藤内沢 来シーズンに備えて雪上訓練 2012.02.26
こんな怖い事よーやるわ・・
<メンバー>
山仲間(2人)
<山域、形態>
<山域、形態>
鈴鹿、雪上訓練
<コース>
先週の八ヶ岳は素晴らしかった。しかしこれ以上行動範囲を広げる為にはいろんな勉強がいるなあ、と思っていたので、Rさんから雪上訓練のお誘いを受けた時には渡りに船とばかりにお願いした。2月も下旬に入り、温かい雨が降ったせいで雪、氷が残っているか心配だったがとりあえず決行。
歩きながら以前遭難者捜索に参加した事のあるRさんの話を聞く。うーん、厳しいなあ。来週は御池に行ってみるか、とか考えてしまう。
裏道に入り、堰堤を抜ける所までの雪はほとんど消えている。雪解けで水量の増えた北谷を見ると何だか春の気配。藤内小屋の資材であろう木材を荷揚げしている人を追い越す。
雪解けで水量の多い北谷
藤内小屋は予想通りたくさんの人が休憩していた。やはりみんな藤内に行くようだ。でも今日は普段のルートとは違うらしいので混雑の心配はいらないだろう。ここは休憩せずに足を先に進める。
藤内小屋
ふうふういいながら藤内沢出合いに到着。雪が舞い始め空はどんよりと曇っている。思ったより天気が悪いが、今日は訓練なので雨でなければ良しとしよう。氷は何とか残っていそうな気配。
藤内沢出合い
氷残っているかなあ・・
北谷を渡った所で最初の訓練。比較的傾斜の緩い斜面でスタカットで登る。スタンディングアックスビレイを教えていただく。その後、ロープをつないだ状態での歩き方やロープの引き方を練習しながら1ルンゼを詰め一壁の局部に向かう。
今回はいつもと違う方へ
中俣のアイスクライマー
雪は想像以上に少ないようなのでメニューを若干変更。左俣の階段状の氷瀑を登る事にする。初めてのダブルアックスに挑戦だ。傾斜も緩く、簡単だろうと思っていたらアックスがなかなかうまく氷にささらない。歯が跳ね返されたり、氷が砕けてしまったり・・。Rさんによると力任せではダメで技術がいるらしい。なかなか難しいもんだ。
中俣のアイスクライマーは垂直に近いような所を登っている。アックスに全てをかけて登るのは、まだできそうにも無い・・。上部の支点から懸垂下降の練習。
左俣でちょっと練習
恐ろしい・・
懸垂下降
懸垂下降の私(Rさん提供)
この後、上まで詰める予定だったが、Rさんの体調が良くないので一旦テストストーンまで戻って練習する事にする。まず、同行者を救助する時、安全を確保する時に必要な雪上アンカーの作り方の勉強。
ピッケルやスノーバー、竹ペグ、スノーマッシュルームなどを使って支点を作り、実際にロープをかけて強度の確認を行う。雪上の場合は雪質によって状況が変わる為、何を選択すべきかは一概に言えないとの事。持っている装備の中で最大限に有効なものを選択しなくてはいけない。1/2、1/3システムの作り方なども教わり、いい勉強になりました。
土能袋を使ってアンカーを作る(Rさん提供)
竹ペグやスノーバーも試す
雪キノコ(スノーマッシュルーム)ロープが食い込む・・
こうすると強度が増す
効果確認の私(Rさん提供)
このまま下ったのでは消化不良なので、藤内滝の右岸の巻き道を登って氷遊びをする事に。3ルンゼへ向かう通常ルートを行く時、一度だけこのルートを使った事があるが、今回は氷柱が大きく成長しており、氷柱の外を回り込むしかない。Rさんがロープを引っ張っていってくれたのでセカンドで登り始める。
藤内滝の横で氷遊び
取り付くRさん
氷柱の脇を通るのが難しい
下から見ていると傾斜も緩く簡単そうに見えるが、氷柱を回り込む時は、ほぼ垂直(に感じる)の氷壁にアイゼンとアックスで立ちこまなくてはいけない。さっきと同じようにピックがうまくささらず氷を砕くばかりなので焦ってしまう。何度も何度も打ち込んでようやく信頼できそうな手掛かりを作り体を持ち上げる。ふう・・。
苦戦中の私(Rさん提供)
後は裏道から藤内小屋を経由してスカイラインゲートまで戻る。小屋ではすっかり大きくなった子犬が自分のしっぽのじゃれてくるくると回って遊んでいた。
藤内小屋に戻る
すっかり大きくなった子犬
今回もRさんにはとてもいい勉強させてもらった。テキストなどを読んでいるだけなのと、実際にやってみるとでは全然違う。もう雪のシーズンは終わりだが、今回を経験を生かし来年は雪山ももう少しレベルアップしたいなあ。
Rさん、体調の思わしくないなかありがとうございました。