晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

台高 野江俣谷 沢登り 迫力のゴルジュと癒しの森の谷 2011.06.04

出口の無いゴルジュ

 

<メンバー>
山仲間(6名)
      
<山域>
台高

 

<コース>
野江俣谷出合~野江俣谷~ナンノキ平~野江俣谷出合



 せっかくの梅雨の晴れ間だというのに同行者がいない・・。これはピンチだと思い心当たりへメールをしたらTっちゃんが関西方面の仲間との沢企画があるという。これ幸いにと混ぜてもらう事にしたら前日にC君も参加できる事になり6人という大所帯になった。沢の大御所Rさんも来られると聞いてちょっとびっくり。

 

 前夜に伊賀組みの二人(Tっちゃん、C君)と乗り合わせでスメールに向かい私は車中泊。朝、6時に集合し入渓点である絵馬小屋林道終点に向かう。林道終点に車を置き、赤い橋の袂から入渓。最初は平凡なゴーロだが、やっぱり台高、岩が大きい。最初に出てくる6m滝を右から越えると両岸が高く聳えるようになり、不動滝のゴルジュに行きあたる。

 

6m 右から? まだまだ序盤

 

 不動滝のゴルジュは地の底から沸いているような不気味な感じ。不動滝を見るには泳ぐしかないのだが、まだその覚悟が出来ていないのでパス。巻きは右岸のズルズルのバンドを伝って行き、立木でFIXをして後続を待つ。待っている間、ヒルが果敢に靴に取り付くので虫よけスプレーで撃退。

 

不動滝のゴルジュ入り口・・コワイ

ズルズルのトラバース(Y問さん提供)

巻きの途中から(奥が不動滝)

 

 トラバースからイガミ滝の前に降り立ち記念撮影大会。こんなときにも三脚を持ってきているY問さんのおかげで全員で集合写真を撮る。 

 

イガミ滝

全員集合!

 

 イガミ滝は不動滝を巻いたバンドを少し戻ってさらに崖上に這い上がる。うーん、これは知っていないと行けないなあ。Rさんがうまーくルート工作してくれた。樹林帯をトラバースした後、懸垂で谷に復帰。

 

懸垂で谷に復帰

 

 ここから先はようやく周りの景色を楽しむ余裕が出てくる。台高の名渓らしく清冽な流れと巨大な岩、そして頭上を覆う新緑のトンネル。いい谷やな~、そんな言葉を何回も口にしながら濡れるのもものともせずシャワーで小滝を越えて行く。

 

水量が多いなあ

美しい幅広滝

 

 美しい幅広滝から小滝をいくつか越えるとまるで滑り台のような鶴小屋滝。当然登れる訳も無く、右のルンゼから巻きあがる。

 

鶴小屋滝(まるで滑り台)

 

 幅広5mでは左スミの細かいスタンスを使ってRさんがスルスルと危なげなく登ってしまった。ロープ持って言ってくださいよ~と心の中で思いながら私も直登りチャレンジ。なんとかクリアできました。その奥のゴルジュでは頭上を杣道の木橋が横切る。

 

え、登っちゃうの?

頭上を木橋が横切る

 

 その後は初夏の沢らしく腰まで水に使ったりしながら基本シャワーでガンガン滝を越えて行く。この水量と谷の造作はなかなか鈴鹿では味わえない。

 

釜に腰までつかって突破

これもフリーで

意外とホールドしっかり

もうバシバシと

左から巻き

 

 やがて美しい10mの滝が行く手を遮る。ここは両岸が高くどうやって巻くのかなと思っていたら右側を少し大き目に高巻いてクリア。(中段のバンドはルンゼが横切りちょっと怖そう)

 

右から大巻き

 

 滝を巻き終わったら結構お腹が空いてきたので炭焼き窯跡のそばでお昼ゴハン。この時、遡行図上のどの位置にいるのかが議論になったが、それぞれが持ち寄った遡行図はみんなバラバラで現在位置がイマイチ判らない。遡行図を当てにしすぎるのも良くないな。でもとにかく進むしかないので遡行再開。

 

果敢に攻めるTっちゃん

多段滝 右から

 

 次に出てきたゴルジュはまさに地底の裂け目のような真っ暗なミゾ。とりあえず進んではみるものの、流木のささった8m滝で行き詰まり、ゴルジュの入り口まで戻り泥壁の斜面をトラバース。実はこの泥壁が一番苦手なんだよなあ・・。

 

出口の無い廊下

完全に行き詰る

 

 標高800m辺りでナンノキ平を目指すべく左俣に入る。入った途端に急角度のルンゼで岩溝を流れる6m斜瀑は頼りになるRさんが右からの巻きをルート工作。巻きルートの傾斜はそれほどでは無い物の、最後の詰めがツルツルでいやらしかった。

 

左俣に入る

バンドを使ってルートを探る

 

 左手に出てくるCS15mを右から巻くと徐々に源流の雰囲気になってくる。もう時間も押しているし、ここから先は見どころも少ないだろうと言う事で靴を履き替え、適当な所で尾根に乗る。後は急斜面を木を掴みながら登ると癒しの森に変わり、ナンノ木平に飛び出した。

 

CS15m 右から巻き

尾根に乗ると癒しの森に

ナンノキ平のシンボルツリー

 

 帰りは明瞭な登山道を使って絵馬小屋谷出合いまで下る。下部の植林帯は退屈になってしまったが、ナンノ木平から約1時間半ほどで林道終点に出る事が出来た。

 

快適な下山道

出合いに無事帰還

 

 ふーやれやれと思って足元に目をやると靴下の上からヒルがお食事の真っ最中。厚手の靴下も貫くヒルの口に驚きつつ、虫よけスプレーで撃退。この日の被害は2ヒルだった。

 今回は経験豊富な皆さんとご一緒出来たおかげで、楽しかったし勉強にもなりました。これに懲りずにまた誘ってくださいね。

 

今回のコース