晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

奥美濃 根洞谷から金ヶ丸谷 沢登り 千古斧入らずの森を彷徨う② 2012.10.20-21

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黄金色に輝く森

 

<メンバー>

山仲間4人
      
<山域、形態>

奥美濃沢登


<コース>

2日目:泊地(8:00)~三周ヶ岳(14:00)~夜叉ヶ池(15:30)~池の又P(17:00)


 テン場の地面は適度な固さでとても寝心地が良く、普段よりもたっぷりと寝る事ができた。2日目も長丁場なので早く出発したかったが、少なくとも明るくなってからと言う事で6時起床。

 

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テン場の朝


 朝食はTっちゃんが差し入れてくれた新米を炊き昨日のナメコで味噌汁を作る。米を研いで鍋にかける。弱火でじっくりと炊き上げるのがコツなのだが、一度に4合も炊くと思ったよりも時間が掛かってしまう。結局、出発時間が気になって火から下ろすのが早くなり、新米が芯米になってしまった。昨夜の鍋ひっくり返し事件も含めて食担として痛恨のミス連発・・。皆さんすいませんでした。

 

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ナメコの味噌汁は最高


 芯米を味噌汁に入れて煮込み直すとそれなりに食べれたので一安心。辺りもすっかり明るくなって来たので出発する。山の神様は今日も微笑んでくれるだろうか。

 

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さあ、今日も歩くぞ


 しばらく歩くと5mほどの滝が現れた。左岸に釣り師のものと思われるフィックスロープが下がっていた。思ったよりも簡単に登れたが荷物も重いので念の為にロープをだす。

 

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今回最大の滝


 昨日の平流ほぼ100%から一転し、小滝や淵が適度に現れる楽しい渓相になってきた。もう濡れるのは寒いので慎重にヘツリを交えながら進んでいくと谷はだんだんと狭くなってきた。地形図のゲジゲジの部分だろうか。

 

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谷に変化が出てきた

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昨日よりも面白い


 谷はどんどん狭まって側壁が聳える。上の方の紅葉がほんのり色づいてきてだんだん秋っぽくなってきた。溝状滝が行く手を阻むがステミングで簡単に突破。足が短い人は手も使って突破する。

 

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ゴルジュ?

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葉っぱが色づき始めた

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お、これはどうする

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基本はステミングで

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足が届かない場合はこれで


 高度が上がるにつれ、心なしか木々が色づいている。足元の水の流れも心地良く、まるで風景画の中にいるようだ。そろそろ目当てのキノコも現れていい頃だろうと辺りをキョロキョロするがなかなか見つからない・・。

 

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だんだんいい雰囲気

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まんじゅう(なごやん)の様なきのこ

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一瞬ナメコかと思った(ヌメリスギタケモドキ)


 標高1000mを過ぎると森は緩やかに広がり源頭の雰囲気になる。広葉樹は柔らかく色づき始めていて日が差し込むと途端に周囲が黄金色に輝く。景色を見るのに、写真を撮るのに足を停める為、なかなか前に進め無い。

 

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写真を撮るのに足が止まる

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日が差すと輝く森

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青空だったらなあ

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徐々に輝きを増す森

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ここまで見られて満足


 谷の水のすっかり細くなり、そろそろ稜線への取り付きを意識しないといけないな、という所でついにナメコの群落を発見。沢旅の終盤にきてのこの幸運!山の神様は餞別どころかお土産までくれたようだ。

 

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出た!山の神様にお土産までもらう事に


 最後はヤブの急斜面をよじ登り三周ヶ岳への登山道へ出ると、そのまま頂上に向かう。頂上で三角点にみんなでタッチし記念撮影。沢靴を下山靴に履き替えるとなんだかホッとする。

 

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三周ヶ岳への登山道にでる

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三角点タッチ


 三周ヶ岳から岐阜県側を見下ろす斜面はすっかり色づいていて予想外の紅葉を楽しむ事ができた。でも上空に寒気が流れ込んでいるせいか稜線はガスに覆われている。

 

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稜線はすっかり色づいていた

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でもガスなんだよなあ


 何回かアップダウンを繰り返し高度を落としていくとようやく夜叉ヶ池が見えた。昼間はかなりの人出で賑わったのかもしれないが、もう遅い時刻なので我々の他には誰もいない。ガスの漂う幽玄の池を楽しんだあと、駐車場に向かって下山を開始する。

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岩場を降りて

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夜叉ヶ池が見えた

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静かな夜叉ヶ池


 すぐに着くと思っていた駐車場はなかなか現れず、最後はヘトヘトになってしまったが日没前にゴールする事ができた。

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滝を眺めながら


 2日間、たっぷりと森で癒された山行だったが、歩くのも結構キツイ山行でもあった。食但としての失敗もあり、反省すべき点が多かったが、終盤にきての紅葉、ナメコのおかげでいい気分で山行を終える事ができた。同行してくださった皆さんには改めて感謝します。ありがとうございました。

 

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今回のコース(クリックで拡大)