晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

川浦谷 西ヶ洞 クリスタルブルーの名渓 2010.09.18 晴

大釜

 

<メンバー>
山仲間
      
<山域>

 

<コース>
新深山トンネル西口-川浦谷-西ヶ洞出合-トンネル-大釜-遡行終了のゴルジュ(ピストン)



 秋分の日の三連休。最初は2泊の遠征沢を計画していたが色々あって中止。じゃあ、日帰りなら参加できるというメンバーを誘って奥美濃の西ヶ洞へ出かけることに。泳ぎ系の沢はそろそろ終盤、西ヶ洞は今週がラストチャンスかも知れない。

 

 板取川へは名古屋から2時間半位でアプローチはかなり好い。新深山トンネルの西口に車を停めて準備をする。

 

 林道を少し歩くと工事用の足場で作った階段があり、明瞭な踏み跡がある。きっと釣り師の道だろう。道沿いに降りて行くと西ヶ洞出合いの少し上流側へ出た。谷は白波が立つような結構な水量。ちょっと緊張する。

 

本流はかなりの水量

 

 ヘツリで抜けるのは難しそうなのでまずは対岸へ渡る。流されるとただでは済まなさそうなのでロープを付けて徒渉。水位が腰ぐらいまであるとかなり厳しい・・。

 

ロープを出して徒渉

 

 続いて壁を伝って下流方向へ移動。水流で底が見えないのでずり足で少しづつ進む。壁際のホールドをしっかり持たないとバランスを失って流されてしまいそうだ。

 

足を取られないように

 

 無事通過するとようやく西ヶ洞出合い。ここまで来るのに結構時間がかかってしまった。出合いで竿を出している釣り師に気づかれないようにそーっと西ヶ洞へ入る。

 

西ヶ洞入り口

 

 入口のゴルジュも結構な水量。ここも右側の壁を伝いながら流れに逆らって歩く。ゴルジュを抜けると穏やかな平流になる。

 

入口のゴルジュ

抜けると穏やか

きらめく水面

 

 しばらく歩くと不意にトンネルが現れる。この辺りはダムの建設計画(現在は中止)があったようで、その名残なのだろう。この美しい景色には不似合いだが、ダム計画が中止になって本当に良かった。

 

トンネル

 

 この谷は高低差はほとんど無いので滝らしい滝はほとんど無い。平流(ゴーロ)とゴルジュの繰り返しになるが、今日は普段より20cmほど水量が高いようで、ほとんど水の中を歩くことになる。思ったより水温が低く、長時間の泳ぎはツライのでゴルジュでは極力へつって行く。幸い?難所には釣り師のためと思われる残置ロープが多数。

 

残置ロープ多数

水線通し

 

 この谷は両岸が立っていて流れ込む支流はほとんどが滝になっており、出合いというのがほとんどない。傾斜が少ない谷がこれだけ深いのは、豊富な雪解け水が大量に岩を削るからなのだろうか?

 

 次々に現れるゴルジュはクリスタルブルーに輝き、とても美しい。通過は泳ぐのが一番楽なのだが、水温が低く長時間はとても無理。極力ヘツリを交えて必要最小限に抑える。

 

支流は滝となって流れ込む

まあ、泳いでもいいんだけどね

クリスタルブルーのゴルジュ

ヘツリも慎重に

腰までなら何とか

 

 やがて、水のとどろく音が聞こえ始めたと思ったら大釜に到着。高さ3mほどの滝なのに、その釜は直径20mはありそうで、不釣り合いにデカイ。釜の中は水泡が沸き立ち、とても泳げるような代物ではなかった。滝の袂でしばらく休憩。

 

大釜
 

のんびり休憩

 

 ここに来るまで思ったより時間がかかってしまったので、最初の目的地のオオヤマタ谷出合いまで行くのは無理そうだ(なんてったって帰りも谷通しなので)。じゃあ、行けるところまで行ってみようと、遡行を再開する。

 

へつって

へつって

 

 奥に3mほどの滝をかけるゴルジュが出てきた。記録では泳いで通過しているものもあるようだが、今日の水量では無理。左から巻きあがる。

 

どうやって抜けるかなあ

やっぱり泳いでは無理

 

 ゴルジュの向こうは平流になっている。せっかくここまで来てもったいないが、今日はここで引き返す事にする。帰りは覚悟を決めて泳いで下る。(ほかの二人はヘツリで)

 

帰りは泳いで

流されると早い

 

二人も観念して泳ぐ

 

 出合いのゴルジュを抜け、本流は再び壁を伝いながら遡る。帰りは登りなので水圧をもろに受け、最後まで気が抜け無い。ラストの渡渉はスクラムを組んで渡る。

 

出合いのゴルジュを抜ける

最後まで気が抜けない

 

 車に戻った後、川浦谷本流ゴルジュと海の溝洞を橋の上から偵察。今日の水量ではとても人間が取り付ける代物ではないな~って感じ。来年、ウエットスーツとシュノーケルで挑戦してみようかな。

 

川浦谷本流ゴルジュ

海の溝洞

 

 ずっと行きたかった西ヶ洞。今回は出合いから大釜までのごく一部だったけど、その内、泊まり装備で通して遡行してみたい。奥美濃も独特の渓相で非常に魅力的。大峰、台高より近いので積極的に通ってみるのもいいかもしれない。