晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

錫杖岳 アルプス、プチバリエーションは侮れません 2015.09.12

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槍穂一望

<メンバー> サークル 8人

<山域、形態> 北アルプス ハイキング

<コース> クリヤ谷登山口(5:55)~錫杖沢分岐(7:30)~コル(11:05)
    ~錫杖岳南峰(12:10~13:20)~コル(14:25)~錫杖沢分岐(17:00)
    ~クリヤ谷登山口(18:10)

<天気> 晴れ

 7月に沢で負傷したEDちゃんの復帰山行(といっても怪我の2週間後には山へ行っていたらしいが)は、彼女のリクエストの錫杖岳。クライマーの間では有名な山らしいが、一般登山道は無く、ちょっとしたバリエーションらしい。でもまあ2000m程度の山なので余裕でしょ、と思っていたのが大きな間違いだった。

 新穂高温泉の露天風呂のあるところからスタート。温泉大好きメンバーはさっそく覗きこみながら、水着を持って来れば良かったとか言っている。


 槍見館の横を抜け、クリヤ谷登山道から入山。樹林の中の急登りに息が切れるがすぐに体は温まってくる。クリヤ谷はきれいな谷で沢登りでも楽しめそう。



 うっそうとした登山道を登って行くと遥か前方に岩岩の尾根が見える。空は高く鰯雲が浮かんでいる。もうすっかり秋の空だ。



 クライマーのテントが張ってある岩屋を抜けるとルートは思い切り沢登りのようになって来る。水量は少ないものの、大岩の乗り越しやらほとんど沢登り状態。私は5.10のアプローチシューズだったので快適に登れたが、登山靴のメンバーは苦労していた。ここはラバーの沢靴が有効かもしれない。





 水が切れ、沢筋が薄くなると今度は背丈を超える笹薮が立ちはだかる。谷筋を行けば何とか前に進めるが、前が見えないのでどこまで登ればいいのかわからなくなって来る。ただ、高度が上がって来るにしたがって背後の風景はどんどん素晴らしくなってくる。いつの間にか烏帽子岩が視線と同じ高さになり、その向こうには槍穂の稜線がくっきりと浮かびあがっている。




 結局、錫杖沢に入ってからコルまで3.5時間もかかってしまった。ふ~。しかし、ここからのルートも一筋縄ではいかない。基本、山腹のトラバースだが、ボロボロの斜面を木の根を掴んで登ったり、まさにバリエーション。古いテープを拾いながらのルーファイが続く。


 モンキークライムで岩稜を登り切るとポンと視界が開けた。南峰に到着だ。頂上は狭く、他のパーティーがいたら身動きが出来ない位だ。少し先には有名(?)なピッケルが埋め込まれている岩が見える。



 ここでのんびり昼食にし、写真撮影タイム。槍ヶ岳を目指しているメンバーにエールを送りながら絶景を楽しむ。来年は大キレットにも行ってみたいなあ。




 下山路は往路をピストンで戻る。稜線のトラバース、沢の下りと気の抜けないコースが続き、高度を下げてくると虫にも悩まされた。やっとの思いで登山口に着く頃には辺りは薄暗くなっていた。



 それでもしっかり温泉にはいり、高山の王将で夕食を取ると名古屋に戻ってきたのは日付が変わる寸前だた。2000mの山と舐めていたけど、なかなかハードな錫杖岳。でも普通の登山道を歩くより何倍も面白かったかな。ご一緒いただいたみなさん、ありがとうございました。