晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

花の木谷 南鈴鹿の秘峡?探訪 2010.04.18

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滑ったらダメヨ

 

<メンバー>
山仲間
      
<山域>

 

<コース>
石水渓~花の木谷~臼杵山~石水渓



 鎌ヶ岳登山の帰路、長石谷での沢初めでやっぱり沢は面白いというTさんに、「じゃあ明日も軽く行く?」と聞くと、「行きます」との返事。じゃあ、以前から気になっていた安楽川水系の花の木谷に行く事にする。

 

 未だ通行止めになっている安楽越への道を進み、白船谷の出合を橋を渡って左折。500m程歩いて突き当たる最初の沢が花の木谷。そうと知っていなければとても沢登りの対象になるとは思えないほどの小さな流れ。でも入口にはしっかりと踏み跡があり少なからず人が入っているのがわかる。沢の入り口から既に小さな滑になっている。 

 

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初っ端から小さな滑滝

 

 少し歩くと滝壺をせき止めた取水施設が現れた(今は使われていない)。この辺りの地質は花崗岩の岩盤になっているようで、滝は全部スラブ状だ。

 

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滝壺をせき止めている

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スラブ状の滑(4m斜瀑)

 

 4m斜瀑を超えると10mの滝が現れる。右の露岩から高巻いたが、どんどん上に追いやられ、その上の15mも一緒に巻いてしまった。核心を見逃してしまったようでちょっと残念。

 

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10mとその奥にも

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落ち口からの眺め

 

 巻き終わった上には溝状の小さな廊下。まるで水路のようだ。水はきれいに透き通っているが、結構深そうなので滑ると首までドボンと言ってしまいそう。2日連チャンのドボンはいやなので慎重に巻く。

 

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細い溝状の廊下

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滑ったらドボン

 

 続いて現れる7m滝は登れそうで登れなさそうな傾斜。イワノボラーなら登ってしまいそうだが、イマイチ自信が無いので右側の倒木をよじ登る形で越えていく。スラブ滝はしっかりとした手がかりが無いのでどうも苦手だ。

 

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7m、右の木を伝って巻き

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同じような滝が続く

 

 やがて城壁から落ちてくるような滝を超えるとその上も滑滝が続く。ここも微妙な傾斜で、右側の木を掴んでどうにか越える。

 

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まるで壁から落ちてくるよう

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登れそうで登れない小滝

 

 遡行して面白いのはこの辺りまで。流れを阻む大岩を潜り抜けると谷は一気に荒れた姿に変わり、落石の巣のようになっている。水も切れかけたので左岸の尾根に抜け、臼杵岩へと向かう登山道に出る。

 

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大岩

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荒れた源頭部

 

 登山道で靴を履き替えてほっと一息。臼杵岩で昼食を摂った後、転げるような激下りの登山道を下りて林道に到着。

 

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 花の木谷は小さな入口からは想像もつかないスラブ状の滝が連続する中々面白い谷だった。こういう隠れたワンダーランドに出会う喜びは沢登りの醍醐味ではなかろうか。これだからやめられないんだよな~。付き合ってくれたTさん、ありがとう。