晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

大雪山縦走 神々の遊ぶ庭へ 黒岳~白雲岳① 2009.08.06

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黒岳より


<メンバー>

夫婦

 

<山域>
北海道

 

<コース:2日目> 
層雲峡~黒岳~北海岳~白雲岳~白雲キャンプ指定地(泊)
 

 前日の記録

ikuyayuuki.hatenablog.com

 

 興奮のせいか途中3回ほど目が覚めた。最後は4時に目が覚めたがさすがは北海道、外は充分に明るくなっていた。6時の始発ロープウェイに乗るべく、昨夜のうちに作っておいてもらったおにぎりをザックにぶら下げてロープウェイ駅に向かう。登山者は7~8名だが他は日帰りの軽装。驚いたのはツアー客の団体がたくさんいた事だ。朝飯前にロープウェイ往復し、別の観光地に向かうのだろう。うーん、なんてもったいない。

 

 5合目でロープウェイを降りてリフトで7合目まで。空は雲ひとつ無い快晴で、黒岳が青空にくっきりと浮かび上がっている。実は黒岳は8年前に観光で訪れているのだが、その時は雨とガスで景色は何にも見えなかった記憶がある。リフトを降りて入山届けを記入し、朝食のおにぎりを食べる。
 

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ロープウェイで5合目まで

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リフトで7合目まで

 

 7合目リフト駅のそばにある登山事務所にある温度計は17度をさしてる。さすがに涼しいなあ。事務所の裏から登山道に入る。登山道はきれいに整備された九十九折りの道。ゆっくりゆっくり歩いているつもりだが、いつの間にか高度があがっている。

 

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7合目の気温、さすがに涼しい

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登山開始

 

 やがて、登山道の脇はお花で賑やかになってくる。一番目についたのは黄色の大きなミヤマキンバイ。やっぱり北海道は花も大きい?

 

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さっそくお花のお出迎え

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ご機嫌のUちゃん

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ミヤマキンバイ

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イワキキョウ

 

 ゆっくり登ったつもりだが、日帰り装備の熟年パーティーを追い越し、なかなかいいペースで上がってきたようだ。急斜面の上の青空の面積が徐々に大きくなってきたと思ったら黒岳の頂上に飛び出した。9年前は白いガスしか見えなかったのだが、今日は雲ひとつないいい天気。大雪山カルデラが一望できる。

 

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黒岳頂上

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大雪山カルデラを一望

 

 山頂で小休止&写真撮影の後、黒岳石室にゆっくりと下りて行く。登山道はきれいに整備されているが、道を踏み外さないように張り巡らされたロープが少し興ざめ。足もとのチングルマはもう綿毛に変わっている。

 

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まずは石室まで

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きれいに整備された道

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綿毛になったチングルマ

 

 黒岳石室でトイレ休憩。ここのトイレは環境省ご用達のバイオトイレ。便器の脇に自転車が付いていて、用を足したらペダルを回しオガクズをかきまわすというもの。面白くて何回も回していたら強烈なにおいがして来たので急いで退散。使用料が1回200円なのでたくさん出しておこうと思ったが、それほど出なかった。
 
 不意に小屋番のおじさんが現れ、あそこに熊がいると教えられる。一瞬ドキリとしたが、数百メートル離れた場所に黒い小さい点が動いている。これだけ遠ければ安心だろう。 のんびりしていたいところだが先は長いので出発。

 

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まずは北海岳を目指す

 

 北海岳への道はカルデラの底を横断するようなイメージ。展望の良い尾根歩きでは無いが、あちこちに無数のお花畑が広がり、まさに「神々の遊ぶ庭」がに会う景色。白山に行った時も花の多さに驚いたが、こちらはスケールが違う。特に雪渓のまわりは気温が低く保たれているせいか、まだまだきれいに咲いている花が多かった。

 

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天国のようなお花畑

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まだ雪渓が残る

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エゾコザクラ

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あちこちにお花畑

 

 雪渓を源にする沢を渡渉し、さらにお花畑の中を歩く。青空と雪とお花に囲まれてUちゃんはハイジの気分。昔見たアニメの主題歌を口ずさみながら歩く。

 

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緑と青空と雪渓

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アオノツガザクラ

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アオノツガザクラチングルマ

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ハイジになったつもりのUちゃん

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お花畑の中を歩く

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シナノキンバイと雪渓

 

 やがて登山道はカルデラの縁を登り始めたのか、徐々に登り坂になってくる。斜面には大きな雪渓が残り、久し振りに雪の感触を楽しむ。お花に目を奪われていたらいつの間にか高度があがっており、対面の凌雲岳、北鎮岳、そしてスタート地点の黒岳まで見渡せる。ああ、歩いてきたなあ。

 

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雪渓を詰める

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コマクサ

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イワブクロ

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歩いてきたなあ

 

 暑さでバテ出したUちゃんをなだめすかして何とか稜線を目指す。北海岳までたどり着ければ今日の行程の2/3は消化した事になる。ガンバレUちゃん、きっと素晴らしい景色が待っているから。

 

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これを詰めれば稜線

 

<つづく↓>