晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

涸沢から北穂高岳 1日目 小雨の中のボッカ訓練?    2014.05.03

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涸沢テント村

<メンバー> サークル 6名

<山域、形態> 北アルプス ハイキング

<コース> 上高地(9:00)~明神(10:00)~徳沢(10:50)~横尾・昼食(12:05~12:55)
    ~本谷橋(14:00)~涸沢(16:50)

<天気> 晴れ一時小雨

 去年は季節外れの積雪のおかげで断念した涸沢から北穂高。今年は混雑覚悟で5月3~5日に設定したら6名ものメンバーが集まった。こりゃ楽しくなりそうだ。今年はこの遠征の為に5人用テントを購入したのでみんなでゆっくりと食事が出来るはず。それに今回は我がサークルが誇るCシェフが参加してくれるので食事が豪華になる事は間違いない。後は天気だけだなあ。

 1日目は涸沢までの移動なので当日の朝、名古屋を出発する。高速道路の渋滞も無く沢渡へ到着。ここでCシェフの準備してくれた食材を分担してザックに詰めるが、6人×4食分の食材の重さは何と15kg・・(フライパン、鍋除き)。重量、体積無視、美味しい事が全てのCシェフメニューは歩荷要員である男性メンバー泣かせだ。5テンを入れたザックに更に生のたまねぎ、ジャガイモ、その他を積載する。

 沢渡からはタクシーに乗って上高地まで。上高地はさすがに登山者で溢れ返っていた。 河童橋でお約束の記念撮影を撮った後、いよいよ涸沢へ向けてスタートする。背中のザックは重いけれど平坦地ではさほど苦にならない。ほぼコースタイム通りで明神に到着。



 休憩を終えて出発しようとしたところで下から突き上げるような振動・・。地震だ。身の危険を感じる程では無く、ここでは山での影響もわからないのでとりあえず登山を継続する。徳沢で小休止、横尾で昼食を摂り、いよいよ山へ入る。




 本谷橋までは雪解け水でぐちゃぐちゃの登山道に閉口しながらも何とかコースタイム通りで到着。ここからは雪が続くのでアイゼンを装着する。

 本谷橋から涸沢までの登りはきつかった・・。傾斜が増すとザックの重さがモロに効いてくる。しかも空はどんよりと曇り、雨まで降ってきた。合羽を着てザックカバーを着け、重荷にあえぎながら登っていると気分もどんどん暗くなってくる。バテの見えたメンバーのお尻を叩きながら何とか高度を上げていく。幸い、付近を歩いている他の登山者も相当バテテいるようで、抜かれまくる何ていうことは無かった、



 それでもがんばって登っていくと雪の中に建物の屋根らしきものが見え始める。見えてからも長かったが何とか涸沢ヒュッテに到着。ザックを下ろし重荷から解放されるとほっとする。ヒュッテのデッキ上はすでにたくさんの人が楽しそうに談笑している。地震の影響は無かったようだ。何とか席を確保し、オデンを少しだけ食べて体を温めるとようやく人心地ついて着た。皆さんお疲れ様。



 でもまだテント設営が残っている。テン場はたくさんのテントで埋め尽くされていたが、奥穂側の平坦地にテントを張ることが出来た。風が少しあるので気休め程度の雪壁を作る。山を覆っていた雲はいつの間にか晴れ、前穂、奥穂、北穂のパノラマが見渡せる。





 テントが完成するとお待ちかねの夕食タイム。今日の献立はCシェフ特製パエリア。オリーブオイルでにんにくと玉葱を盛大に炒める本格料理なのだが、玉葱を切っている時は全員が涙目に、あと、にんにくの臭いがテントに染み付かないか心配になってしまった。


 それでもパエリアが完成し、ホットワインが皆に注がれる頃にはホクホクの笑顔に変わる。5人テントは6人が車座になって食事をするのに十分の広さ。寒くなくのんびりと食事が出来る。今日のつらさを労いあい、明日への期待と緊張をワイワイしゃべっているとあっという間に時間がたってしまう。いつの間にかテントの外は満点の星空。明日の晴天は確実のようだ。流れ星を数えながら、「みんな持ってるねえ」なんて話をしていると本当に幸せな気分になった。


続く