ヌメヌメとツルツルの壁、果たして出口はあるのか
<メンバー>
山仲間3人
<山域、形態>
<山域、形態>
<コース>
墓地(7:45)~最初のCS滝(7:55)~洞窟ゴルジュ(8:35)~井戸底ゴルジュ下段(11:15)~井戸底ゴルジュ上段(12:00)~迷路ゴルジュ(13:50)~ゴルジュ終わり(15:15)~茶野(17:00)~大君ヶ畑(19:20)~墓地(19:30)
滝洞谷。いつかは行かないといけないなあと思っていたが、そのいつかはもう少し先だと思っていた。しかし、今年シーズンは体も絞って体調もいい。I君、Eちゃんが挑戦するというので私も乗っかる事にした。さっそくアブミを購入し遡行に備える。ハーケン、ハンマーにカム、足元の沢靴はゴートフェルトに貼り替えた。これで準備万端。
国道306が9月の豪雨の為通行止め。石榑トンネル経由で大君ヶ畑に回ったら思った以上に時間が掛かってしまい30分の遅刻。すいません。
林道を進み墓地の駐車地に車を停めさせてもらい出発の準備。歩き始めてすぐに堰堤が現れる。石で埋まった堰堤の上を歩くとすぐに不気味なゴルジュが姿を見える。
最初は立派な堰堤
すぐに不気味なゴルジュに(人面岩?)
最初に現れるCSの滝。水は流れていないが釜はある。釜には落ち葉が積もり淀んでいる感じ。いきなりこんな水に入るのは気がすすまず、左から巻いて懸垂で谷に戻る。
いきなり不気味なCSの滝?
左から巻き&懸垂
しかしすぐに同じ様な涸れ滝+釜が現れるので覚悟を決めてジャブジャブ。心配していた動物の死骸はまだ見当たらず、白く光る石灰岩の奇妙に浸食された造形に美しさも感じる。入る前に想像していたのとはかなり印象が違うなあ。
水は流れていないのに釜がある・・
こんなのばっかり
突っ張りが有効
やがて現れた最初の難関、洞窟ゴルジュ。右手のクラック沿いにアブミの架け替えで突破するのがセオリーだ。I君がセオリー通りルート工作するが、カムが中々決まらず苦戦している。アブミにのってハンマーをふるうのも体制が悪い。残置は全く無いらしい。我々は申し訳ないが見守るしかない。
洞窟ゴルジュ
アブミで工作中のI君
苦戦はしたものの流石I君、見事に突破。続くEちゃんも「怖い~」と言いながら突破。最後の私はアブミ、カム、ハーケンを回収しながら登って行く。カムで決まっているアブミに全体重を乗せるのは正直気持ちのいいものではない。
アブミに乗ってのハーケン回収は難しい・・
ゴルジュの上は一旦開けて明るい雰囲気になる。ボルダー滝はヒールフックという技で登るらしいがそんなのはできないので、ステミングで超える。その上の滝は珍しく普通に左から巻く。
どうやって越える?
珍しく普通に巻ける
再び両側の壁が立ってくると井戸底ゴルジュだ。一見行き止まりの様に見えるが岩壁を回り込むとまるで井戸の底にいるような筒状の滝の下にでる。下部はホールドが豊富で壁も乾いているためI君もすんなり登ってしまう。ここが核心と聞いていたのに思ったよりも簡単だなあと思ったらそれは大きな間違いだった。
井戸底ゴルジュ入口
ほんとに井戸の底みたい
乾いていればそれほど難しくは無い
滝の上に上がると今度はヌメヌメの滝が現れる。滝の中は支点が取れそうにないので左手のカンテのクラックを利用しアブミで登って行く。ここもハーケン、カムが中々決まらず苦労している。最後のカンテを回り込んで滝芯に乗り込む時は相当怖かったようだ。
セカンドのEちゃんも怖々ながら突破し、滝上では歓声が聞こえる。しかしこちらはまだ滝の下、荷揚げの為に釜の中を行ったり来たりで体が芯まで冷えてしまった。おまけにアブミに乗りながらハーケンの回収はとても不安定だ。しっかりビレイしてよ~と声を上げながら何とか突破。ふ~厳しいなあ。
I君のルート工作に賭ける
セカンドのEちゃん、見ている方がヒヤヒヤ
しかしこれで本当の核心は突破したかと思うと気は楽になる。出てくる小滝も快適に越える。迷路ゴルジュの1段目はリードさせてもらい、その上の滑り台のような滝は人間土台になってI君を持ち上げ突破。
こういうのはもう簡単
迷路ゴルジュ
迷路ゴルジュ上部のツルツル滝
ステミングを駆使
最後の見せ場である深い釜はEちゃんが水線突破を希望するので覚悟を決める。最初のトライでは腰くらいの水没で上手くヘツレそうだったが、後一手と言う所でドボン。結局ラストに回りロープで引っ張り上げてもらったがしたたかに泳がされてしまった。
上手くヘツルI君
実際はこんなに深い(水はチョー冷たい)
ゴルジュを抜けると谷は一転して普通の渓相になる。平凡な谷を進み二股を左に詰め、最後は紅葉の急斜面を登って茶野に出る。鈴ヶ岳が美しいがのんびりとしてられない。
突然普通の渓相に
斜面は紅葉が美しい
稜線、鈴ヶ岳が間近
茶野、ここからが最後の核心
下山を開始するとすぐに暗くなりヘッデンをつける。踏み跡はすぐに消え植林の斜面を彷徨う羽目になるが、GPSのおかげで何とか杣道に復帰できた。大君ヶ畑についたのは19時を回っていた・・。
結局、闇下・・
今回も色々あったがI君、Eちゃんのおかげで鈴鹿最難と言われる滝洞谷を遡行できたのはとても大きな自信になった。I君、Eちゃん、いつもありがとう!