晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

木曽 柿其川 沢登り 観光渓谷で今日も水泳訓練 2012.08.05

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今日も泳ぐのだ

 

<メンバー>
山仲間 4名
      
<山域、形態>
木曽、沢登

 

<コース>
柿其渓谷入口(8:20)~牛ヶ滝展望東屋(8:40)~入渓(9:00)~霧ヶ~霞滝(12:10)~昼食~雷滝(15:00)~遡行終了点(上手斧橋)(16:25)~林道~柿其渓谷入口(17:45)

 

 上の廊下前哨戦の総仕上げは観光渓谷でも名高い木曽の柿其川。前日に続き雲ひとつない快晴でわくわくだ。

 

 きこりの家」の前に車を止め、まずは遊歩道を歩く。最初の滝である牛ヶ滝は登れる可能性はゼロとの事なので最初から巻く前提で入渓点を探る。滝見の東屋から少し進み怪しい踏跡をたどっていくと、所々に目印もあり、思ったよりも簡単に牛ヶ滝の落ち口に降りることができた。

 

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牛ヶ滝(東屋より)

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牛ヶ滝落ち口

 

 牛ヶ滝の上は白い花崗岩の明るい谷で気持ちも明るくなってくる。岩の苔の跡なんかを見ると通常よりもずいぶんと水量が少ないらしく、泳ぎを交えて遡ってはいくものの困難な場所はなく、水と戯れながらワイワイという感じだ。

 

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遡行スタート

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これでもかなり水量は少ないらしい

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余裕のIM君

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ファイト!いっぱ~つ!

 

 ゴルジュ状になった場所では豊富な水量に浸食された花崗岩を流れる滝の美しさにうっとりする。登れる滝は泳いで取り付き、流れの左右のどちらかを超えるというパターンで水線上の突破は余りない。微妙なトラバースにひやひやする場面もあったが、アクアステルスのフリクションはバッチリで、I君、IM君はスタスタとトラバースしていく(靴だけのせいではないが・・)。

 

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左をトラバース

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泳いで右から上陸、その後対岸の岩へ飛ぶ

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右のツルツルのスプーン状を越える

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ねじだるの滝、左から簡単に巻ける

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豪快なスライダー(左巻き

 

 連続する3~5mの滝を越えると一旦流れは平流になるので、大休止と釣りタイム。私を除く3人は竿を持ってきているのだ。しかし、考えていたよりも魚は賢いようで3人の竿にまったく当たりは無し。やっぱり素人が中々釣れるものではないようだ。

 

 気を取り直して遡行再開。ここも他の木曽の谷と同じく流域では林業が盛んだったようで、頭上のかつての森林鉄道の橋が渡っている。

 

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森林鉄道跡?

 

  やがて、水の轟きが聞こえるとこの谷の盟主、霧ヶ滝が現れる。この滝の左側を登った記録があるのでI君はやる気満々でルートを確認している、しかし、私にはどう見ても登れるとは思えない(たとえセカンドでも辞退したい・・)。しばらく考えた末、I君もようやく「巻き」の判断をしたようでホッとする。林道への巻きも少し戻った左のルンゼかに取り付くと簡単に展望台に出る事ができた。

 

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霧ヶ滝

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登れるかチェック中

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やっぱ巻きでしょう

 

 林道を歩いて霧ヶ滝を巻き、滝の上で昼食。昼食を食べた後もI君は登るべきだったかな~と未練いっぱいの様子だったが、私にはとても登れるとは思わなかった。

 

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落ち口

 

 霧ヶ滝の上流も谷の両岸は高い壁のままなので支流は滝になって流れ込んでいる。虹滝は太陽光線の具合によっては虹が見えるのかもしれないが、今回は何もなかった。

 

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虹滝

 

 いくつか橋を潜り、ゴルジュ状になった所はどんどんと泳いで抜ける。途中林道が交差する地点は淵になっていて、なかなかおもしろかった。

 

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また橋が

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どんどん泳ぎます

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林道が交差

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スイーム

 

 水流が狭まってホワイトウォーターになっている所は際どくへつってちょっとしたスリルを楽しむ。雷滝は瀑流の下に上手く潜り込んで越える。この辺りはどうやってクリアしていくか、それぞれが楽しみながら遡行する事ができる。

 

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落ちたら流されるよ!

 


考えながら遡るのが楽しい

 

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雷滝

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滝の下に潜り込む?

 

 雷滝を過ぎると水量も少なくなり平流になる。夕方が近づいたせいか急に魚影が濃くなったような気がしたので再び3人は竿を出す。手持ちぶたさの私は岩の上で昼寝。みんなけっこう粘っていたが結局釣果は無かった。

 

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水量もぐんと減る

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竿を出すも当たり無し(しろーとには無理か?)

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側壁からきれいな流れ込み

 

 渓相も単調になってきたので適当に林道に上がり易い場所で遡行を打ち切り。林道をテクテク歩いていると計ったように夕立が降って来た。(川浦の時ほどの雨量では無かった)

 

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ここで打ち切り

 

 泳ぎの沢にはずいぶんと慣れた感じ。構えて臨んだ柿其川も水量のせいもあるがずいぶんと簡単に思えてしまった。これで天気さえ良ければ黒部上ノ廊下も上手く行けそうなんだけどなあ。(この時すでに週間予報では怪しい気配が)

 

 I君、Eちゃん、そしてIMさん、今回も楽しい遡行ありがとうございました。

 

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今回の地図(クリックで拡大)