晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

鈴鹿 ウソ谷(五郎谷)~雲母峰 沢登り 2012年沢初め 2012.04.14

ウソ谷の連瀑帯

 

<メンバー>
山仲間 3名
      
<山域、形態>

 

<コース>
宮妻峡キャンプ場P(11:10)~ウソ谷~雲母峰西峰~雲母峰(15:00)~雲母谷~宮妻キャンプ場P(16:50)

 

 2012年の沢はじめ。去年に続きいつまでも雪の残る寒い春になったので、スタートは4月中旬になってしまった。こんな時期の沢登りに嬉々として参加してくれるのは、いつものI君、Eちゃんだ。沢ライフが充実するかしないかはメンバー次第だなあと改めて感謝。

 しかし天気予報は雨・・。でもせっかくのチャンスを来週に流したくなかったので雨上がりを狙って昼前の出発になった。
 まだ雨の気配の残る宮妻峡キャンプ場はひっそりとしている。満開の桜を眺めながら道路を少し戻り、林道を少し歩いて入渓。

 

 

宮妻峡は桜が咲いていた

 

 最初はパイプなどの人工物が散乱する雑然とした感じ。それでも足を水につけた時のひんやりとした感覚、水の匂いにテンションが上がって来る。しばらく進むと小滝の上にコンクリートで堰を造ったものがあり、そこからパイプが伸びていた。どうやらキャンプ場に水を運ぶものらしい。

 

入口は人工物が散乱・・

徐々に谷らしく

ここからキャンプ場に水を引いている

 

 左岸に雲母(キララ)谷との出合いを見送ると7mの滝が現れる。滝身の左側が登れそうな感じだったが、出だしが渋いので巻く事にする。最初なのでこの辺の感覚(行けるか否か)がまだまだだ。

 

左から行けそうだけど・・巻き

 

 続く小滝はなかなか手強く攻略方法をあれこれ試しながらワイワイ。I君がもう少しの所でドボンするハプニングがあったが幸い怪我は無い。Eちゃんが左から越えたのでそれに続く。

 

これはチャレンジ

再トライのI君

 

 谷はゴルジュ状になり連瀑の奥には10mの滝が。さすがにこれは越えられないので左岸から巻く。巻きも高度感があるので念の為ロープを出す。斜面にはイワウチワが咲いている。上に上がると杣道があった。

 

連瀑が現れる

これは巻くしかない

巻きも渋い・・

イワウチワが咲いていた

 

 ここで思わぬ事件発生。谷に戻って何となく足元を見たI君がヒルを発見!ここはヒルの巣窟なのでまだ気温の低い4月を選んだのだがそれでも早起きのヒルがいるようだ。幸いまだ動きが鈍く吸血の被害は無かったがこの後、ヒルが気になって仕方が無くなった。

 

滝の落ち口

 

 気を取り直して遡行再開。滝場はまだ続き、2~3mの小滝を気持ちよく越えて行く。曲がった先にある12mの斜瀑は滝の左側を直登。更にその上にはこの谷最大の2段(20m)の大滝が待ち構えていた。これは右岸から巻き。3m、5mと滝を二つ越えた所で昼食。少しでも乾いた所を選んで座ったつもりだったがEちゃんの手にヒルが付いていた。Eちゃんの絶叫で驚く我々。

 

またも連瀑

滝身の左側を登る

ウソ谷最大の滝

その後も滝が続く

これも巻き

 

 その後は谷の傾斜も緩くなり両岸も開けて明るくなってきた。天気も回復してお日様が差す。岩にはシロハナネコノメがいっぱい咲いている。

 

傾斜が緩くなってきた

シロハナネコノメソウ

 

 水流も乏しくなり、あとは稜線へ詰めるだけとなるといささか退屈になって来た。標高650m辺りでカッコイイ滝が左から流れこんできているのを見てそちらに行ってみる事にする。

 

かっこいい滝のある左俣へ

 

 滝を越えるとやがて水も無くなる。明るいガレを詰めて鎌~雲母の稜線に飛び出す。雲母西峰から雲母峰を経由、植林との境界を下った鞍部から雲母谷の下降に入る。

 

晴れてきた

源頭

雲母(キララ)西峰

雲母(キララ)峰

雲母谷を下降

 

 雲母谷の上部は柔らかい砂礫が堆積していて、サクサクと下って行ける。下部では滝場が現れるが、ここは懸垂下降の練習。支点になる立木もあり楽しく下っていく。ウソ谷との出合からは谷横の仕事道を使って林道に戻る。半日の軽い遡行だと思っていたらしっかり6時間かかっていた。

 

懸垂下降も練習しとかなくちゃ

何とか覚えていた

 

 ウソ谷は規模の割には滝がそこそこあり、沢登りの対象として十分楽しめる谷だった。(ただ、ヒルの巣窟らしいので遡行可能時期は早春か晩秋に限られる。)
2012年の沢シーズンも幸先の良いスタートがきれて何より、I君、Eちゃん今年もよろしくお願いしますね。

 

今回のコース