大ゴルジュを抜けるので朝からしっかりとエネルギー充填。朝食はカルボナーラ風のパスタ。お腹がはちきれそうになる。

 

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朝食はカルボナーラ風パスタ


 さあ、いよいよ大ゴルジュ帯に入る。入り口の大岩の積み重なった滝を超えるとすぐによく記録に出て着る3mCS滝と15m淵が現れた。

 

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大岩の積み重なった滝を越えて大ゴルジュ帯に入る

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3mCS滝と15m淵


 ここは寒さに強いTよっさんに突破を託す。ザックを担いだまま普通に泳いでいき、左側のスタンスに立ちこむ。水量が少ないせいもあるけど思ったより順調にクリア。

 

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Tよっさんが果敢に突破

 


動画で

 

 次の滝は左から巻き。ルート探しに若干手こずったが無理をしないルートにちゃんと懸垂用の残置があったので利用する。
 

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左から巻いて懸垂で谷に復帰
 

 支流にかかる立派な30m滝を過ぎると技術的には一番の難所と言われている6m滝が現れる。残置スリングは青いものに変わっていた。
 

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まだ余裕だね
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支流にかかる30m滝

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第2の難所、6m滝
 

 攻略は残置スリングを使って滝身側へトラバースし、滝の横を登って行く。登攀は苦手なので空身でトライ。事前の情報どおり残置ハーケンを上手く使って抜ける。それ程難しくはないが(落ちてもドボン)それなりに緊張感はあった。

 

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私が空身でトライ
 

 ザックと後続を引っ張り上げる。笛を使った合図も荷揚げの連携も上手くできるようになってきた。先週の八木尾谷の成果かも。こういうチームプレイがスムーズにできるようになると沢の楽しさも一段と増す。
 

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谷への復帰は懸垂で
 

 これで技術的な核心部は抜けてしまったのでほっと一息。人の字の滝の手前で小休止した後、ファイト一発で水線突破。水量も少な目で太陽も燦々。濡れるのも全然苦痛じゃない。
 

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ほっと一息
 

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人の字の滝

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ファイト一発
 

 人の字滝を超えると黄色い岩のナメ帯になる。太陽の光で水面はキラキラと輝き本当に別世界に来たよう。FFさんもはしゃいで大の字になって寝転んでいる。(この辺でカメラの設定が変わっていて変な色合いに・・)

 

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ナメが現れた

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黄色い岩の不思議な風景

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いいね~
 

 ナメ帯の一番奥には突然40直瀑が!事前には知っていたけどやはり驚いてしまう。この谷は全然退屈する所が無いなあ。滝は左から笹ヤブを漕いで巻く。踏み跡と呼べるようなものは見つけられず、なるべく薄い所を探して体力勝負で越えていく。

 

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ナメ床のドン付きに現れる40m滝、知っていたけど驚き

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左の笹ヤブを高巻き

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ちょっと休憩
 

 さらに進むとこの谷最大のスポット(こんなのばっかり)双門滝が現れる。左右両方から30m滝が落ちる様は圧巻。このスケールの大きさは流石アルプス。本当に素晴らしい。

 

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水の色が素晴らしい

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両門の滝
 

 突破は左俣の滝を左から巻き上がり、中間の尾根を乗り超して右俣に入る。左の滝の巻きはスムーズだったが中間尾根の乗り越しはヤブに阻まれ苦戦した。ここが一番きつかったかな。

 

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左側(支流)の滝を左から巻く

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どんぴしゃ落ち口
 

 ほっと一息する間も無く、次の大滝が現れる。下段は右から登り上段は右の踏み跡を辿って巻いた。巻きはこの滝はいちばん簡単だった。

 

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2段40m滝
 

 さらに谷を詰めると30mの直瀑。またヤブコギ&高巻きかと思うと少しうんざりしてきたがそんな事も言ってられない。滝下で少し遊んだあと、左の笹ヤブを漕いで巻き。ここはスムーズだった。
 

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30m滝

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滝壺で遊ぶ
 

 30m滝の上はきれいな一枚岩。ここで泊まった記録も見た事あるけど明日の行程を少しでも楽にしたいので予定通り奥の二俣まで進む。いいテン場を見つけたが、薪が乏しく集めるのに苦労した。
 

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滝の上はきれいな一枚岩
 

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そろそろテン場を探さねば
 

 テントを張り、焚火がついたらほっとした。明日は稜線まで詰めて登山道で下山するだけと思うとほっとする反面、もう終わってしまうのかという寂しさもある。夕食はご飯を炊いてカツカレー(レトルトじゃない)。山の中でこんな手の込んだ物が食べられるとは思っていなかった。FFさんありがとうございます。
 

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今日はカツカレー