晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

鈴鹿 又川谷から竜ヶ岳 沢登り ① かつての美渓の残骸を遡る 2011.05.21

釜の埋まってしまった滝

 

<メンバー>
山仲間(2名)
      
<山域>

 

<コース>
茶屋川(カシロ橋)~又川谷~大井谷~竜ヶ岳~白谷越~太尾根~焼野~カシロ橋



 2011年の沢登りは初回の池ヶ谷を除き、未踏(もしくは未踏の区間を含む)に拘っている。そうした場合、当たりもあれば外れもあるのだが、いままでのコースは思いの他外れが無く楽しい沢登りが出来ている。今回もその勢いでまだ行った事の無い又川谷を遡る事にする。

 

 又川谷は竜ヶ岳を源とし、滋賀県側へ落ちる谷である。穏やかな流れではあるが小滝が連続し、周囲の2次林も素晴らしい美しい谷と聞く。
 
 
 新緑のこの季節、山頂付近のシロヤシオ偵察とこれまた自然林の美しい太尾を下山ルートにすればさぞかし楽しい山行になるだろう。そんな事を考えていたら前日は久しぶりにワクワクで寝つきが悪かった。

 

 今年3月に開通した石榑トンネルのおかげで滋賀県側へのアプローチは恐ろしく楽になった。登竜荘の前から茨川林道の入り口まで10分余り。以前の峠越えを考えたら全然違うなあ。茨川林道は清水谷で通行止めとあったが今回の行程では問題なし。

 

 折戸トンネルを越え、カジロ谷の標識のあるところに駐車して入渓。しばらく茶屋川本流を左右に渡渉しながら遡って行くが又川谷出合いがなかなか出てこない。後で地図を確認したらエアリアのカジロ谷は又川谷出合いの下流側最初の支流だが、現地の標識はその一つ下流側だった。どっちが正しいのだろう。

 

茶屋川本流

又川谷出合い

 

 ようやく現れた又川谷に入りると前方から釣り師が二人下りてくるところ。「釣れましたか?」と声をかけると「こういう浅いところではあかんねえ」という。この時は先行していた釣り師が引き上げていったのでラッキーと思っていたのだが・・。

 

 事前の情報通り平凡な流れの中を遡って行くのだが少し変だな?と思いだした。広い河原状になったところでは一抱えもあるような杉の根本が石で埋まっている。どこかで見たような光景だなあと思ったら青川峡で見た光景に似ている。という事は最近土石流が押し寄せたと言う事か。出合いから40分ほどで白谷出合いに到着したが、出合いは人の背丈を越える土砂が堆積していた。

 

根本まで埋まった杉

白谷出合い

高く堆積した土石

 

 白谷出合いから上流は大井谷と名を変える。ゴルジュがあり、ここからが沢登りになるはずだったが、写真で見た事のある滝も釜がすっかり埋まっていた。

 

堆積土石は続く

釜が埋まっているようだ

 

 更に数メートルクラスの滝をいくつか越えても渓相は相変わらず川床を埋め尽くす土砂と倒木・・。おまけに鹿のムクロが淵に沈んでいたりと何だか沢を楽しめる気分じゃ無くなってきた。Co680mのところで左の支谷から大量の土石流が流れ込んでいた。原因はこれか・・。

 

小規模な山抜け

まだまだ堆積している

左から越える

新緑が美しい

ここも埋め尽くされている

土石流の発生源

 

 Ca750mを越えると谷はいくぶん本来の美しさを取り戻したような雰囲気。大きな釜をもった斜滝や支流から流れ込む直瀑もあり、ようやく沢登りらしくなってきた感じ。

 

ようやく沢登りらしく

右から越える

支流から流れ込む滝

滝身左を直登

 

 迷路のように次々と現れる分岐を地図を見ながら右へ左へと進み、最後は笹の海を漕いで治田峠分岐のすぐ右の鞍部に飛び出した。

 

源流の雰囲気

小滝を越えると

笹を漕いで

もう少しで稜線

 

その②へ続く