晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

鈴鹿 井戸谷から仏谷 沢登り 湯の山の隠れ谷で遊ぶ 2011.11.20

石畳のような谷

 

<メンバー>
山仲間 2人
      
<山域、形態>

 

<コース>
希望荘~林道(東海自然歩道)~井戸谷~仏谷~神懸~倍上谷~林道~希望荘

 

 
 今年、最も多く遡行を共にしたI君は今日が沢納め。なので、I君お勧めの井戸谷~仏谷に行く事にした。井戸谷は鈴鹿主脈の衛星峰であるハライドから更に東へ伸びる尾根の末端付近、南コブや神懸辺りを集水地とする非常に小さな谷だ。希望荘や民家などの集落にも近く、本当にこんなところに遡行対象になるような沢があるのだろうかと思ってしまう。

 

 鈴鹿スカイラインを少し登り、希望荘の第2P奥のスペースに車を停めて出発。ここは東海自然歩道にもなっていて、この道を北に向かえば朝明の水無し辺りに出るはずだ。最初は整備された遊歩道を歩いて行く。大きな堰堤のバックウォーター付近で道が谷筋近くに降りているので、そこから入渓。

 

最初は東海自然歩道を行く

堰堤のバックウォーターから入渓

 

  井戸谷は花崗岩で明るく、ナメや小滝の連続する美しい谷だった。すぐ横を自然歩道が通っており人工物も目につくが、いい意味で予想を裏切られた形となった。すぐに6mの滝に行く手をふさがれる。シャワーを嫌って右から巻いたらすぐに遊歩道だった。

 

井戸谷、なかなかの渓相

今日は水量が多いので巻き

上にも滝があった

 

 その上も小滝が次々と出てきて楽しい。濡れないように登らないといけないので夏よりも多分難しくなっている。左手に大きな堰堤(倍上谷)を見送り更に進むと仏谷出合いに到着。

 

ナメ

小滝

釜を持つ滝

倍上谷の堰堤

 

 仏谷は流れが細く見落としてしまいそうだが、奥村さんの古い道票と草鞋が掛けてあったのでそれと判った。井戸谷も滝があり、もう少し楽しめそうなのでそのまま井戸谷を詰める。

 

奥村さんの道標(20年前か~)

草鞋が掛けてあった

もう少し井戸谷を行く

 

 6m滝を越えると右側に古い石組みが現れた。朝明の猫谷にある縄弛み堰堤に雰囲気が似ている。あれは確か明治時代にものだったはずだが、これも同じ時期に作られたものなのだろうか。すぐに水が細くなってきたので出合いまで戻り、仏谷に入る。

 

古い石組みが出てきた

仏谷に入る

 

 仏谷に入るとすぐに巨大な二つの堰堤が現れた。西尾本や10年位前の記録には無い堰堤なので最近作られたのだろう。この堰堤で行くつの滝がつぶされたのかな、なんて話をしながら堰堤を巻き上がるとナメ滝が現れた。

 

新しい堰堤

堰堤の上はナメ

 

 ナメ滝の上も谷は傾斜を上げながら多段の滝を落としており、小さな谷からは想像もできない光景だ。嬉々として滝を越えて行くとやがて傾斜は緩くなり、井戸谷で見かけた石組が現れ始めた。

 

素晴らしいナメ滝

連瀑帯

どうしようかな

左から直登

石畳?

石組が現れる

 

 谷は平流になり、さっきまでの連瀑が嘘のような穏やかな雰囲気。頭上は2次林のトンネルになっているが残念ながら紅葉には少し早いようだ。この先には見どころも無さそうなので左の支谷から尾根に取り付くとハライドから伸びる尾根の末端鞍部のドンピシャで着く事ができた。

 

流れは穏やかに

 

 慎重に地形とテープ、踏み跡を拾って神懸に到着。雑木で覆われており、プレートが無いと見落としてしまいそうな小ピークだった。展望も無いが他にいい場所もなかったので、ここで昼食にする。I君と来年の計画に花を咲かせる。

 

神懸

 

 下山は倍上谷を下る。ほぼ直線状の谷で滝も無く、何の変哲も無いが、かなり上流から石組工事が施されている。人里に近い事もあり、古くから人との関わり合いが強い山域なのだろう。

 

倍上谷の石組

大きな釜跡

 

 出合い付近にある10m滝を巻き下り、林道を歩いて希望荘に戻る。僅か4時間余りの短い遡行だったが思ってもいない渓谷美に出合う事ができ、上々の締めだったように思う。

 

倍上谷下部のナメ

10m滝

 

 今年I君と遡行下沢は18本。未見の沢に拘り、鈴鹿もマイナー沢から奥美濃南アルプスの有名渓まで行く事ができた。本当にありがとう。来年はもう少し周到に計画してより密度の濃い遡行を共にしたいなあ。

 

 帰りはまだ時間も早かったのでスカイラインを少し登って(車で)西多古知大滝を見に行く。さすが雨の後だけあって水が流れていた。

 

西多古知谷を見物に行く

 

終わり

 

今回のコース