晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

台高 絵馬小屋谷 蓮の名渓紅葉遡行 2015.10.18

五所ヶ滝、大自然の不思議

 

<メンバー>
山仲間 2人

 

<山域、形態>
台高 沢登

 

<コース>
絵馬小屋林道入り口駐車地(6:50)~絵馬小屋谷出合(7:05)~五所ヶ滝下(8:15)~二俣(8:50)~五所ヶ滝見物(9:15)~3段20m滝(9:45)~ 石谷滝(10:50)~白倉滝(11:30)~稜線(12:20)~昼食~P1226(14:15)~絵馬小屋谷出会い(15:50)~駐車地(16:10)

 

 今年は山歩きの比率を少し上げたので、10月になって何だか沢に行き足りない気がしてきた。サークルでは中央アルプス縦走が計画されていたが、3週連荘の中ア、しかも縦走ならもういいかって感じなので、台高の沢登りを計画する。丁度、蓮界隈で絵馬小屋谷が残っていたので、Sクリームさんと2人でチャレンジする事にした。

 

 林道が分岐するあたりに車を止め、テクテク歩いて出会いまで。絵馬小屋谷と野江又谷の出合は素敵なテン場になっていて2回ほどキャンプした事があるが、豪雨の影響で谷は荒れ果て、橋も流されてしまっていた。

 

絵馬小屋谷出合

 

 出合から少し歩いて行合。ここはネットの写真で何度も見ているのでふーんって感じ。中は岩で埋まっていて歩いて通過出来る。ゴルジュになっていれば宮の谷の犬飛びみたいに面白かっただろうに。

 

行合

 

 直ぐに観音滝。水量ガ少ないせいか見栄えはしない。滝の直ぐ下にある観音様の像は新しい洋風の焼き物だった。もっと歴史を感じさせるものかと勝手に想像していたが違ったようだ。

 

観音滝

 

 両岸が立ってくるといよいよ五所ヶ滝のゴルジュ。まずはゴルジュ入り口まで進んでいくと単独の先行者に出会う。「こんな所に単独でくるなんて危なっかしいなあ」なんて思いながら、言葉を交わすとコースは同じようだ。お気をつけてと声をかけ、我々は滝見物に向かう。

 

 五所ヶ滝は本当に特異な滝だ。どうやったらこんな風になるんだろうって感じの岩の割れ目から滑り台のように水が噴出している。下からでは全容が見えないので一旦もどって左岸巻き。左岸巻きでは滝が見えないので右岸巻きをする記録もあるが、上から直ぐに降りて来られるらしいので、より簡単な方で巻く。しっかりとした踏み跡があり、あっさりと通過。

 

五所ヶ滝下

巻きの途中から

 

 ゴルジュ上の釜跡にザックをデポし。右岸を下って滝見物に向かう。この辺りも明瞭な踏み跡があり、簡単に滝の上に行く事が出来た。

 

窯跡のある二俣

 

 間近で見る五所ヶ滝は一体どれ位の時間があればこんな風になるんだろうと思うような特異な滝。岩盤に深く刻まれたねじれた流路。到底突破は無理だろう。たっぷり見物をしたら、踏み跡をたどって釜跡まで戻る。

 

五所ヶ滝

大自然の造形美

 

 五所ヶ滝から上は雰囲気が一変し、明るく開けた癒し渓の雰囲気。釜跡から30分ほどでこの谷の核心である3段20m滝に到着。ここは記録の多い滝の右側のクラックから越える事にする。

 

もう泳ぐのはよそう

3段20mに到着

倒木沿いも厳しいなあ

 

 高さはほんの数mだがほぼ垂直で足場が乏しい。肝心のクラックも指が掛かる程度だ。カムを決め、最初はザックを背負って挑戦したが厳しく2回目は空身で挑戦。何とか体を持ち上げ、岩棚上の細い木の根を掴んでようやく這い上がる。ちょっと痺れる。Sクリームさんを引っ張り上げホッと一息。2段目、3段目は問題なく通過。しかし、先ほどの単独の方はどうやって越えたのだろう(フリーだと超怖い・・)。

 

定石通り、右のクラックから

 

 核心を越えると本当の癒し渓に。大滝が二つほど現れるが水量ガ少なくいずれも迫力に欠ける。石谷滝は左岸ルンゼからリッジを越えルンゼを降りてあっさりの巻き。その後、一旦伏流するのでゴーロを進む。

 

石谷

ルンゼを下降

一旦伏流

 

 次に現れる白倉滝は30mを越える大滝だが、やはり水量ガ乏しくポチャポチャ落ちている程度。右岸支谷から巻くと簡単に滝上に出る事ができた。

 

白倉滝

 

 50mのナメを快適に登ると後は稜線への詰め。水の涸れたゴーロを歩いてお昼過ぎには縦走路へ飛び出した。紅葉は見ごろだが枯れている葉っぱも多いかな。

 

50mのナメ

これで滝は終わりかな

 

 見晴らしのいいところで簡単に昼食を済ませ、P1226を目指して稜線を歩いていると、五所ヶ滝の下であった単独の方が休んでいた。

 

 下山コースも一緒なので話をしながら一緒に歩いていると、実はこの方、トンデモナイ人である事が判明。根っからの沢好きだが、単独が多く、我々がこの夏1泊で抜けた奥の平谷を1日で抜け、4級沢の岩井谷も単独で遡行した経験もあるらしい。世の中すごい人がいるもんだなあと感心しつつ、自分もガンバロウと思った次第。

 

縦走路の紅葉

 

 ナンノキ平のミズナラに挨拶し、出合まで急降下。余裕を持った時間に下山出来た。帰りにスメールに寄ったら池小屋に行っていたZろーさんとTBっちと遭遇した。

 

ナンノキ平のミズナラ

 

 厳しそうなので今まで突入するのを躊躇していた絵馬小屋谷だが、実際は一部を除き明るい癒しの雰囲気、余裕を持って遡行できた。この調子でがんばれば、岩井谷、立合川も夢じゃないかなあ。がんばろう。

 

 御一緒いただいたSクリームさん、ありがとうございました。