晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

台高 本沢川 釜ノ公谷③ 50m滝と感動のフィナーレ 2010.07.17-18

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天上の別世界

 

<メンバー>
山仲間(3人)
      
<山域>
台高

 

<コース>
大台ヶ原P-川上辻-大台辻-釜ノ公谷出合-釜ノ公谷(泊-三津可落山-川上辻
 
前の記録↓

 

  快適に遡行していくといつの間にか頭上に太陽が輝き、谷の中を明るく照らし始める。水しぶきが一斉にキラキラと輝き、あ~沢をやっててよかったな~と思う至福の瞬間だ。

 

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太陽がまぶしい

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この辺りは易しい

 

 格好のいい滝を更にいくつか越え、右から50m滝の前衛になる3条の滝が入ってくるといよいよクライマックスだ。一番左の小さな滝(ツルツル)を攀じ上がると目の前にバーンとすばらしい光景が広がる。この景色を見るためにここまでやってきたようなものだ。(心の中でバンザイを叫ぶ。)時間も押してきているのでここで昼食にする。ただ、写真で見たよりもずいぶんと水量が多い。

 

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50m滝、ついに到着

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水量が多いなあ

 
 さあ、いよいよ50m滝の巻きである。ガイドでは「滝の左側を傾斜の急になるところまで登り、バンドを利用して左岸にわたる」とあるが、水量が多く、バンドも全部水の中だ。ここでスリップすると一気に滝下まで行ってしまうので念の為、ロープをだして私がトップで横断。足場は思ったよりしっかりしていたので、それほど怖くはなかった。そのまま立木のあるところまで上がり、後続を確保する。

 

 そのまま樹林帯の中を登って滝上まで。落ち口の上にも数個の小滝があったが一緒に巻いてしまう。

 

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滝の落ち口

 

 50m滝を巻いてしまえばあとは稜線を目指すのみ。水が切れる前に水筒を満タンにしてやや傾斜のきついゴーロ帯を登る。あえて本流を選んで登っていくとほどなく水が切れ、谷も荒れ模様になってきた。

 

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ゴーロ帯を登る

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水が切れる

 

 谷中を歩くと落石の危険があるので、右側の尾根に乗る。木も生えているので手も使え、登りも安定してきた。ただ、ここへきて二日間の疲れがどっと襲ってきた。ダブルストックを付き、ひ~こらいいながら高度を稼ぐ。

 

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谷を離れて尾根に乗る

 

 やがて笹が出てくると気持ちのいい空間が広がる。相変わらず傾斜は急でひ~こらいいながらの登りだが、振り返ると雲海が広がり、眼下には遡ってきた谷を見下ろすことができる。笹原にはちょうどいい具合に鹿道がついており、それをたどることで無理なく高度を上げる事ができる。

 

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笹がでてきた

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我慢の登り

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いつの間にか雲海の上に

 

 背後の大峰の山々を振り返りながら登り、やっとのことで三津河落山に到着。この辺りからは登山者の踏み跡が付いている。大木が立ち枯れる大台ケ原らしい景色を眺めながらシカよけネットを迂回して川上辻へ到着。

 

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大峰の山々

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三津河落山を経由して

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大台ケ原らしい風景

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川上辻に到着(お疲れ様でした)

 

 結局今日の行動時間も10時間・・。足の早いパーティーなら日帰りも可能だっていうのに・・。まだまだ修行がたりないな~。もうすっかり遅くなってしまったので、お風呂は大宇陀あきの湯にギリギリセーフ。お風呂からあがるころには体中がギシギシいっている。

 

 まだまだ初見の3級沢に自分たちだけで突入すると中々思った通りにはいかないのがよくわかった。でも、あこがれの名渓を無事遡行できた満足感が大きい。付き合ってくれたお二人さん、どうもありがとう。また泊まりの沢に行きましょう。