上の黒ビンガの奇石、神様の作った奇跡
<メンバー>
山仲間 2人
<山域、形態>
<コース:8月11日>
BP1(7:45)~下の黒ビンガ(9:30)~口元のタル沢ゴルジュ(10:20)~上の黒ビンガ(14:10)~金作谷出合BP2(16:00)
<天候:晴れ>
1日目の記録
昨夜は疲れていたせいかぐっすりと眠る事ができた。時間が経てば経つほど水位が下がるだろうと言う事で出発時間はのんびりと8時目標にする。でもビールの空き缶で作った水位計では数センチしか下がっていない。どうなる事やら。
まずは下の黒ビンガまでゆっくりと進む。黒部の水は重く冷たいが空が晴れているので気分は爽快。数えきれないくらい渡渉を繰り返していると下の黒ビンガの岩壁が徐々に近づいてきた。
今日は快晴!
下の黒ビンガ
滝となって流れ込む支流や雪渓が残る谷を見ると、今まで行ったどんな沢とも違うダイナミックさが伝わってくる。大きく蛇行する下の黒ビンガは思ったよりも簡単に抜ける事ができた。
支流が滝となって入る(この時は珍しかった)
まだ雪渓がある
最初の難関、口元ノタル沢のゴルジュもこんな感じで抜けれたらいいね~、なんて言っていると左から支流が流れ込む先に谷幅が急に狭まったゴルジュが見えてきた。ん、なんか人の姿も見えるなあ。これが口元ノタル沢のゴルジュか。
左は口元ノタル沢 ん、ゴルジュが見えた
ゴルジュの入り口から中を覗くと昨日、平の渡しで一緒だった神戸労山Pが格闘中。しばらく時間がかかりそうなので岩の上で休憩しながらじっくりとゴルジュの中を観察する。
水はゴルジュ全体を轟々と流れており、記録に良くある左岸をへつって右岸に泳ぐなんてとても無理・・。攻略はやっぱり神戸Pのように最初から右岸をへつって行くしかない。
昨日の神戸Pが格闘中
ちょいと順番待ち、攻略法はカンニング
神戸Pは最後のヘツリで苦戦しているようだ。リーダーらしき人がザックを担いだままへつろうとしているが水流に押し戻されている。何回かトライした後、若者が空身でうまくクリアしたので、我々も続く。
ちょっと苦労しているみたい
こういう所は体重のある私の得意分野。空身でロープを引っ張りながら岩壁をへつって行く。うまくホールドがつながり、厳しい所はかろうじて足がついたので1トライでクリアする事ができた。
自分とザックと一緒にmichi君を手繰り寄せる。ゴルジュの出口で日向ぼっこしていた兵庫Pと「これで先に進めますね」と声を交わす。神戸Pの前を志水ガイドのパーティーが抜けていったようだ。
思ったよりスムーズに抜けれた
ゴルジュを抜けた後の渡渉も厳しかったが一旦は難所も無くなり、川幅は大きく広がる。川岸はあちこちで荒々しい崩壊地になっている。これが黒五跡なのだろうか。広河原を歩くと遠くに薬師岳らしい山が見える。中ノタル沢出合いでは先行P(志水ガイドP)が早くもタープを設営していた。
崩壊地、黒五跡?
薬師岳かな
スゴ沢の滝を過ぎると再び両岸が立ってくる。この辺の渡渉が厳しく、スクラムを組んでいる途中に二人ともバランスを崩したり、ロープを使っての渡渉でボディービレーのmichi君が水圧を受けた私の荷重に耐えられ無かったり色々あった・・。michi君はすっかり渡渉に敏感になってしまい、少々の渡渉でも決して単独では渡らなくなった。
スゴ沢の滝
神戸Pの渡渉、4人だと安定しているなあ
立派な滝だが数ある支流の中のひとつ
上の黒ビンガはこの谷で最も美しいポイントだ。垂直に聳える絶壁の上を燕が飛び交い、足元には黒部川がゆったりと流れている。支流の美しい滝を掛けて次々と流れ込み、本当にここは日本かと思うような景色にしばし見とれる。立派な滝の前で休憩している神戸Pと写真を撮り合う。
両岸は絶壁
渡渉の無い時は河原歩きだが
上の黒ビンガの奇石 大自然の美しさに言葉を失う
右から立派な滝が落ちてくる
いやーすごい
michi君と2ショット
支流の滝一つ一つが美しい
写真を撮るのに忙しく中々進めない
これも絵になるなあ
しかし先に進むにも渡渉が必要だ。michi君は渡渉よりも泳ぎを選択したがるので時々意見が食い違う。これまでの経験では白波が立っておらず、底が見える位の水位だったら何とか渡渉でクリア出来る事が判ってきた。
また渡渉か・・
兵庫P、4人でも厳しそう
金作谷出合いの手前、右岸の河原でキャンプ
金作谷出合いが見える
ここでもmichi君が岩魚を釣り上げる。私もやらせてもらったらすぐに25cm程の岩魚がかかった。さすが黒部川。薪は少なかったが何とか服を乾かして岩魚を焼くくらいは集まった。まあ、ここまで来たら後は抜けるしかないね、なんて話をしながら早めにテントに潜り込む。空は満点の星だった。
今日も川の恵みにありつけた
3日目に続く