ガスから覗く宝剣岳
<メンバー>
山仲間
<山域>
<山域>
<コース>
しらび平~西横川~東横川出合い~長谷部新道~千畳敷カール~(R・W)~しらび平
待望の10月の三連休は雨でスタート。当初は紅葉の白山に行く予定だったがあえなく中止となり、最終日に賭けることになる。高山の紅葉が楽しめて、なおかつ沢に行きたい、ただ、もう水につかるような沢はダメ、それでいて行った事の無いコース、日帰りなのでアプローチが楽で・・・。難しい連立方程式の解は中アの東横川になった。
自宅を2時に出発し、菅の台バスセンター到着は4時。すでにバスを待つ行列ができており、前夜泊しているI君と合流。チケット購入組とバス順番待ち組みに分かれて並ぶ。しかし、いつも思うけど、この混雑は異常だなあ・・。
何とか3台目のバスに乗り込みしらび平でバスを降りる。この時点でRWは30分待ち・・。RWに並ぶ人たちをしり目に、沢装束へ着替え、入渓点へ向かう。
今日の沢パーティはどうも我々だけのようだ。次々に上がってくるバスに引かれないように道路を少し下り、橋の袂から入渓。いきなり堰堤を二つ巻く。
荒れたゴーロを少し歩くとナメ滝の奥に右側から堂々とした斜瀑が流れ込む。こっち側が東横川で左の水量の少ない方は西横川。メジャーなのは西横川だが間違えて東に行くパーティーもいるらしい。
出合いの滝はホールドもそこそこあり、フリーで登って行けるがこの谷は総じて滑っており、アクアステルスのI君は若干不安があるようだ。そこで今回は私がトップで登ることにする。水流の中に手を入れると痺れるような冷たさだ。
淡々と急斜面のゴーロを登って行く。朝早いので谷の中まで日が差し込まず肌寒い・・。本流が正面から流れ込む支谷を分け、左に角度を変えた辺りからようやく日が当りだした。
ようやく日の当たる場所へ
ここから一気に回りの景色が色鮮やかに浮かび上がり、気分も高揚してくる。谷の傾斜は徐々にきつくなるが、V字の上方を縁取る紅葉と雲ひとつない青空を見ながらの遡行は全く苦にならない。
角度が立ってきた
紅葉も見事
上流へ進むに従って流れはどんどん細くなるが、これでもか?というくらい小滝が現れる。直登できる滝が多く、ずんずん、快適に、楽しく遡って行く。基本的にはロープ無しで登って行ける。
でも立派な滝が現れる
登っていく私(Tっちゃん提供)
まだ滝が現れる
さすがに高度が高いせいか息が切れやすい。とくに高山の経験がほとんど無いI君は苦戦しているようだ。まあ、焦る必要は無いので休憩を多めに取りながらゆっくりとしたペースで登って行く。振り向くといつの間にか駒ヶ根の市街がずいぶんと下に見える。
なおも続く滝群
さて、今回の遡行の核心部。長谷部新道の探索である。遡行は標高2500m当たりで打ち切り、谷と交差する長谷部新道を使って千畳敷までトラバースしていくのが、完全に廃道になっていて踏み跡すら見つけられない。
高度計とGPSを頼りに辺りを探索するとちょうど標高2500m辺りに赤布がつけてあった。とても道には見えなかったが辺りをよく見ると微かに道型が残っていた。
これが見えたら登山道を探す
赤布はあったものの踏み跡は極めて不明瞭。とくに谷筋では崩落しており、遡行よりも緊張するトラバースもあった。紅葉はこの辺りがちょうど見ごろを迎えているが、ガスが湧きあがって幽玄の世界になってしまった。
道型は極めて薄い
斜面を駆け上がるガス
ガスの中を行く
西横川との交差点を過ぎ、千畳敷方面に進んでいくとガスの中からRWの順番待ち案内が聞こえ出した。なかなか晴れないガスにやきもきしながら進むと一瞬、視界が開け、宝剣岳が目の前に姿をあらわした。いつの間にか千畳敷のすぐ近くまで来ていたようだ。
宝剣岳
RWを3時間半まって上がってきたという御夫婦に写真を撮ってもらい、私が先行してRWの整理券をもらいに行く。14時の時点で2時間待ちだった。
かっこいいなあ
この角度もいい
待ち時間の間、のんびり遅めの昼食を取る予定だったが、Tっちゃんに高山病の症状が出てしまったので、一人だけ先に下山させてもらう(こういう場合は先に卸してもらえる)。残った二人は16時過ぎのRWで下山。まだまだ上がってくる人もいて、この人たちの帰りはなんと19時過ぎ・・。
予定時刻19時15分って何・・
RWしらび平駅で回復したTっちゃんと合流し、無事下山。御苦労さまでした。帰りの中央自動車道の渋滞に巻き込まれ、帰宅したのは21時・・出発してから19時間も経っていた。
今回、お天気に振り回され、急遽の計画だったがメンバーにも恵まれ、沢と紅葉を同時に楽しめたいい山行だった。同行してくれたI君、Tっちゃんありがとうございました。