原生林の中の渓流歩き
<メンバー>
山仲間 2名
<山域>
奥美濃
<コース>
神又谷出合-神又谷-P1050-神又谷-神又谷出合
2010沢シーズンもいよいよ大詰め。今週のポイントは、①紅葉のきれいなところ、②膝上厳禁の癒し渓、③深くきれいな森、④森の恵み(きのこ)が取れるかな?プラス、来シーズンへの足掛かりとして新しいエリア、という事でネットで検索しまくって導き出した行き先は奥美濃の神又谷。ブナの原生林がとても美しいらしい。楽しみだ。
早朝に車を走らせて「道の駅夜叉ヶ池の里さかうち」に着いたのは自宅を出発してから2時間と少し。林道との分岐でTっちゃんと合流し、神又谷出合いまで移動。
歩き始めは霧がかかりなんだか薄暗い。右から堰堤を越え入渓。ネオプレーンの靴下を履いているとはいえ水に足をつけると冷たく感じる。
朝霧の中、スタート
しばらく歩くと霧が晴れてきた。右手の尾根の斜面には日が当り始め、きれいに色付いているのが見える。どうやら紅葉のタイミングはドンピシャだったようだ。
霧が晴れてきた
両岸がうっそうとした雰囲気になってくると倒木も目につくようになる。ふと見るとゼラチン質をまとった茶色のキノコを発見。これは文句なしのナメコでしょう。小さな群生だが味噌汁にすれば二人分はありそう。早速収穫しコンビニ袋に入れる。
うっそうとした雰囲気
ナメコ、森の恵み
紅葉が輝く
谷が切れ込んでくる
滝はほとんど無いとは言いながら全く無い訳では無い。数mの滝がいくつか現れ、しばし谷歩きから沢登りの雰囲気になる。手を水に入れると冷たいがやっぱり楽しい。滝と紅葉が上手く入るように写真を撮るが結構難しい。
わずかながら滝もある
滑りやすそう
登るのは難しくはない
滝を登り終え、ふと腰にぶら下げたコンビニ袋を確認するとえらく小さくなっている。知らない間に押しつぶしてしまったかな?と思って中をのぞきこんだらなんと袋が破れてキノコはほとんどこぼれてしまっていた・・(ショック大)。中にかろうじて残ったのは2本だけ・・。まあ、この先も出てくるだろうと思うもののやっぱりショックは大きい。
お、連瀑
紅葉と滝
谷の途中で木の枝で組んだ柵(籠)のようなものを発見。近くにはキャンプしたような跡もある。おそらく渓流釣りをする人が魚を干したりしたのだろうか?(知っている方がいたら教えてください)
木を組んだ柵のようなもの・・釣り師?
両岸はブナの大木が増えてきて、さらにいい雰囲気になってくる。時折足元の倒木に目をやるが、食べられそうなキノコはほとんど見つからない。もうこうなったら紅葉に専念する事にし、気を取り直して遡行を続ける。
ぶなが増えてきた
ナメコの幼菌
クリタケ?
輝く紅葉
流れはだんだんと細くなってきて、水の中を歩くのも全然気にならなくなってきた。黄金色に輝く森に包まれながら清流の中を歩いていると普段のツライ事などをすっかりと忘れさせてくれる。いかにも熊がいそうな雰囲気なので時々笛を吹きながら歩く。
流れはだんだんと細く
黄金色
豊かな森に包まれる
紅葉と滝
歩き始めて3時間ほど。稜線が近づくにつれ谷は複雑に分岐し始める。どういうルートで稜線に上がろうかと考えたが、稜線のヤブの具合が不明なので直接三角点に突き上げる谷を選択する。そう、ここは奥美濃なんである。
ヤブっぽくなってきた
ヤブっぽくなってきた谷を詰めるとついに水が途切れ、笹が出現する。稜線直下では結構な笹だったがまだ泳ぐような・・と言うほどでは無い。
ヤブが濃くなってきた
うーん、ヤブコギ
で、やっとの思いで稜線にたどり着いたが、そこには想像していたような踏み跡は全くなく、うっそうと生い茂る笹と、雪の重みで地を這うように枝を広げる灌木。わずか十数メートル離れた三角点を探すのにも、もがくように進まなくてはいけない。切り開きも何も無い所に三角点を見つけた時には思わず写真に撮ってしまった。
やっと見つけた三角点
帰路は中ツ又谷もしくはその中間尾根をと思い、中間尾根に向かってしばらく歩くが奥美濃のヤブ尾根は厳しい。たまらず神又谷に逃げる事にした。
ブナの大木
たまらず谷へ逃げる
急斜面を笹につかまりながら滑り降り何とか神又谷に復帰する事が出来た。ここでやっと遅い昼食をとり、下山開始。平流メインの谷とは言いながらつかれた足で慣れないクライムダウンに何回か足を滑らしてしまった。
やっと谷へ戻る
何とかヘッデンのお世話にならずに車にたどり着く事が出来た。最後は少しヤバかったものの、奥美濃の自然の深さを堪能するとてもいい山行だった。Tっちゃんありがとうございました。
闇下寸前
ナメコは味噌汁に
今回の地図