晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

雨乞岳 稲ヶ谷からコクイ谷へ 2012.11.18

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もう秋も終わり・・・

 

<メンバー>
サークル5人
      
<山域、形態>
鈴鹿、ハイキング

 

<コース>
稲ヶ谷登山口(8:00)~雨乞岳(11:25)~杉峠(11:50)~御池鉱山跡・昼食(12:10~13:20)~コクイ谷出合(14:40)~沢谷分岐(15:55)~沢谷峠(16:30)~武平峠西P(17:15)~武平峠東P(17:30)

 

 週末を狙ったようにやって来る低気圧のおかげで前日のテント宴会は中止になり、日曜日の日帰り山行一本に変更になる。しかしここでテンションを下げてはいけない。なぜならば今日、体験山行にやってくるのはかわいい山ガールなのだから。

 とはいっても雨の翌日は冬型の気圧配置。厳しい山行になりそうだなあと思いつつ、中止の選択肢は無い。なぜならば・・(以下略)

 

 こんな天気にも関わらずスカイラインの東側は大盛況。武平トンネル西側Pもいっぱいだ。でもさすがに稲ヶ谷登山口まで来るとハイカーの姿はほとんど見かけない。

 

 道はすぐに渡渉から始まる。前日の雨のせいで水量が多いのが厄介だ。道型も不明瞭でルート読みに一苦労。小滝の巻き道には残置ロープを使う場所があったり、一般道にしてはかなりグレードが高い。山ガールNさんの一挙手一投足に気を使う。

 

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いきなり渡渉からスタート

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小滝が現れる

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残置ロープを使って巻くのだが(Yさん提供)

 

 谷中は風が弱いせいか紅葉も思ったより残っていて秋の名残を感じさせてくれる。流れの中を埋める落ち葉を見ているとああもうすぐ冬だなあなんて考えてしまう。

 

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名残の紅葉

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落ち葉で埋まった沢

 

 やがて大滝の巻き道にさしかかる。大滝見物はパスし、残置ロープの張られたルートに取り付く。傾斜はかなり急で足元は濡れているのでかなりいやらしい。Nさんには手の位置、足の位置を丁寧に教えながら登って行く。何とか傾斜の緩い植林帯に入り込みほっと一息。

 

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大滝の巻き道はスリリング(Yさん提供)

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慎重に登ってね(Yさん提供)

 

 難所を越えてしまうとルートは安定してくる。紅葉を眺めながら落ち葉のつもる地面をサクサクと登って行く。

 

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まだまだ黄葉がきれい

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落ち葉を踏んで歩く(Yさん提供)

 

 紅葉も散ってしまい景色が殺風景になってくると稜線も近い。水が涸れ、急なザレ場を詰めると背丈を越える笹藪に行く手を阻まれる。踏み跡はしっかりしているが露に濡れた笹をかき分けると全身がびっしょりと濡れてくる。

 

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殺風景になってきたな

 

 笹の上にはミゾレ混じりの強風が吹き荒れている。こりゃ思ったより厳しいなあと思いながらもNさんを不安にさせてはいけないので終始笑顔を絶やさずに歩く。

 

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笹の海~

 

 稜線に出てもガスの為視界はほとんど効かない。安全地帯に逃げ込む為には標高を下げなくてはいけない。なので、雨乞岳では写真撮影のみを済ませ杉峠へ向かう。

 

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アメニモマケズ、カゼニモマケズ

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何も見えない

 

 杉峠まで降りてくるとガスの下に出たのか視界も良くなり風も幾分弱く感じる。こんな天気にも関わらず数パーティーが休憩している。我々も昼食場所を求めて東に向かって降りて行く。

 

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杉峠

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やっとガスの下に出た(Yさん提供)

 

 御池鉱山跡の平坦地に風除けのシートを張って食事にするが、風の向きがコロコロ変わるので風除けはあまり役に立たなかった。熱いぜんざいを食べるとようやく人心地つく事ができた。

 

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御池鉱山跡の石組

 

 コクイ谷出合いまでは順調だったが、コクイ谷も渡渉地獄が待っていた。水量が多いため、どうしても水没した石を頼りに飛び石しなくてはならず、こういう道に慣れていないNさんはかなり苦労している。それでも何度も渡渉を繰り返している内にずいぶんと上達してきた。

 

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数え切れない渡渉

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コクイ谷の鉱山跡

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ここにも石組が

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渡渉も慣れてきた

 

 付け過ぎとも思われるテープや道票のおかげで迷う事も無く沢谷に入る事ができ、何とかクラ谷からの登山道に合流する。ここで数組の若者パーティーが歩いているのに出くわす。山ブームは本物だなあ。
 

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道票が整備されている

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沢谷分岐

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立派な滝

 

 しかし安心してはいられない、歩いている内にどんどん暗くなり、最後の20分はヘッデン歩きになってしまった。トンネルを越えると名古屋の夜景がとてもきれいだった。

 

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武平トンネル

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夜景が美しい・・

 

 今回、天候が悪かった上にバレーション要素満載のコース設定、高巻き、ヤブコギ、渡渉、最後はヘッデンとかなり厳しい山行になってしまった(張り切り過ぎたか・・)。
 
 そんな山行だったにも関わらず終始笑顔で付いてきてくれたNさん、また参加したいと言ってくれたので内心ほっとした。次回はもう少し余裕のあるコース設定にしなくては(反省)。

 

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今回のコース