北アルプス 黒部 上の廊下から赤木沢 沢登り③ ゴルジュ突破第2ラウンドから感動のゴール 2013.08.12
金作谷出合いのゴルジュ
<メンバー>
山仲間 2人
<山域、形態>
<コース:8月12日>
BP2(6:45)~金作谷出合ゴルジュ(7:15)~スゴの淵(9:30)~岩苔小谷出合(10:50)~立石奇岩(12:50)~B沢出合・大東新道(15:20)~薬師沢小屋(16:20)
<天候:晴れ>
2日目の記録
少し早く目が覚めた。小用の為テントを出ると神戸Pはヘッデンをつけて撤収を行っている。なんでこんなに早いのかな~、なんて思いながらテントに戻り二度寝を決め込む。しかし、心配になって今日のコースタイムを確認すると何と10時間・・。こりゃ早く準備せんと薬師沢小屋まで辿り着けないぞ。と急いで朝食を摂り撤収を開始する。
何とか7時前にはスタート出来たものの、神戸Pからは1時間の遅れだ。朝一の冷たい渡渉に耐えると金作谷出合い。雪渓は写真で見るより大きく後退していた。
金作谷
そして直ぐに金作谷出合のゴルジュ。先行は2パーティーだがここで苦労しているようだ。神戸Pは泳ぎを嫌ってか左岸を大巻き中。もう一つのパーティーは右岸の岩棚を巻いている。我々は水線を進む。朝一から水に入るのは厳しいが昨日の口元ノタル沢ゴルジュより容易だった。
朝からゴルジュか・・
神戸Pは左岸を大巻き
我々は水線を進む
泳ぎかな・・
ゴルジュがカーブしている所では珍しく大きな淵になっていたので泳いで対岸に渡る。ここまで水が冷たいと何だがハイになって来る。
こういう風に泳げる所は稀
後続を引っ張る
どんどん泳ぐ
金作谷出合いゴルジュで先行Pを追い抜き一時的に我々が先頭になったようだ。一旦川幅が広がり、また渡渉の繰り返しになる。
ようやくゴルジュ突破
次に現れる難所はスゴの淵。金作谷出合のゴルジュですっかり気を良くした我々は、こんなの簡単だね~とばかりにザックを背負ったまま無造作に取り付いてしまった。しかし、重いザックを背負っての右岸ヘツリは厳しく、苦し紛れに対岸に泳ごうとしても流れに押し戻されてしまった・・。
第3の難所、スゴ淵 泳いで突破を試みるもダメ
結構な時間水につかってしまいすっかり消耗したのでmichi君にバトンタッチ。michi君は得意のクライミングセンスを生かして見事右岸をへつり切ってしまった。私もザックを先に荷揚げしてもらい空身でへつってクリア。後続Pは左岸をへつって水に濡れることなく通過したようだ。
michi君が右岸ヘツリでクリア
私も続く
後続Pは左岸を巻いている
ふ~、クリア
ガイド本には岩苔小谷の出合いを過ぎると水量も減ると書いてあるが、全然そんな気配は無い。谷が狭まった分、水流は強くなっており、瀬には白波が立っている。渡渉も泳ぎも気を抜けない。正直、この辺は余裕と思っていただけに計算外だ。大阪からのPと前後しながら進んでいく。
岩苔小谷出合
こういう淵には岩魚がうようよ
全然簡単にならない
ここを飛び越えないと先に進めない
ちょっとした巻き
多段滝の支流
谷が広がってきた
先を進む大阪Pが休憩しながら写真を撮っている。何かな~と思ったら立石奇岩だった。写真では何度も見た事があったが、思った以上に大きい。こういう造形が出来るこの辺りの自然条件はどれだけ厳しいんだろう。
お、あれは・・
立石奇岩
立石奇岩から先も全然楽にならず、渡渉、ヘツリを繰り返し進んでいく。大阪Pは今日も谷中泊の様でちょっとペースダウン。薬師沢小屋を目指す我々は先に進む。
右岸の支流
まだ気が抜けない・・
行動時間が8時間を越え、ヘロヘロになって来た辺りで河原に人の足跡が見え出す。単独なので、薬師沢小屋から来た釣り師かもしれない。右岸から流れ込む支流を見ながら、どれがA沢かなあ、なんて言っていたら、登山道らしきものを発見。ペンキマークも現れたので大東新道に合流した事を知る。
B沢出合い、ようやく大東新道に合流
登山道と言っても朽ちかけた梯子でアップダウンを繰り返す歩き難い道だったので少しでも楽なように川沿いに進む。ヘロヘロで薬師沢小屋の吊り橋に着いたらEちゃんが河原で昼寝をしていた。よかった合流できた。
吊り橋が見えた
小屋で受け付けをし、服を着替える。聞けば2013年の上の廊下初突破らしい(小屋が把握している限りでは)。様子を教えて欲しいと言われ、ちょっと誇らしい気分に。
人が多くて窮屈だが何もせずに食事が摂れるのは楽な事この上ない。ビールでEちゃんとの再会を祝いながら早めの就寝。お盆の最中だったが布団は1人1枚確保できた。
寝る前に夜空を見上げたら流星群の先がけを一つ見る事が出来た。明日もいい天気になりそうだ。
薬師沢小屋へ、2013年初突破
4日目へ続く