晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

藤原岳 吹雪の雪中花見 2012.03.25

福寿草も凍えている

 

<メンバー>
サークル 6名
      
<山域、形態>
鈴鹿、ハイキング

 

<コース>
山口浄水場(08:00)~木和田尾~坂本谷分岐(9:40)~坂本谷~県境稜線(11:10)~白船峠(11:25)~冷川岳(11:50)~丸尾(昼食)~寒山(13:45)~山口浄水場(14:45)



 土曜日に低気圧通過→日曜日冬型のパターンはこれで何周連続だろう・・。例年であれば福寿草が咲き乱れるはずの季節なのに今回も雪を想定しなくてはいけない。メンバーには「暖かい恰好で来てください」と注意をする。

 

 こんな天気でもこの時期の藤原岳の人気はすごい。うかうかしていると駐車場がすぐにいっぱいになってしまう。人混みを避け、少しは捜索の足しになるかと思い、展望丘方面は避けて木和田に向かう事にする。

 

 山口の浄水場に車を停めて登山道を歩き始める。最初は林道から谷沿いの植林道、この辺りはまだ花も無く、淡々と歩いて行くだけ。やがて二次林になり、鉄塔巡視路に出たあたりから地面に白いものが現れ始めた。

 

鉄塔巡視路に出る

 

 巡視路から見上げる稜線は鉛色の雲がかかっている。こりゃ花はあっても開いていないだろう。ここで花見はあきらめる事にする。いいペースで坂本谷分岐に到着。

 

空は鉛色

坂本谷分岐

 

 このまま白船峠に上がっても芸がないので坂本谷分岐を谷に少し降り、支流(左俣)には行ってみる事にする。これだけ上流でも谷は深く抉られて対岸へ渡るポイントが見つからない。半ば雪に埋まった谷をそれでも何とか渡る。

 

坂本谷を少し降りる

 

 すると足元には雪をかぶって凍えている福寿草がたくさん咲いて?いた。天気が良ければ見事な花園になっただろうに・・。しかし、良く見ると運よく雪が被るのを避けられた株は少しだけだが開いている花もあった。とりあえず花見のノルマは達成できたのでホッとする

 

福寿草も凍えている

僅かに開いている株も

ガンバレと思ってしまう

 

 花の写真(凍ってはいたが)何枚か撮ったので稜線を目指す。標高800m辺りトラバースし、左俣になる支流に入ると今度は雪が猛烈に降ってきた。幸い地形は穏やかでサクサクと登って行けるが何より視界が悪い・・。途中何度か引き返そうかとも思ったが、稜線までの距離は知れているし、半分捜索も意味合いもあるのでそのまま登っていく。

 

支流(左俣に入る)

吹雪いてきた・・

 

 歩きやすい場所を選んで歩いていたらいつの間にか頭陀ヶ平に上がるルートに戻ってしまったようで、中電の避難小屋の辺りに出た。辺り一面雪景色まるで冬の様だが、雪は下の方がかなり溶けているみたいだ。油断すると太ももまで踏みぬいてしまう。

 

歩きやすい所を選んで

時々、ズボっと行く

 

 ガスの中にうっすらと鉄塔が見えてきたら稜線まではすぐそこだ。傾斜が緩くなって来たと思ったら、白船峠よりの鉄塔の下に飛び出した。下を見ると中里ダムも見えており、下界は晴れているみたいだ。

 

稜線までもう少し

下界の視界はいい

稜線に到着

 

 視界が良ければ藤原岳まで縦走しようかと思ったが、この雪と風ではとてもそんな気になれない。当初の予定通り、丸尾経由で下山する事にする。白船峠付近の稜線はまだまだ雪庇が残っている。

 

まだまだ雪庇が・・

 

 三重県側の斜面を覗きこみながら白船峠まで歩く。もし滑落するとかなり下まで行ってしまいそうな箇所はあるが、どんどん雪が降っている今日の様な天気ではもしいても見つからないだろう・・。白船峠では20人近い大パーティーが登って来ていた。捜索隊かな?と思っていたらそうではなかった。

 

斜面を覗きこむ(この雪じゃあ・・)

白船峠に団体パーティー

 

 休憩もそこそこに白船峠から冷川岳に向かう。この辺りも怪しいとにらんでいる場所なのだ。足元を見るとやはり雪庇の下を覗きこんだり、時々下に降りたりというトレースが見える。同じく捜索の目的で歩いている人がいるのだなあ。

 

雪庇の下を注意しながら

 

 冷川岳で地形図を確認しながら丸尾へ降りる。丸尾はエアリアでも点線ライン(木和田と同様)であり、山仕事の赤ペンキ(財産区を境界?)がたくさんある。Nさんが赤ペンキでルートと判断し(あるいわ木和田と間違って)、歩いて行った可能性も無くはないなと感じた。

 

何のオブジェ?

 

 降り始めは傾斜も緩く歩きやすいがすぐに傾斜が立ってくる。尾根が分岐する小ピークもあり、未見、視界が悪いと厄介な感じ。更に両側が切れ落ちている箇所もある。捜索エリアとしては比較的注目度の低いエリアだが、可能性はありそうだ。尾根の途中で昼食にしたが、いったんやんでいた雪がまた降り出して閉口した・・。

 

丸尾を下る

 

 寒山辺りから犬返し橋の工事現場が見えた。思ったより御池に近いんだなあ。途中、切り立った崖やフィックスロープを使っての登りもあり、なかなか厳しいルートだ)

 

なかなか厳しいルートだ

犬返し谷の工事現場が見える

 

 寒山から下は道型も安定し淡々と下って行ける。高度を下げると風も収まり視界も出てきた。やっぱり冬型の時の稜線は厳しいなあ。植林帯を抜けると林道に到着。

 

林道に出た

 

 思ったよりも早く下山ができた事、そして体が冷え切っていたのでアタントでお茶を飲んだ。焼き立てのパンがとても美味しかった。途中、銀マットを拾ったので念の為に本部に届けに行くと今日の捜索も成果が無かった事を教えてもらった。

 

今日の捜索も空振りだったらしい

 

 いつまでも寒さが残る今年の春。雪はもういいので早く暖かくなって欲しいものだ。そして早く見つかって欲しいものだ・・。

 

今回のコース