不穏な雲が沸き立つ稜線
<メンバー>
山仲間(4名)
<山域・形態>
<山域・形態>
<コース>
<1日目の記録>
快適なテン場は日頃の睡眠不足の解消にもってこい。今回もそんなパターンだった。トイレに起きる事もなくひたすらツエルトの中で睡眠を貪ると、朝は腕時計のアラーム一発で目が覚める。朝食をとり撤収が完了したら6時半になっていた。
今日は朝から快晴。野呂川の対岸には北岳がくっきりと浮かび上がっている。テン場の上流は急傾斜のゴーロ帯だったがその内、ナメが出てくる穏やかな渓相に変わる。滝の傍の小さなテラスは狭いながらも北岳を眺める絶好のロケーションであちこちに焚き火の跡があった。
背後には北岳がくっきり
テン場の上はナメ滝が
最初は気持ちよく直登していくがやがて水が涸れ、ボロボロの涸れ滝になってくる。左岸から巻きと大きな岩壁に突き当たったので谷を詰めるのをやめて樹林帯を登る事にする。
樹林帯の中は下草も少なく、思ったほど困難ではない。縦横にケモノ道が走るので、自分たちの進みたい方向のものを拾って行く。歩きやすい方歩きやすい方へと登っていったおかげで右側へ大きくそれていたようだ、現在位置を確認すると薬師岳の直下だった。
水が涸れた
岩壁に突き当たる
樹林帯を歩く
ハイマツ帯に突入
すぐに稜線に出た
ハイマツ帯は数mだった
登山者がいっぱい
富士山
さあ、記念撮影でもしましょうか?と思っていたら昨日我々の後からやってきたパーティーが丁度稜線に出たところだった。上部のルートを確認しようと思って話かけたら、なんと黒部の大御所、S水さん一行だった(初対面でしたが)。ツアーに参加しようとした事があるTっちゃんは大喜びで写真を撮りまくる。結局1時間も薬師岳で遊んでしまった。(これが後で痛い目に)
S水さんのパーティーに遭遇
記念撮影
下山はオーソドックスに夜叉神峠までの予定だったが、高揚した気分も手伝って「せっかくだから鳳凰三山を縦走しよう」という事になった。広河原のバスは16:10が最終。コースタイムを見たらギリギリだが何とかなるだろうとの思いで出発。出発した途端にガスが上がってきた。
鳳凰三山縦走に出発
ガスが・・
地蔵岳が近づいてくると雲もどんどん沸き上がってきて、遠くで雷の音や雨の音が聞こえ始める。なんだか嫌な予感。それでも地蔵岳分岐の辺りでは時折晴れ間も見える。岩登り大好きのI君とTっちゃんはオベリスクに登って行く。でも、バスの時間が気になるので頂上は断念してもらった。(私は下で見ていただけ)
オベリスクが見えた
雲がもくもく
オベリスクに立ち寄る
時折雲が切れる
オベリスクに登る二人
私は下で見ている
さあ、後は下りだけと思っていたら高峰までもう一度登り返さなくてはいけない。勘弁して~。高峰からの下りは岩ゴロゴロの難路で疲れた足に堪える。おまけに雷もゴロゴロ鳴りだして冷や汗もの(登攀具は金物ばかり・・)、逃げ込むように鳳凰峠の樹林に飛び込んだ途端に雨が降ってきた。
雷も鳴りだした
下に見えるのが鳳凰峠
鳳凰峠から広河原までのコースタイムは2時間半。この時点でバスまで残り時間は1時間50分。ちょっと厳しいかなと思いながら何とかなるだろうとザーザー降りの雨の中下降を開始する。「バスが出たらタクシーを捕まえておいといて」と健脚TやんとI君が先行して下っていく。
広河原までの道は美しい森の中を下る事になる。雨も寒さを感じる程では無くかえってクールダウンになるくらい。とはいいつつも登りで足を使いきってしまったのでキツイ歩きになってしまった。休憩無しで歩き続け、林道に出たのはバス発車時刻の15分前だった。
広河原までの道は美しい森の中を下る事になる。雨も寒さを感じる程では無くかえってクールダウンになるくらい。とはいいつつも登りで足を使いきってしまったのでキツイ歩きになってしまった。休憩無しで歩き続け、林道に出たのはバス発車時刻の15分前だった。
やっと林道に降り立つ
最後尾のTっちゃんを待ってアスファルトの道を広河原へ向かって歩く。10分ほどで広河原のゲートに着くとバス会社の人が「どこまでですか?」と聞いてくる。バス亭を見るとまだバスが停まっている。やったー間に合った!。濡れた合羽を脱いでバスに飛び乗り何とか無事に夜叉神峠Pへ帰還。
広河原 最終バスに滑り込みセーフ
着替えた後に車で市営温泉に移動。2日間の汗を流してさっぱり。ここから愛知まで4時間の運転をこなして初の南アルプス遠征は無事終了。
シレイ沢は巻きが主体で少し残念な気がしたが、沢泊装備で高所での行動にも目処がついたので当初の目的は達成。縦走路はさすがに南アルプス、絶景が楽しめた。同行していただいた皆さん、毎度毎度ありがとうございます。