晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

鈴鹿 伊坪川 口ヶ滝谷~霧ヶ峰~奥ヶ滝谷 沢登り 決死のゴルジュ下降 2013.04.28

懸垂でゴルジュを突破

 

<メンバー>
山仲間 3人
      
<山域、形態> 

 

<コース>
石水渓P(8:25)~岩坪川(8:40)~三面張り(9:05)~口ヶ滝谷出合(9:30)~口ヶ滝谷~遡行終了(11:00)~霧ヶ岳・昼食(12:15~13:20)~奥ヶ滝谷~奥ヶ滝谷出合(16:10)~岩坪川~林道~石水渓P(17:00)
 
 今回のチームMETはまたしても鈴鹿のマイナー沢探索、鈴鹿南部の岩坪川(安楽川水系)にある口ヶ滝谷、奥ヶ滝谷だ。この辺りは石谷川や矢原川など、花崗岩の明るい谷が多く地質的には期待できそうな所。ただ、気になるのは頭上を新名神が走っている事だ・・。

 

 石水渓のいつもの駐車場に車を停めて林道を少し歩き、岩坪川に入渓。川は土砂が堆積しており、4WD車の轍があちこちについている。頭上の高速道路は近代的でカッコイイが足元の川はこんなにも破壊されている。

 

岩坪川 土砂で埋まっている。頭上には新名神

 

 それでも水線通しに進んで行くと川はついに三面コクリート貼りになり、堰堤に行く手を阻まれてしまった。一瞬、右岸から流れ込んでいる土管の先が口ヶ滝谷の出合と思いEちゃんが中を探るがそんな訳は無かった。

 

三面貼りになってしまった

出合いはあの土管?

土管の中を探るEちゃん(そんな訳ないよね)

 

 一旦側道に上がって上流を見て見る。岩坪川は直線のコクリート水路に変わり無数の堰堤が作られていた。これはもはや川では無い・・。口ヶ滝谷の出合いを探してウロウロしたら公園の様に整地された場所があった。地形図的にはここが口ヶ滝谷だろう。出合い付近にあったという滝は消滅してしまったようだ。

 

これはもはや川では無い・・

こんなとこも探ったけど・・(そんな訳ないよね)

口ヶ滝谷出合い、口ヶ滝は消滅したようだ

 

 それでも中にはひょっとしたら?という淡い期待を持って口ヶ滝谷を進むが、中は雑然とした植林の谷。滝と呼べるようなものは一つあるぐらいで、このブログ始まって以来の「外れ沢」の様相を呈してきた。水も涸れた所で尾根に取り付き、県境稜線を目指す。

 

中は雑然とした植林の谷

唯一きれいだった所・・

まあ、こんな所もあるけど

終始こんな感じ

尾根に上がってさっさと霧ヶ岳を目指す

 

 霧ヶ岳山頂はピークとは呼べないような植林の中の平凡な場所。下山の奥ヶ滝谷も地形図には点線が通っているし、後は平凡な谷をスタコラ歩いて終わりだなあ、なんて考えていた。霧ヶ岳の近くの陽だまりでのんびり昼食にする。

 

霧ヶ岳 展望無し

 

 昼食の後、霧ヶ岳を少し北に進んだ所から奥ヶ滝谷の下降開始。最初はザレタ急斜面で歩き難くロープを出す場面もあったが、傾斜が緩むと炭焼き窯が無数に現れ穏やかな雰囲気に。このまま杣道をたどって今日は終了と思っていたが・・。

 

奥ヶ滝谷下降開始

炭焼き釜が無数に現れる

 

 急に水音がするなと思ったら滝に行く手を阻まれてしまう。探せば巻き道は必ずあるのだろうが、このまま歩いて降りるのは勿体ないので懸垂で降りる事に。後から考えればここが「奥が滝」の始まりだった。

 

一転、滝に阻まれる

懸垂で降りた滝

 

 その次に現れた滝はクライムダウンが出来たが、その次は懸垂下降、何だか面白くなってきた。振り返ると登るのにはそれほど難しく無い滝でまだ緊張感は無い。

その次はクライムダウンできる

これも懸垂

登れば何でも無いかも

もう一度懸垂

 

 ゴルジュに入って3回懸垂した所で手強そうな滝が出て来た。落ち口はハングしていて登り返しはかなり厳しくなりそう。その下も滝が続くが支点になりそうな木も無い。一瞬躊躇したが突入する事にする。

 

今度は手強そう

下はどうなっているかな?

 

 苦労して側壁に生えている木にロープを通し、懸垂下降。michi君、私は水流下を降下してしまった為もろに水をかぶったが、Eちゃんはうまく水を避けて降りている。こういう時は一番最後が得だなあ。

 30mロープ2本つなぎでその下の滝も一気に降りる。心配していたロープの回収も上手くいき、これで一安心。

 

ハングしているのでもろに水をかぶる

その下の滝も一気に降りる

 

 懸垂下降はこれで終わり。後はクライムダウンで下っていくとほどなく岩坪川へ合流。岩坪川の上流部は堰堤いっぱいに土砂が堆積し、まるで砂漠のようだ・・。

 

奥ヶ滝ゴルジュを見上げる

奥ヶ滝谷出合い

砂漠のような岩坪川(三面張り堰堤群の上流)

 

 後は側道を歩いて駐車地まで戻る。前半はどうなる事かと思ったら後半は思わぬゴルジュで楽しむ事ができ、「始まって以来の外れ沢」は何とか回避する事ができた。michi君、Eちゃん、今回もありがとう。

 

 しかし、岩坪川のコンクリートで固められた状況には驚いてしまった。これも便利さとの引き換えかと思うと複雑な気分だ・・。

 

今回のコース