奥美濃 粕川 竹屋谷 沢登り 美しい森と谷そしてヤブ・・ 2011.06.05
緑の滴る谷
<メンバー>
山仲間(2名)
<山域>
<山域>
<コース>
林道~竹屋谷~ブンゲン(P1259.7)~北谷~林道
去年の沢納めの日(11月27日)、ミゾレに降られ入渓前に退却した竹屋谷に満を持してリベンジだ。揖斐川支流の粕川の源流を目指し車を走らせる。最後の林道は地図に載っておらず、迷路のようだが今日はI君号のカーナビがあるので大丈夫。木材切り出し場の少し上、林道が谷を渡る少し手前で準備を始める。
沢靴に履き替えていると地元の林業のお兄さんが「何してんの?」と声をかけてくる。どうやら渓魚か山菜の密猟と間違われたようだ。沢登りと言っても中々信じてもらえなかったが、目的地はブンゲンというとどうやら疑いは晴れたらしい。しかし、熊が出るとか遭難者が沢で死んでいたとか散々人を脅しにかかってきた。こっちは早く出発したいのになあ・・。
林道が地形図に載っていないので入渓点の現在位置はイマイチ自信が無い。でもさっきの林業のお兄さんが言っていたので谷は間違っていないはずだ。林道の袂から入渓するがしばらくはショボイ藪沢の雰囲気。熊が怖いので30秒毎に笛を吹いて歩く。
入渓ポイント(ショボイ感じ)
やがて写真で見た事のあるナメが出てきたので間違いではなかった事を確信。同行のI君はこの辺まで半信半疑だったようだ。
ナメが出てきた
この谷の岩質は白い花崗岩がメインで、白布をたらしたような滝と白い砂が新緑から深緑に変わりつつある豊かな森にマッチしてとても美しい。滝はどれも直登もしくは簡単に巻けるものばかりで登りロープを使うような箇所は無かった。
緑がきれい
滝が多い
癒されるなあ
一見、癒し渓のようだが思いの他滝が多く、退屈する事は無い。中には3段15mはあろうかという斜瀑には圧倒されてしまった。下部はフリクションを利用しだましだまし登って最上段は左から木の根を掴んで越える。
左から
右から巻き気味に
スラブを流れる滝が多い
最上段は左から
木の根を掴んで
支流をいくつか分けるに従って徐々に水量は減ってくるものの、シャワーで無くては越えられない小滝も出てきてもう全身ずぶ濡れである。上流に行くに従って谷はだんだん溝状になってくる。
シャワーも辞さない(I君提供)
寒いなんて言ってられない
こういうのも多い
溝状の斜瀑
登る私(I君提供)
ニリンソウが咲いていた
左側が衝立のようになった滝を右から越えると谷は穏やかな源流の雰囲気。またまた獣が出てきそうな雰囲気なので笛をピーピー吹きながら歩く。
左が壁の滝
右の階段状から越える
源流の雰囲気
しばらくすると水は伏流してしまい、まるでジャングルの中を歩くようになる。巨岩帯を越えると雪渓が残る源頭部にでる。谷を詰めて県境に出たと思ったら、実はブンゲン北ピークから東南へ伸びる支尾根の鞍部だった。あるはずの登山道も無いし辺りは笹藪だし、一瞬混乱したが、地形図を確かめ軌道修正。県境尾根に出た時には正直ほっとした。
ジャングル?
雪が残る
登山道であるはずの県境尾根も元気な笹に覆われて踏み跡を見失いがち。何とかもがきながらブンゲンに着いた時には入渓から4時間半が経過していた。ここでようやく昼食としたがガスが出てきて琵琶湖は見えなかった。
やっとブンゲン
下山は北谷を下降する。登山道が無い奥美濃の山ではまともに歩けるのは谷中だけ。昔の人が谷から頂を目指したのがうなずける。北谷は竹屋谷と同じくスラブ状の滝が多い。そのまま降りるのか、巻き下りるのか、はたまた懸垂か、素早い判断が求められるのでいい経験になる。
北谷の滝
スラブ状の滝
懸垂を使って
どうやて下りる?
いつまでも水に浸かっているので体が冷え切ってもうヘロヘロという頃にナメの向こうに怪しい気配。慎重に巻き下ると写真で見た事のある双門の滝だった。水量が多い。
このナメの先には
双門の滝
下れども下れども滝が出て来る。もういい加減うんざりという段になってもきついシャワークライムダウンを強いられる場所が出てくる。勘弁してくれ~。
シャワークライムダウン
水量多いよ・・
まだ終わらないの?
高度計がそろそろ林道かなと思う辺りを指す頃に何やらピンクのテープが出てきた。これは臭うなと思い沢から出てテープをたどると明瞭な踏み跡にでてすんなりと林道に導かれた。ホッ。深い森と濃い藪がとても印象的だった奥美濃の谷、紅葉(きのこ)の頃にもう一度行ってみようかな。
今回のコース