晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

青川から遠足尾根 驚嘆の青川砂漠  2009.10.18

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土石流で埋まった林道(白いのはガードレール)

 

<メンバー>
単独

 

<山域>

 

<コース>
青川キャンピングパーク~手掘りトンネル~桧谷?~稜線~治田峠~銚子~セキオノコバ~県境三叉路~遠足尾根~大鉢山~青川キャンピングパーク

 

 

 鈴鹿の山の紅葉も今年は早いらしい。どんな具合か気になっているところに自分がリーダーをするサークルの企画が間近に迫ってきた。藤原岳からセキオノコバの間が担当区間となっているが、青川峡は去年豪雨でとんでも無い事になっていると聞いている。是非自分の目で確かめなくてはいけないだろう。そう考えて今回は青川峡を歩く事にする。

 

 青川キャンピングパークには昨日から滞在しているオートキャンパーのテントでいっぱい。今はあんなのはアウトドアと呼ぶ気にはならないが昔はやってたな~、なんて思いながら車を停める。一番奥の駐車地は従業員用と注意されたが(ケチくさい)そんなのはどこにも書いていない。それなら看板を立てて置くべきだろう。

 

 林道ゲートの脇に車を停めて出発。既に車が一台停めてあり先行者がいるようだ。荒れていると聞いていたが林道はいたって普通の状態。

 

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ゲートを超えて出発

 

 なんでも無いと思ったのもつかの間、目の前には驚くような光景が目に飛び込んでくる。川幅いっぱいに広がった大きな河原、大きな堰堤もすり切り一杯に土砂を貯め込み、堰堤の下流もほぼ同じ高さで土砂が堆積している。うーん、よくキャンプ場が無事だったなあ。

 

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完全に埋まった堰堤

 

 本来林道があったところ(右岸側)を歩いていると足元に何か埋まっている。よく見たらガードレールだ。下の川床がガードレールを埋めるほどの上がっている・・。

 

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土砂に埋もれているのはガードレール

 

 林道はズタズタに引き裂かれ、アスファルトの舗装が薄皮のように残っている状態なので川床に下りてゴーロ歩きに切り替える。左の支流から流れ込む土石の多さに言葉を失う。林道上に看板のるところが以前の休みコバ(と思われる)

 

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ズタズタの林道跡

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大量の土石流

 

 水は伏流してしまい、歩きにくいゴーロを淡々と歩く。かつて10m程度の段差のあった石組の堰堤もすっかり埋まってしまいかろうじて頭を出しているのみ。巻き道につけられた道標がかろうじて生き残っている。途中足元に鎖を見つけた。

 

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右に頭を出しているのがかつての堰堤

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クサリの痕跡

 

 かつてキャンプ場だったという広河原もさらに広大になっていて、まるで砂漠を歩いているようだ。今回は下見なのだが、もう一度ここを歩く気にはなれない。

 

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広河原

 

 右岸の台地に登山道が残っている部分があったので辿ってみる。昔女郎屋があったといわれている下り藤の辺りは土石流の被害を免れたようだ。やはず尾のトンネルは入り口側が流されて谷になっていた。一旦降り、再度崖をよじ登り潜ってみる。

 

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トンネル入口

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トンネル出口

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銚子谷

 

 あまりに変わりように唖然とし、少々注意力が散漫になってしまったようだ。治田峠への登山道はここから右岸に沿って尾根を上がっていくのだが、記憶にある取りつきが全くわからなかったので、そのまま谷中を進んでしまう。石の中に金属性の光沢のあるものが混じっている。鉱脈が露出したのか、それとも昔の鉱滓なのだろうか。頭よりも上にある木の枝に大きな岩が引っ掛かっている。ここにも土石流のすさまじさが・・。

 

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鉱山の名残

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あんなところに岩が

 

 殆ど沢登りのような状態でゴーロを歩いて行くと右側に鉱山施設と思われる石組が現れた。これは全く記憶にないので、道を間違った事にようやく気づく。どうやら桧谷を詰めているようだ。時間的にはまだ余裕があるので、登り易い所から斜面に取りつき、稜線まで上がる事にする。

 

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荒れた谷を行く

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鉱山施設と思われる石組

 

 ざれた斜面を登りながら方向を確認すると思ったよりも北に振っていえるようだ。上部では岩場になり緊張する登りを強いられた箇所もあったが、そのうちコバのよう場所でた後、ようやく稜線に飛び出した。地図で確認すると蛇谷の源頭に当たるピークだった。

 

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ようやく稜線へ

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藤原岳

 

 予定では3時間で稜線だったので、ほぼ読み通りだが、北に振ってしまった分が余分だった。治田峠で昼食をとり、銚子への登り。桧谷上部の急斜面で足を使ってしまい、この登りがきつかった。稜線の紅葉はまだまだだ。

 

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銚子への登り

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紅葉

 

 過去に歩いた時はいずれもパスしている銚子岳の頂上に立ち寄り、セキオノコバに向かう。二重稜線の間に池のある変わった地形だ。この辺りの雰囲気は鈴鹿でも特に好きなところ。大井谷の源頭にあたる大きいほうの池では昼寝をしているハイカーが一人。

 

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銚子岳

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樹林の回廊

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セキオノコバの池

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二次林の紅葉

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大きいほうの池

 

 県境三差路までの登りで足が攣ってしまい、どうなる事かと思ったが水分と塩分をとって、何とか竜ヶ岳が見渡せるところまで到着。遠足尾根が上部も踏み跡がはっきりついており、もうバリエーションルートでは無い。

 

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竜ヶ岳

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遠足尾根

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遠足尾根上部

 

 標高780m付近で大鉢山へ向かう稜線に乗り換える。踏み跡は薄いものの尾根芯を忠実に辿り、大鉢山へ到着。ここからは整備された?遊歩道がついているという事なのでもう安心だ。

 

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大鉢山

 

 なんとか暗くなる前に林道に到着。ヤレヤレである。青川峡の荒れ具合は想像以上だった。もう一回歩くのはいやなのでコースを練り直しだなあ。

 

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今回のコース