晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

姫越山から芦浜  南国トロピカル山行  2010.02.28

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姫越山から芦浜を望む

 

<メンバー>
サークル
      
<山域>

 

<コース>
錦漁港~姫越山~芦浜~錦漁港



 あたたかい雨が降り、鈴鹿の冬はもうおしまい。鈴鹿で雪を楽しめるのは実質1月~2月の前半だけになってしまった・・。
 
 という事で今週は気分を変えて南国遠征。太平洋に面した姫越山へ海抜ゼロメートルからの登り。更に海辺のプライベート?ビーチでのんびりというプラン。朝まで雨が降り続いていたが錦に着く頃には青空が広がって来た。今日、初リーダーのK姉さんは自称晴れ女らしい。

 

 静かな漁村の中を歩くとすぐに登山道取り付き。この辺りは津波に対する対策がしっかりしているようで町のあちこちに避難所が見られる。そういえば昨日のチリ地震、大丈夫かな。

 

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取り付きは海抜8m

 

 登り始めはちょっとした傾斜になっているのでグングン高度があがっていく。あっという間にさっき出発した錦の港と入江が美しい曲線美を見せてくれる。普段、海なんて見ないから何だか新鮮だなあ。

 

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入江が美しい

 

 姫越山は山の名前の由来となった伝説があり、それにちなんだ塚が現れる。しかし、こんな辺鄙(失礼)な所を落ち伸びていく姫さんはどこからどこへ行こうとしていたのだろうか?道は照葉樹に囲まれた明るい道でさながらウバメカシの回廊と言ったところ。

 

 ここでリーダーの携帯電話が鳴る。津波警報がでているようだ。そういえばヘリの音がやけにしていたなあ。到達予想時刻は午後2時ごろなのでなんとかそれまでには通過しなければ。

 

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爺塚

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姫塚

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ウバメガシの回廊

 

 稜線にでると風が強いがさすが南国だけあって日差しは暖かい。姫越山からは太平洋の水平線とかつて原発建設と反対運動でゆれた芦浜が見下ろせる。今日のランチは芦浜の予定。海辺に向かって一気の下りになる。(芦浜は中電の社有地になっております。立ち入りは自己責任で)

 

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姫越山より芦浜を見下ろす

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芦浜に向かって下降

 

 標高差500mを一気に下ると小川の流れる中電作業小屋の前にでる。小川にはヒキガエルがノソノソと這い出しており、まさに春を実感させる光景。カエル好きのメンバーはさっそく触りはじめる。(私はようしません)

 

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何も持たなくても・・

 

 芦浜に降り立つと目の前に太平洋が広がり何ともいい気分。ここは船で来るか足で歩くかしないと来られないので手つかず?の自然が楽しめる所。でも漂流物のゴミはすごいなあ。

 

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目の前に広がる太平洋

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海は広いな大きいな

 

 風を避けて海辺の樹林帯でお昼ご飯。今日はTさんの誕生日だったので、リーダーがケーキを準備。ローソクの火が消えないように手で囲って急いでハッピーバースデーの唄を歌う。いいなあ、Tさん。私も自分の誕生日に山行を企画しようかな。

 

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海辺で誕生パーティー

 

 津波の心配があるので、余りのんびりしていられないがそれでもやっぱり波打ち際で遊んでしまう。貝殻を集めたり、ハリセンボンのミイラを発見したり。そのうち2時が近づいて来たので、高台にあがり津波の到来を待つ。

 

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貝殻拾い

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芦浜湖

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波打ち際で遊ぶ

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ハリセンボンの干物

 

 しかし、いくら待っても海に変化は無い。よく考えれば地球の裏側(チリ)から到達する津波をドンピシャで予測なんてできないだろう。潮時なので錦へ戻る事にする。

 

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太平洋のプライベートビーチ

 

 1時間ほどで錦漁港に到着すると、港に何やら人だかり。聞いてみると今、ちょうど津波が来たところだという。イメージにあるような白波が押し寄せるのではなく、音も無く静かに潮位があがり、あっという間に引いていく所だ。警報よりも波の高さが低いのでのんびり眺めていられるが、これが防波堤を超えるととても恐ろしいと感じる。

 

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津波の到達した錦漁港

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みるみる潮が引いていく(堤防の水線に注目)

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上の写真の3分後(堤防の水線に注目)

 

 どうやら町中の人が海を見にいっているようで、海岸線はどこも人だかり。途中、川にさしかかると津波の第2波が川を遡っているところだった。

 

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津波を見守る錦の人々

 

 津波騒動があったが、ポカポカ陽気に美しい空と海、2月は雪まみれで苦しい山行が続いたが、これで春に向かって弾みがつけられそうな気持のいい山行だった。リーダーのK姉さん、皆さん、どうもありがとう。

 

※今回の山行は終始マスクをしていましたが、帰るとやっぱり花粉症の症状が・・。今年も嫌な季節になってきましたね~。