晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

笛吹川東沢から釜ノ沢  メジャー沢へプチ遠征① 2010.08.14~15

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両門の滝

 

<メンバー>
山仲間
      
<山域>

 

<コース:1日目>
西沢渓谷駐車場~ほらの貝のゴルジュ~山の神~釜ノ沢~魚止滝~千丈のナメ~両門の滝~泊地
 
 木曜日から計画していたお盆遠征は台風4号の為、あえなく中止。木曜日、金曜日は有給をとったにも関わらず家でアメダスと雨雲レーダーとにらめっこ・・で行き先を思案。結局、水量が読めないので比較的難易度の低そうな、それでいて見どころのある沢ということで関東のメジャー沢、奥秩父笛吹川へ出かける事にした。

 

 金曜日の夜に中央自動車道を東へ向かう。お盆の渋滞はちょうど反対方向で影響はしなかったものの、断続的に降る雨が気になる。台風一過のハズじゃなかったのかなと少し心配になる。

 

 道の駅「みとみ」には出発から4時間弱で到着。思ったより早いので驚く。(大台ケ原へ行くのと変わらないなあ)すばやく仮眠用のテントを張って就寝。

 

 翌朝、空はどんより鉛色・・。一瞬、この辺を観光して帰ろうか?とも考えたが、同行のI君は行く気マンマンなので腹を決める。道の駅からテクテク歩いて西沢渓谷の遊歩道へ入る。

 

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道の駅みとみ

 

 東沢との二又にかかったつり橋を渡ると、ロープを張った先に明瞭な踏み跡があるのでそれをたどる。河原に降りて沢装備装着。徒渉がいくつかあったものの、まずはゴーロが基本になる。

 

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二俣の吊り橋

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河原に降り立つ

 

 やがて、両側が狭まりゴルジュ状になってきて魚留め滝。とても直登できそうにない様に見えるが、残置スリングが見える。どうやらルートがあるようだ。でも先は長いので冒険はなし。少し戻って左岸の巻き道をたどる。

 

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魚留め滝

 

 通常はここから巻き道(古い登山道)をたどってホラノ貝のゴルジュまで巻いてしまうのだが、やる気マンマンのI君は谷通しに行きましょうという。空を見上げると今にも降り出しそうな空でテンションは下がりっぱなしだが、I君につられて泳ぎモードに突入。

 

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こんな天気でも泳ぐ1

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こんな天気でも泳ぐ2

 

 途中、空荷で泳いで突破など厳しい場面もあったが何とかホラノ貝のゴルジュの入口に到着。もう全身ずぶ濡れだ。せっかくなので濡れたついでにホラノ貝のゴルジュに侵入。ツルツルのF1に行く手を阻まれたが、すっかり沢登りの高揚感で元気になってきた。ゴルジュ突破は到底無理なので左岸の巻き道から大きく高巻く。

 

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ほらの貝のゴルジュ入口

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ほらの貝のゴルジュF1

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ほらの貝のゴルジュ、まき道から

 

 スタートから3時間でようやく山の神。なので1時間は余分に水遊びしていた事になる。ここで再び河原に降りてゴーロ歩き再開。

 

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ようやく山の神

 

 ここからは基本的に退屈なゴーロ歩きとなるのだが、時々現れる大きなナメ滝を持った支流の流れ込みは思わず目を奪われてしまう。乙女の滝、東のナメ沢は長大なナメが空から降りてきているようだ。

 

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乙女の滝

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そそり立つ黒い壁

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東のナメ沢

 

 やがてゴーロ歩きからナメ床が出てくるようになると、写真で見た事のある景色が次々と現れた。やっぱり同じようなところで写真を撮ってしまうなあ。ツルツルの岩の上を足を滑らせないように慎重に歩き、西のナメ沢を超えるといよいよ釜ノ沢出合いになる。

 

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ここは見た事ある!

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西のナメ沢

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ナメが増えてきた

 

 釜ノ沢出合いは見落とし注意なんて記録もいくつか見たが、何の事はない、出合いにちゃんと道標が付いているではないか!。さすが関東のメジャー沢。なんだかすごいなあ。

 

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釜ノ沢出合い

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沢に道標が!

 

 ここからが名所の連続になってくる。魚留めの滝は何気なく立てかけてある木を使って左から巻き。その上は滑り台が面白そうなナメ滝になっているが、空は相変わらず鉛色で雨もポツポツ降ってきたので、とても遊んでいる気分ではない。ナメ床を滑らないように気を着けて登ると千畳のナメに到着。

 

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釜ノ沢魚留め滝

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ツルツルやなあ

 

 千畳のナメは程よい傾斜のナメが森の中からとうとうと流れて来る。ナメ好きにはたまらない景観。ただ、ネット上で見る写真よりも若干水量が少ないのかもしれない。

 

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千丈のナメ スタート

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下から

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上から

 

 ただ、この観光名所も200mほどで終わってしまう・・。千丈のナメの出口?になる斜瀑の前で大休止して、ここで昼食にする。

 

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千畳のナメは斜瀑で終了
 
 千丈のナメを過ぎたらいよいよ両門の滝。丸い釜に同じような規模のナメ滝が左右対称に流れ込んでとても絵になる風景。さすが全国区の沢だけあるなあ。
 
 ここまでくれば今日の行程も先が見えるのでのんびりと休憩する。先行していたパーティーもここで休憩するようで、I君は一緒になってスライダーを楽しんでいる。

 

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両門の滝

 

 雨がぽつぽつと降り出す中、出発。両門の滝の上はヤゲン滝。右から迷い沢が入ってきているが、左岸の尾根にはピンクテープがしっかりとあり、間違いようのない巻き道。その上の滝は左から巻く。

 

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ヤゲン滝

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左から超える

 

 滝を超えるといったん谷は平坦になる。樹林もありあちらこちらに焚き火の跡があるので、この辺りが泊適地なのだろう。時間はまだ15時前だが今日の行動はここで終了。泊まりの準備に入る。雨が心配なので、今回はフライ+ツエルトの2段構え。ロープの間隔が広かったので随分と天井が低くなってしなったが寝るだけなので関係ない。

 

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フライ&ツエルト(雨でも大丈夫)

 

 夕方までにはまだ時間があるので、とりあえず薪集め。しかし、ずっと雨が降っていたので湿った薪ばかりだ・・。燃えやすいように小枝を重点的に集め、なんとか焚き火を起こす。

 

 すぐに消えそうになるので焚き火からは目が離せない、いそがしい夕食だったが、焚き火も何とか燃え続け、服も乾かす事が出来た。ちょうど夕食を食べ終わったとたん、ザーっと雨が。あわててツエルトに潜り込んだ。まだ時間は19時。NHKラジオを聞きながら長ーい夜を過ごした。

 

 

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