晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

尾白川 黄蓮谷右股 憧れの超メジャー沢へ② 2012.9.16 晴れ

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最後の詰め

<メンバー> 山仲間2人
      
<山域、形態> 南アルプス沢登

<コース> BPca2220(7:00)~烏帽子沢出合(9:15)~~奥の三連滝
~ハイマツ帯~稜線(13:10)~甲斐駒ヶ岳(13:20~13:45)
~七丈小屋(15:15)~五合目小屋跡(16:25)~刃渡り(17;55)
    ~横手駒ヶ岳神社分岐(19:00)~竹宇駒ヶ岳神社(21:00)

 風の通る谷の夜はさすがに冷える・・。寒さで何回か目を覚まし、シュラフのジッパーを締めて頭まで完全に包まってようやく落ち着いた。そろそろ起きないと行けないなと思いながらウトウトしていたら突然テントの中が明るくなった。急に朝日が差し込んだのだ。気を取り直して起きる事にした。


 簡単な朝食を済ませ準備をしていると、下で泊まっていたT大生、S稜パーティーが通過していった。我々も遅れては行けないと7時に出発する。泊まった場所はまだ滝場の中だったようで、すぐに滝登りが始まる。水が冷たい。



 渓相は基本ぬめったスラブのクラックに水が僅かに流れている程度。逆くの字の滝?をいくつか越えるとT大生達が苦労している。登攀力のある先頭は先に登ってしまい、ロープを持っているリーダーも残置でセルフだけをとって登って行く。最後に残された一人にロープを出してやる気配も無いので我々が引っ張り上げる。どうもロープを使って登るのに慣れていないようだ。



 巨岩帯に入ると水が涸れそうになったので何とか確保、あぶないところだった。先行していたS稜パーティーは難しそうな左岸に取り付いていて苦労している。我々は右岸に巻き道を探る。

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巨岩帯(インゼル?)ここで水は涸れる



 コース取りが難しいが、正解と思われるルートには踏み跡がついており、基本ロープをつなぐ必要は無かった。傾斜はドンドン増してきて谷はスラブ壁になる。時折ガスに巻かれるのでルーファイが難しい。右岸で行き詰ったS稜パーティーと合流。




 一度、奥のスラブ滝で難しい支谷に取り付いてしまったが、後続が踏み跡を見つけたので、それに続く。絶妙に付けられた踏み跡は岩壁に突き当たるが迂回路も明瞭。更に高度を上げると辺りは徐々にハイマツのヤブに変わる。



 薄く踏み跡はあるものの、手でかき分けながら進まないといけないヤブは一気に疲労が増す。それでも何とか進み、頂上直下のカール状の場所にトラバースで下りて行く事ができた。


 さあ、ここまでくれば稜線はもうすぐなのだが、高度の影響か疲労かシャリバテかとにかく足が出ない。S稜パーティーは流石でどんどん高度を上げて行く。I君と二人、ヒーヒーいいながら足を上げる。



 結局、目論見から1時間遅れて稜線に到着。甲斐駒ヶ岳の頂上はそこからすぐだった。頂上ではS稜パーティーが下山支度をしていた。聞けばこのまま下に下りてしまう様な事を言われていたので我々もその気になる。頂上で記念撮影。




 下山の黒渡尾根は梯子、鎖場が多くスリリングで楽しいコースだが、いかんせん我々は疲れている。七丈小屋のテン場もなかなか現れないので(我々が遅いだけだが)やきもき。頂上から1時間半で何とか到着。ここで泊まる手もあったが、展望も無くショボイテン場だったので下山する事に方針決定。




 暗くなる前に安全地帯まで降りておこうと急ぐ。5合目小屋跡まで来ると先行していたS稜パーティーがテントを張って食事の準備をしていた。アレ、下山するんじゃなかったの?。聞くと早々に泊まりに切り替えたようで七丈小屋で水の補給までしていた(ヤラレタ)。泊まりの分の水を持たない我々は下山を続ける。



 刃渡りを過ぎ、樹林帯に入る寸前に富士山が見えた。頑張った御褒美かなあ。樹林帯に入ると一気に暗くなり、ヘッデン歩行になる。疲労と足元の悪さで一気にペースが落ち、駒ヶ岳神社についたのは21時になっていた。





 車を回収するともう風呂は営業していなかったので、そのまま高速に乗る事にする。でも寝むさで運転出来ず途中で仮眠していたら帰宅したのは朝になってからだった。

 全国から遡行者が集まるメジャー沢はやはりそれだけの価値のある沢だった。難易度的にも丁度良く、適度の緊張感の中、楽しく遡行する事ができた。これもI君、S稜の皆さん、そしてT大生達のおかげだ。皆さん有り難うございました。