鈴鹿 ホタガ谷 沢登り 鈴鹿3級沢はスリル満点 2010.10.02
立ちはだかる難関15m滝
<メンバー>
山仲間
<山域>
<山域>
<コース>
宇賀渓~ホタガ谷~分かれ滝~(裏道)~宇賀渓
10月に入り沢シーズンもいよいよ終盤。もう泳ぎたっぷりの沢にはさすがに行けなくなってきたので、行き先に苦労するところ・・。そんな中で候補に上がったのが竜ヶ岳にあるホタガ谷。沢ナビによるグレードでは3級になっており、鈴鹿にある沢の中では難易度は高い方になるだろう。
実は無謀にも4年前に一人で入渓し、最初の15m滝で行き詰ってほとんど巻いてしまった苦い経験がある。自分自身の4年間の成長を確かめる意味でも重要な遡行になる。
<初挑戦の記録>
8時前に宇賀渓の無料の方の駐車スペースにつくとすでにたくさんの車が止まっていた。暑い夏がようやく終わり、鈴鹿にも登山者が戻ってきたようだ。我々も準備をしてスタート。
林道を少し歩いて白竜橋の袂から入渓。ホタガ谷は宇賀川本流に6mの滝をかけて出合っている。暗い入口へは滝の左側を登って入っていく。
白竜橋から入渓
薄暗い入口
小滝を数個越えた所に現れたのは15mの滝。4年前はここから最初の廊下をすっかり巻いてしまったのでホタガ谷はほとんど素通りしてしまったようなもの。今回はそういうわけにはいかないが、ルートである滝の左側凹部が濡れて滑りやすそう・・。ここは登攀能力の高いI君にリードをお願いする。
最初の難関15m滝
出だしはかなり悪くズルズルをだましながら登る。錆びた残置ハーケンにランニングを取りながらそれでもじりじりと登っていくI君。ロープが止まり、笛が鳴ったら私の番だ。途中の小さなCSを越えるのに苦労したが、確保してもらっている安心感からか思い切った登りができた。テンションをかけることなく落ち口へたどり着く。
左の凹部を登る
15mの滝落ち口
ここから廊下が始まる。ようやくホタガ谷の真髄を見ることができると思うと感慨もひとしお(少しオーバー)。CSがのっかった5mの滝は左の階段状を登り難なくクリア。小さな滝を越えると谷は垂直の壁に囲まれ右から6mの滝が流れ込んでくる。すごい迫力。
廊下が始まる
左の階段状を登る
ひょえ~、垂直の滝
とても登れないな~と思いながら巻きルートを探しているとI君が滝の左側のわずかに傾斜のゆるんだ岩壁を見て、「ここ行けそうですよ」という。よく見るとホールドはありそうで上部にはハーケンが連打してある。ここもI君にトップをお願いし、セカンドで登る。残置ハーケンに頼ってしまったが、ここもノーテンションでクリア。
左側の垂壁を登る
6mの上はツルツルの7m滝になっている。ここも左の岩壁を登る。出だしが悪いのでI君をショルダーで持ち上げ、私はゴボウで登る。上部は岩が脆く恐る恐る立木を利用して何とかクリア。
左から巻く
いったん穏やかになった後に水路のようなミニゴルジュ。さすがに泳ぐのはいやなので左側を歩いて越える。6mの滝を越えると、谷が平凡になり、倒木がうっとおしくなってくると登山道が谷を横切る。
やっと穏やかに
水路のようなミニゴルジュ
これは直登
いったん平流に
登山道が横切る
ここから再び登山道が横切るところまでは倒木とガレの楽しく無い区間が続く。前半のゴルジュが迫力満点だっただけにこの中だるみは少し残念だ。古い営林施設(小さなほたって小屋跡)の辺りから、岩の色が黒に変わり、再び小滝が現れ楽しくなってくる。
黒い岩質に変わる
遡行図状では二つ目の廊下になっているところは全部直登が楽しめる。途中深い釜が現れたので腰までつかるヘツリでクリア。左からしずく状滝が入ってくるところは左から豪快な8m滝が流れ込む。これはシャワーで簡単にクリア。
小滝が出てきた
全部直登
深い釜
腰までつかってへつる
右から轟音が
シャワーで突破
再び登山道が横切る
直登が楽しい
これも直登
分かれ滝の下で食事をとりながら作戦タイム。中段までは問題無く上がって行ける。上段で左岸に移り、少しハングしている部分を超す事にする。左岸に上がりきるまでは少し苦労していたが上がりきってからもずいぶんとロープが伸びる。不思議に思って自分が登る番になってみると、落ち口と思っていた場所からさらに15mほど滝が続いていたので驚いた。
分かれ滝
上部を左岸に移ってハングを越す
上部にも滝が続く
分かれ滝を越えると右岸の登山道が近づいてくる。先に見どころも無いようなのでここで遡行を打ち切り、運動靴に履き替えて登山道を下山する。
下山は1時間もかからず宇賀渓に到着。お疲れ様でした。今回もI君に引っ張り上げてもらった様なものだが、難所を全てノーテンションでクリアできた点は大きな自信になった。4年前から少しは成長した自分が感じられ、なんだか嬉しくなってしまった。