遠足尾根から藤原岳 冬枯れロングトレイル 2009.12.06
藤原岳頂上台地(昔はスキー場だったという)
<メンバー>
サークル
<山域>
<山域>
<コース>
青川キャンピングパーク~大鉢山~遠足尾根~県境三差路~セキオノコバ~治田峠~藤原岳~大貝戸
サークルの鈴鹿大縦走もいよいよ大詰め。今回は最後の長距離区間、遠足尾根~藤原岳だ。実はこの区間、いろいろと苦労して今日に至っている。まず、藤原岳と治田峠間を踏破しようと3月にトライしたが、思わぬ積雪でコース変更。5月には竜ヶ岳から治田峠を目指したが花に見とれて時間切れ、セキオノコバで引き返している。その後の下見で青川峡が壊滅状態なのを確認したので治田峠で区切らず、一気に踏破しようと考えた。
青川キャンピングパークの脇に車を停め、大鉢山へのハイキングコースを利用して遠足尾根に取りつこうと考えた。登山口には立派な看板があり、整備された道を利用して一気に高度を上げるつもり。
看板はあるものの・・
しかし、このハイキングコース、整備されて以降利用者が殆どおらず、踏み跡も途切れ途切れで何とも心もとない。展望台という看板がついたところまでは何とかたどり着いたが、その先は道が消えてしまい、岩屑で埋まった藪の斜面を右往左往してしまう・・。
キャンプ場を見下ろす
道が消えた
さまよう事30分、標高わずか300m付近で道を失うとは思ってもみなかった。一時は一旦車まで戻ろうかとも考えたが、そうすれば1時間半のロスとなりゴールは怪しくなってくる。高度計をみると大鉢山の頂上までは標高差150mほどだったので藪の薄いところを狙って直登する。ズルズル、ガラガラの斜面に苦心しながら這い上がるとようやく登山道に合流。頂上からは今日歩く予定の稜線が一望できる。
大鉢山からの展望
遠足尾根から伸びる支尾根は急登りだったがさっきまでとはうって変って安定している。まだペースがつかめずフウフウ言いながら標高700mあたりのコバで小休止。最近のばかに暖かいせいかアセビの花が咲いていた。
アセビも狂い咲き
遠足尾根には立派な踏み跡が付いており快適に歩く事が出来る。おまけに標高が上がるにつれて傾斜が緩くなって来るのでペースも快調。笹が広がりだすとクラから竜ヶ岳への稜線が目に飛び込んでくる。もうすぐ標高1000m辺りだろう。頭上には冬型特有の鉛色の空が広がる。
笹の稜線
藤原岳方面(どんより雲が)
竜ヶ岳方面(同じく雲が)
しかし、ホタガ谷道との合流点にさしかかろうとする頃には雲が切れて青空が見えてきた。振り返ると今日歩いてきた遠足尾根が一望できる。
雲が切れてきた
遠足尾根を見下ろす
この時、どこからともなく笹を切り裂くようなザザッという音が近づいてくる。突風かなと思った矢先、数十頭のシカの群れが目の前を通り過ぎていく。おそらく猟師の犬にでも追われていたのだろう。こんな経験は初めてだ。
竜ヶ岳
県境三叉路から静ヶ岳方面に向かう。こっから先は静かな山歩きになるかなと思ったら、セキオノコバでは団体さんが昼食の準備中だった。こんなところで人に会うとは思っていなかったので驚いた。我々もここでお昼にする。
セキオノコバの池
セキオノコバの池
団体さんが昼食中
銚子岳登りは思ったより急でくたびれてしまったが、何とか予定よりも早いコースタイムで治田峠に到着。これなら明るいうちに下山できるかも。藤原岳方面をみるといつの間にか雲ひとつない青空に変わっていた。うーん、早くあそこまで行きたいなあ。
地味な銚子岳
治田峠
青空が!
治田峠から北はすっかり葉を落とした2次林の回廊になる。アップダウンもそれ程激しくは無く、快適に距離を延ばす。眼下の青川峡から一発の銃声が聞こえた。やはり今日も猟師が入っているようだ。今回は遭遇しなくて良かった。
迷い尾根の道標
冬枯れの縦走路
孫太尾根と合流した後の山腹トラバース道は所々斜面が崩壊しており、踏み跡も途切れ途切れで少し歩くのに苦労する。アップダウンがあるが稜線上を歩いた方がいいかもしれない。藤原岳への最後の急登は笑ってしまうくらい体が上がらなかった・・。
孫太尾根が近づいてきた
最後の急登
ズルズル滑る急斜面をなだめすかしながら稜線にたどりつくとその向こう側には素晴らしい景色が広がっていた。真っ青な空に藤原岳の広々とした頂上台地。鉱山の切り立った断崖。これまでのつらさが一気に報われたようだ。カレンフェルトの稜線を歩けば、暮れなずむ藤原岳まであと少し。
素晴らしい景色
思わずにっこり
昔はスキー場だったという
暮れなずむ山頂
日はすっかり傾き山の影がどんどん東へ伸びている。そうのんびりもしていられないので早々に下山にかかる。藤原山荘はさすがにひっそりとしており、どうやら我々が最後のようだ。
ミニテーブルランド
藤原山荘
山の東斜面に入ると一気に暗くなる。単調な大貝戸道は歩いても歩いても進んでいないような気がして疲れは増すばかり。最後は何度も休憩をしながら何とかギリギリヘッデンのお世話にならずに登山口に到着。お疲れさまでした。
木の実で花が咲いたように見える
最後はほとんど闇下
今回のコース(クリックで拡大)