晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

滝本本谷から北谷 初の南紀遠征は滝見遡行② 2010.05.15-16

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屏風滝

 

<メンバー>
山仲間
      
<山域>

 

<コース>
滝本北谷-滝本集落


 南紀とは言え、ツエルト+シュラフカバーの泊りはやっぱり寒かった。寒さで2回ほど目を覚まし、ダウンのインナーと合羽を着こんでようやく落ち着く。沢用に化繊のシュラフでも買うかなあ。

 

 今日は長ーい帰りの運転が待っているので早めの6時に出発。未見の沢を下降すると言うのは若干の不安はあるが、ガイドでは初心者向けの沢となっているので何とかなるだろう。最初はなんて事の無い河原から。

 

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スタートはなんて事の無い河原から

 

 すぐに取水堰堤のバックウォーターが現れる。堰堤をよく見ると小さな穴から水が噴水のように飛び出している。大丈夫なのかなあ。

 

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取水堰堤が現れる

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水が飛び出している(大丈夫なのかな)

 

 滑が現れてくるので快調に下っていくと前方が落ち込んでいる。覗き込んで見ると比較的傾斜の大きい滑滝だ。遡行図から判断すると比丘尼滝の上部の滑滝のようだが、先が大滝だけに下っていくのは少し怖い。そこで左岸にある踏み跡を辿って大高巻きに巻くと、巻き道は目もくらむようなナイフリッジの上を通っていた・・。恐ろしい。

 

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滑を下っていく

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比丘尼滝の巻き下り(すごい高度感)

 

 比丘尼滝は大きな釜を持った立派な滝。ここからは一旦平凡な流れになるが、再び滑が現れる。北谷の滑は本谷に比べいっそうなめらかな感じがして美しい。滑りたくてウズウズしていたC君は、今日はもう帰るだけとあってあっさり解禁。気持ちいいくらいいスライダーを決めていた。

 

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再び滑が現れる

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滑を滑り台で下る。

 
 滑がS字を描く辺りがこの谷で一番美しい区間。滑の外側は30mを超える断崖がそそり立ち、その中をやさしい流れがゆっくりと蛇行していく。この一見穏やかな流れが長い年月をかけてこの壁を浸食して行ったのかと思うと自然の不思議さを感じる。

 

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滑の外側は見上げるような断崖

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滑を振り返る

 

 快適な滑が急に落ち込んでいるな、と思ったら亀壺の滝の上に到着。ここは右岸の固定ロープ(ワイヤー?)を使って下る。亀壺の滝はその下の屏風滝と2段滝を形成しているようで、すぐわきに落ち口が見える。屏風滝は一旦左岸に渡り、巻き下る。

 

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亀壺の滝

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屏風滝の落ち口

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巻き道の途中から屏風滝

 

 屏風滝の下で小休止&記念撮影。下りはもっと楽かと思ったら結構時間がかかっている。やっぱり沢は登りよりも下りの方が難しい。

 

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ニッコリ~

 

 ケヤキ原滝の巻き下りは巻き道が見つからずに苦労してしまった。私は大きく巻こうとしてしまったが、結局落ち口のすぐ近くにある巻き道をC君が見つけ、事無気を得る。うーん、やっぱり難しい。

 

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ケヤキ原滝

 

 ケヤキ原滝の下流もまた滑の区間。ここで全員がスラーダーで全身ずぶ濡れ。もうすぐゴールなのでもういいやって感じ。

 

 傾斜のある滑は慎重に下る。大きな釜だなあと思ったら留湾殿滝だった。ここまで来たらゴールはもうすぐ。部屋滝の巻き道から越前谷との出合へ巻き下る。この下りが濡れた急斜面をFIXロープを頼りに降りていくので、とても恐ろしかった。

 

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滑の下りは慎重に

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滑ったら釜へドボン

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留湾殿滝

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部屋滝(上部から)

 

 何とか猿手滝の下に巻き下ると後は林道終点にかかる筆藪の滝までもうすぐ。大きな釜をぐるっと回るようにつけられている巻き道を伝ってようやくゴール。

 

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猿手滝

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筆藪滝の釜を巻く

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筆藪滝(ゴール)

 

 帰りは熊野川沿いにある「さつき温泉」で汗を流してお昼ご飯を食べる。冷たい生ビールが飲みたかったが、帰りも長いのでガマンガマン。再びのロングドライブも快調で17時過ぎには亀山に到着。皆さんお疲れ様でした。

 

 今回の遠征で南紀の遠さが実感できた。(上高地へ行くより大変・・)それでも行く価値のあるいい谷があるのも実感できた。今度は真夏に思い切り水と戯れる事の出来る谷にいってみたいなあ。