晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

奥美濃 根洞谷から金ヶ丸谷 沢登り 千古斧入らずの森を彷徨う① 2012.10.20-21

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山の神様の餞別、今夜の鍋が豪華になるぞ!

 

<メンバー>

山仲間4人
      
<山域、形態>

奥美濃沢登


<コース>

1日目:池の又P(8:00)~支谷取り付き(8:10)~黒壁山との鞍部(9:40)
~根洞谷(10:25)~小茂津谷出合(13:05)~金ヶ丸出合(14:20)

~励谷出合(15:45)~泊地(16:45)

 

 ちょっとハード系の沢が続いた。ヒリヒリするような緊張感も楽しいが、たまには美しい森に囲まれてゆったり、のんびりと過ごしたい。そんな気持ちから奥美濃の至宝、金ヶ丸谷に行く事にした。F~さんとの二人旅の予定だったが、Eちゃん、Tっちゃんも参加してくれる事になり何だか賑やかになりそうだ。夕食は美味しく鍋を囲むつもりで、食材、鍋、大小をザックに押し込むと1泊なのに60リットルザックがいっぱいになってしまった・・。


 早朝に出発して池の又駐車場に到着。既に数台の車が停まっている。既に到着していたEちゃん、Tっちゃんと合流し出発する。


 根洞谷へのアプローチは登山道から二つ目の支谷を遡り黒壁山との鞍部を目指す。周囲は濃厚なヤブだが沢の中は快適に歩く事ができ、昔の山人が沢から山に入ったのもうなずける。

 

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登山口から二つ目の支谷に入る


 出発から1時間半で鞍部に到着。鞍部からは藪の薄い谷芯を狙って真っすぐに根洞谷に向かって降りて行く。谷に向かうに従って巨木が増え、次第に森が深くなってくるのが分かる。出発から2.5時間で根洞谷に到着。まずまず順調。

 

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稜線(鞍部)の様子

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森が深くなってくる

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谷中は安心して進める

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根洞谷(こんどうたに)に到着


 根洞谷の下降を開始してすぐにナメコ(幼菌)の群落を発見。これは山の神様の餞別か、幸先いいなあ。今晩の鍋と明日の味噌汁用に少し頂く。

 

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山の神様から餞別を頂く


 根洞谷源頭部は紅葉にはまだ早いがやっぱり森が美しい。緑で覆われた斜面には植林は一本も無く、広葉樹の巨木が枝の張りを競い合っているようだ。流れに足を入れれば岩陰に走る渓魚の影。癒されるなあ。

 

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まだ紅葉には早いが

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森と水が美しい

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巨木がいたるところに

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何だか神聖な感じ

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あちこちに群生していたダイモンジソウ


 そんな素晴らしい景色もずーっと続くと飽きてしまうのが人情。谷に変化は無く、延々と原生林の中にせせらぎが続く。テント装備の重さをだんだんと感じるようになってくる頃にようやく小茂津谷出合。そこから更に歩いて金ヶ丸出合にたどり着いた時には14時を回っていた。(若干時間オーバー)

 

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川幅が広くなって来た

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泳ぐのは勘弁

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こんな淵もたまにある

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ようやく金ヶ丸谷の出合

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渡渉、膝までは常に濡れる


 今日は少なくとも励谷までは行こうと下降から遡行に切り替える。(とはいってもあまり変わらない)しかし、心なしか森の深さが増した様な気がする。

 

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一段と森が深くなったような・・


 金ヶ丸の出合から励谷まで1時間半かかってしまった。もう足元はフラフラで渡渉の途中で転んで水浸しになってしまった・・。早く泊地を決めなければいけないがなかなかいい所が見当たらず、もう少しもう少しと先に進む。ゴルジュ状の場所が現れたりするが、困難な場所は無い。

 

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谷が狭まってもこんな感じ

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ちょっとしたゴルジュ


 小ヤブレを過ぎ、谷が大きく屈曲した個所の左岸にきれいな台地が見つかったのでようやくザックを降ろす事ができた。時間的に日没寸前。幸い近くに薪も豊富にあり、夜の宴会の準備は何とか暗くなる前にする事ができた。やれやれ。


 ここまで担いできた鍋に準備した食材と山の神様の餞別を投入し、ぐつぐつと煮る。美味しそうに仕上がったので、コッフェルを取ろうと鍋から目を離した途端に鍋がひっくり返ってしまった(目の前が真っ暗・・)。食担としてやっては行けない事をしでかし、もうガックリ。


 しかし落ち込んで入られないので残った食材を非常用のウドンだしとみそ汁で煮込み、ウドンを投入し味噌煮込みうどんを作り直すと何とか食べられる味になった。皆さん本当にすいませんでした。

 

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ようやく鍋を囲む


 お腹が落ち着いたら焚き火を囲み、少しお酒を飲んでどうでもいい話をダラダラとする。沢泊の最大の
楽しみだ。普段が激務のF~さんはいつの間にか船を漕いでいる。

 

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焚き火が暖かい

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いつまでも続いて欲しいひと時


 明日も長距離歩かなくてはいけないので早めの就寝。空には星がまたたいていたが思ったよりも寒く無く、ぐっすりと眠る事ができた。


つづく