晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

本沢川 黒石谷 大迫力の美渓に酔う② 2009.07.18-19

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 鬼滝


<メンバー>

山仲間

 

<山域>
台高

 

<コース:2日目>
平谷出合~鬼滝~黒石岳~黒石林道終点


 ツエルトは思いの外快適でぐっすり眠れたようだが、お尻をアリにかまれたらしくて痒い・・。今日はなるべく早く出発したいので5時に起床したのだが体が重い。だらだらと焚火を起こしたり顔を洗ったりしていたら6時になってしまった。朝ごはんを食べ、撤収を終えると結局出発は7:30。まあ、今日も安全遡行で行きましょうか。

 

 朝一で濡れるのは嫌だったので右岸の作業道を行こうと思ったが、頑固な笹藪で必要以上の労力を使ってしまい、早々に退散。やっぱり谷中を行くのが正道のようだ。
 
 美しい多条10m滝が現れたので写真を撮ろうと思うがどうもカメラがおかしい?防水カメラなのに内部に水が入ったようで、露出調整がうまくいかず真っ黒になってしまうので写真はあきらめる。

(しばらくしたら復活したが、内部の結露が写りこんでガスがかかったような画像になってしまった)

 

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まずは穏やかな流れ

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まだまだ滝があります

 

 ちょっとした連瀑を二つ越えると鬼滝が現れた。事前に見た写真からのイメージをスケール、角度、ともに大きく上回る。ちょっとビビってしまったので、偵察を兼ねて休憩。
 
 事前の情報どおり1段目は直登、2段目は右側のバンドを戻り気味に登り、ブッシュ帯に逃げるというルートをとる。フリクションの効かないツルツルの斜面を怖々登り中段に立つ。ここも気を抜くと滑って下まで落ちてしまいそうなので冷や汗ものだ。ルートと思われるバンドも滑りそうで取り付くブッシュも高度感抜群。念のため、ハーケンを打って支点を取り、ロープで確保してもらいながら登る。

 

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鬼滝(右から巻く)

 

 何とか支点が取れそうな太い木の傍まで登って行き、今度は上からEちゃんを確保。私が苦労して登ってきたルートをEちゃんはスイスイ上がってくるのでちょっと自信喪失・・。さらに高度を上げると水平に踏み跡らしきものが出てきたので、それを使って滝上まで。無事谷に降り立った時には緊張のあまり、喉がカラカラに乾いてしまっていたのに気づく。

 

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巻きの途中より

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落ち口

 

 これで難所はほとんど越えた事になるのでのんびり遡行ムードに入り、傍らの花に目を向ける余裕がでる。5、6mの滝を楽しく超えていくと短い廊下が現れるが、これは右からあっさりと巻き。

 

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あとはのんびり

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これはシャワーで

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ガクアジサイ

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最後の廊下は右巻き

 

 続いて現れる15m斜瀑を越えると50mを越える滑滝が現れる。これが最後の魅せ場なので流れの中をバシャバシャと登っていく。

 

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滑が現れる

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50mの滑

 

 滑を越えるとあたりはすっかり源流の雰囲気。奥の二股を越えるとここにも植林小屋の跡が現れた。一升ビンが散乱している。こんな山奥までよくやってくるなあといつも感心してしまう。

 

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源流の雰囲気

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小屋の跡

 

 本流の詰めは倒木が多そうでいやらしかったので、左股に入り涸れた谷を詰める。傾斜がどんどん立ってきたので植林の尾根に逃げると黒石岳の南西に登り尾根に乗っかり、そのまま黒石岳頂上へ。

 

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黒石岳への急登

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黒石岳頂上

 

 黒石岳頂上で靴を履き変え、昼食をとっていざ下山。北北東に延びる尾根を使って、直接黒石林道に降りようと思ったが、林道工事の部分で尾根を一本間違えてしまい、どこかの谷の上部に降りてしまった。

 懸垂したり藪を漕いだり、苦労の末、明確な踏み跡を見つけそれを辿ると、ちょうど林道終点の数百メートル手前にぴたりと降りてきた(けがの功名?)

 

 河原で汗と泥を落としてさっぱり。すでに入之波温泉は終わりかけだったので、大宇陀の温泉で汗を流し榛原で解散。帰りの名阪国道は大雨の中の運転になった。

 

 これで初見の三級沢を無事クリアーでき、ほっと一安心とともに自信についた気がする。どんどん行動範囲を広げて、いつかは上の廊下なんて言ってみたいな~。Eちゃん、付き合ってくれてありがとうね。