晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

西穂高岳 雪の穂高へ挑戦(本番編) 2015.03.22

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西穂岳からの眺め

<メンバー> サークル 7人(1人留守番)

<山域、形態> 北アルプス ハイキング

<コース> 西穂山荘(5:30)~独標(6:40)~ピラミッドピーク(7:15)
    ~西穂高岳(8:20)~ピラミッドピーク(8:55)~独標(9:15)
    ~西穂山荘(10:10~11:00)~西穂高口(11:40)

<天気> 晴れ

 4時起床。今日は小屋で留守番のTBっちを置いて出発の準備をする。少しでも時間を稼ぎたいので小屋の朝食は利用しなかった。それでも準備が出来て出発できたのは5時半。その頃になるともうヘッデンはいらなかった。


 朝一なのでウォーミングアップがてらゆっくりと歩いていく。風は歩けない程では無いがそこそこ強く冷たい。じっとしていたら一気に体温を奪われてしまいそうなので休憩が不要なペースで歩かなければいけない。途中、先行していたCうちゃんの富山チームを追い抜く。辺りはまだ朝もやに包まれて幻想的だ。






 独標を通過すると緊張度合いが一気に上がるが昨日よりも気温は低く、アイゼンが良く効くので歩きやすい。独標と次の小ピークの下りもあっさりと通過。ピラミッドピークまでは小屋から2時間弱で到着。





 ピラミッドピークから先は未知の領域、先行者のトレースを頼りに進んでいく。ルートはリッジの通過は少なく、トラバースが基本。但し、トレースは足ひとつ分の幅しかなく、滑落したら谷底へ・・という箇所がいくつもあり、一歩一歩に慎重になる。風が絶えず西側から吹き付けるのでNちゃんはかなり寒がっている。



 西穂まであと少しと言うところでEだちゃんがザックをおろしてゴソゴソしだした。どうやら頭が寒いので目出し帽を被り直しているようだ。その間、他のメンバーは吹きさらしの稜線で停滞・・。わずか5~6分の間だが随分と体温を奪われた。特にNちゃんはたまらず蹲ってしまうほど。高山の稜線では行動をかなり制限されるので、ウエア、防寒対策などの事前準備をしっかり確認すべきだった。(着替え等出来ない前提で行動する事が大切、反省)




 西穂高から引き返してくる登山者とすれ違うようになると頂上は近い。頂上直下の斜面は薄氷が張っていていやらしかったが、ここも雪が階段状になっていて問題なし。拍子抜けするようにあっさりと西穂高頂上に到着した。



 目の前に広がるのは丁度半年前に歩いたジャンダルムから続く穂高の尾根。真っ白な雪を纏って荘厳なばかりに輝いている。風は我々が到着するのを待っていたかのように弱まり、日差しもあって頂上はぽかぽか陽気。次々に登ってくる登山者に写真撮影をお願いし、記念写真の撮りまくり。うーん、最高。




 頂上が混雑してきそうなので引き返す事に。難しさは下りの方が増すのでもう一度全員に注意をして慎重に下山にかかる。登りに途中追い越したCうちゃんの富山チームも順調に登ってこれたようだ。


 ギザギザのリッジを乗り越し、独標で小休止。あとは一気に小屋まで下るだけ。丸山まで下ると丁度TBっちが出迎えに来てくれていた。





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あとはサクサク下るだけ
 
 西穂山荘で話のネタにラーメンを食べて(美味しかったけどまあ普通)あとはRW駅までサクサク下る。下界に下りたら奥飛騨温泉郷でさっぱりし、名古屋へ。今日はかなり余裕のある時間に帰宅出来た。



 2年前、初めて独標から眺めた西穂高岳はとても行けるとは思えなかったが、今回、7人もの仲間と頂上に立つ事が出来て本当にうれしい。

 天気が悪く、練習が思うように進ま無かったせいでメンバーの技量に確信が持てず、参加メンバーを制限すべきか悩んだり、トラブルがあった時の対応を何度も頭の中でシミュレーションしたりしていると、山へ行くのが嫌になりかけたりした。でも、こうやってメンバーに助けられながらも無事終わってみると、自身の達成感、仲間の喜ぶ顔、そんなこんなで悩んでいたのがばからしくなってくる。みんな本当にありがとう。

 雪山はこれでひと段落。次は沢に向けてどんどん新たな挑戦をしていきたいと思うようになって来た。メンバーの皆様、お付き合いの程よろしくお願いしますね。