滝波山敗退 稜線は遥か彼方に・・ 2010.02.07
ラッセルは楽しい(?)
<メンバー>
山仲間
<山域>
<山域>
<コース>
島口~滝波谷~林道~P1004(敗退)~ピストン
冬恒例の御池岳でテント泊は参加予定メンバーが一人欠け、二人欠け、最後は二人になってしまった為仕方なく中止とした。ただ、土曜日の寒気は温暖な知多半島にも積雪をもたらし、鈴鹿の山もエライ事になっているようだ。
中止の判断は結果的には良かったかも、なんて思いながら翌日の奥美濃遠征(といっても日帰り)の準備をする(御池が中止になったのでヤブコギネットでも変○との噂の高いFさんの滝波山山行に混ぜてもらった)。鈴鹿以上の豪雪地帯である越美国境ははたしてどのような状況なのだろう。山行前日の心境はワクワクよりも怖いもの見たさだ。
星空の下、深夜3時に出発するも北に向かうにつれ雪がチラチラ降り出し、郡上八幡ICを降りると一面の雪景色。久しぶりの圧雪道路をワイパー全開で疾走し、何とか集合時刻の少し前に板取川温泉に到着。駐車地は30㎝を越える新雪が積もっていたが、これは一晩で降り積もったと、前夜着のBさんの言。うーん、今日はどんな一日になるのだろう。
最後に到着するはずのTさんの車がスリップし雪壁に突っ込んだのを救出に行くというハプニングもあり、島口集落を出発したのは予定より2時間遅れの8時過ぎ。家々の屋根には30cm以上雪が積もり、集落を抜けてすぐにスノーシューを装着しなければいけない。今日はいったいどんな一日になるのだろうと、またしても思う。
島口集落はまるで雪国
集落を抜ける辺り
林道に入ると雪はますます多なる。きれいだな~と思うのも最初だけ、気温が高いせいか雪質は重く、ラッセルも膝上に来ると途端に効率が悪くなる。幸いパーティーはスノーシュー×3、ワカン×1、スキー×2の6人パーティーとなったので1人5分を目途に先頭を交代していく。(タイムキーパーはFさん)30分に一回の受け持ちが終わると全力疾走した後の犬のように舌を出して息をぜいぜい言わせなければならない。
林道でこんな感じ
どれくらい積もっているのだろう
一人5分で交代のラッセル開始
約3時間かかって林道分岐に到着。雪面に3mあまりの亀裂が入っているなと思ったらそこがアスファルトの路面だった。すごい積雪量。およそ時速600mのスピードでは滝波山はおろか、稜線にも出ることは無理だろう。今日は一日林道ラッセルで終わるのかも・・。無情にも頭上には抜けるような青空が広がっている。
青空が広がる
谷の出合辺り
黒いところが地面
腰ラッセル
今日は買ってから使うのは2回目という、スノーシューにフローティングテールをつけて来たのだが沈み具合は皆と同じレベルにするのが精いっぱい。ワカンなら絶対身動きが取れなくなっていただろう。
スノーシューもパワーアップしたのだが・・
一番後ろは楽チン
どうせ頂上に行けないのならせめて見晴らしのいい所まで行こう、という事で目標をP1004に変更。スキーのお二人と別れて植林の斜面に取りつく。しかし、平坦な林道でも死ぬ程苦労したラッセルが斜面になった途端、更に苦しさアップ。腰高が胸の高さになってもはや足を上げるだけでは前に進まない。体を前に投げ出し、膝やストックを使って雪を押してから登る様はまるで五体倒地のようだとの声がかかる。
斜面に取りつき更に苦しく
植林の急登ラッセル
もがく
予定の行動終了時間(引き返し時間)を過ぎても植林から抜け出せず、展望を得るのを半ばあきらめかけていた時、ようやく目の前が開けて稜線のような所にでた。P1004だ。空はきれいに晴上がり、本来目指すべき稜線は遥か彼方・・。よく頑張った。今日はこれぐらいで勘弁してやろう、という事でやっと昼食になる。
やっと視界が広がる(P1004)
稜線は遥か遠くに
本日はここまで
下山開始は15時過ぎだったが、6時間以上かけて登って来た道も往路のトレースを使えば1時間半程で島口まで戻る事ができた。という事はそれだけの距離しか稼げていなかったという事。やっぱり奥美濃の新雪は恐ろしかった。
気持ちよさそうな自然林の斜面
帰りは楽々
見事なトレース
P1004を眺める
苦しかったラッセル地獄も終わってみれば貴重な体験、とても楽しい山行だった。雪の締まった残雪期にリベンジを誓って板取の村を後にした。
みなさん、ありがとうございました。
今回のコース(クリックで拡大)