<メンバー>
山仲間(2名)
<山域、形態>
<コース>
しらび平~中御所谷~千畳敷カール~(ロープウェイ)~しらび平
<前半の記録>
谷に復帰出来たところで小休止。出発から既に5時間が経過し残された時間は3時間余り。しかし、標高差、水平距離ともにまだ半分もクリアしていない事にあせりを感じてしまう。今後はスピード重視で行こうと方針を固め遡行再開。と思った所で事件発生!腰にぶら下がっているはずのハンマーが無いのである。おそらく先の巻きの途中の藪でとられたのだろう・・。Eちゃんは探しにいこうか?といってくれたがここで無駄な時間を使えばビーバークは必至、泣く泣く遡行を再開する。
続く二つの滝はロープを出すことなくクリアし、よしこの調子と思ったところで7m滝に行く手を阻まれる。じっくり見れば右手の草付きから超えられそうだが、手元の遡行図は左から巻いている(実際はもう少し上で巻いていた事が後で判る)。ロープを出す時間が惜しく、ハンマーが無いのでコース取りも限定されるという弱気も重なって左の支谷に取り付く。
これはサクっと越える
この滝にビビって左から巻き(12:00)
が、これも一筋縄ではいかない巻きで、微かな踏み跡らしきものを拾って登っていくとトラバースどころかどんどん上へ追い上げられていく。途中、はるか前方まで見渡せる高さまで登ってくると素晴らしい絶景が広がっていた。しかし喜んではいられない、何とかして谷に戻らなければ・・、そうこうしているうちに立派な登山道に飛び出した。近くにはロープウェイの施設とも割れる鉄柱もあり、地形図の点線の登山道か巡視路だろうか。
すごい光景だけど、谷に戻れるかな?
登山道にでてしまった(12:50)
谷に戻るところを探しながら登山道を登っていく。とは言っても地形図上はゲジゲジマーク、なかなか降下適地は見つからない。また、降りられそうなところが出てきても、また登れない滝がでてきたらどうしよう、などとここでも弱気の虫が働く。結局、標高2300mを過ぎる辺りまで登山道を歩く事になる。
やがて対岸に伊奈前岳と思われるピークが見えてくるとさすがに巻き過ぎという気がしてきた。谷を覗きこむと傾斜は徐々に緩くなり初めており、本流からずいぶんと離れてしまっている。ここを逃せばそのまま千畳敷に着いてしまう事にもなりかねないので意を決し、本流を目指してトラバースを開始する。
伊奈前岳が対岸に
遠くに鏡滝(トラバース開始 13:20)
ヤブをかき分けてトラバースしていくが、ヤブもそれほど酷くは無く、何といってもて足元が切れ落ちていないので安心して歩ける。ようやく水が流れている支流にたどり着き遅めの昼食。標高は2350m。これで明るいうちに千畳敷に上がれる目処が着いたのでほっとする。
ようやく支流に乗る(13:30)
南アルプスが見える
更にトラバースをして本流にたどり着いたのは多段の滝の上部(鏡の滝)だった。滑りやすいスラブを慎重に登ると谷はゴーロ状になり、源流の雰囲気。あとは千畳敷まで登るだけだと思っていたら、久しぶりの高所のせいかやけに息が切れる。
鏡滝上部?(14:10)
稜線がチラリ
源流の雰囲気
振り返る
やっと観光客の歩く千畳敷カールに到着したのは15時を回っていた。急いでロープウェイの駅に行き、整理券をもらったが、2時間半の待ち時間だった。
千畳敷きに到着(15:10)
カールの中は日陰になっていた
うーん、2時間半待ち・・
ロープウェイの待ち時間は写真を撮ったり、山ガールを眺めて楽しんでいたが、余りにも寒いので混雑の売店で時間をつぶす。これで体育の日の三連休に千畳敷きに来るのは三回目なので待っているのも慣れてしまった。
飛行機雲
結局、ロープウェイに乗った時には真っ暗になってしまい、自分たちが登ってきたルートが確認できなかったのが残念だ。
真っ暗の中、下降
今回、自分がほぼリードで臨んだアルプスの沢はやっぱり手強かった・・。ルート判断、登攀能力、どれも足りなかった事を痛感した。特に「巻く時は極力小さく巻く」という原則を守れなかったのが悔やまれる。来年は技術、体力を磨いて絶対リベンジすると心に誓うのであった。
終わり